移動販売車に対して利用者は何を求めているのか?
- 日本の中山間地域では、人口減少によって食料品店の閉店・廃業が相次ぐなど、食料品の調達環境が悪化しています。特に自動車の利用が困難な高齢者においては、食料品をいかにして調達するのかが深刻な問題となっています。そうしたなか、各自治体では対策として、食料品を自宅近くで販売する移動販売車の導入を支援するケースが増加しています。
- そこで、移動販売車の導入が地域にもたらす効果を把握するため、利用者が移動販売車のどのような機能に価値を感じているのか、利用者側の視点に立って分析を行いました。中山間地域に位置する鳥取県日野町では、移動販売事業の継続を求めて利用者が役場に嘆願書を提出しました。本研究では、嘆願書に移動販売事業を継続して欲しい理由として、利用者が重要視する移動販売車の機能が記載されていると考え、この嘆願書の内容を分析に用いました。
- 分析の結果、嘆願書に記載されている内容は、頻出語句に基づき(1)自治体主体の支援、(2)生活環境の維持機能、(3)見守り機能、(4)高齢者の買い物機能の4つのトピックに分類されることが分かりました(図)。特に(3)見守り機能と(4)高齢者の買い物機能については、定期的に巡回する移動販売車の特性を生かし、ドライバーによる高齢者の安否確認(見守り)や高齢者が社会参加を実感できるような買い物機会を提供する点が利用者に重要視されています。このように移動販売車は、食料品供給の枠を超えて、高齢者の日常生活を支える「福祉的機能」をもっており、利用者の多くがその価値を認識していることが分かりました。
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| 図 各トピックで頻出する語句 |
| 資料:嘆願書データに基づき筆者作成 |
この成果の詳細については、農林水産政策研究所Webサイトをご覧ください(以下参照)。
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