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農林水産政策研究所

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クローズアップ研究者 申 美香

農林水産政策研究所 主任研究官(農業・農村領域)

専門: 農業構造、環境保全型農業

これまでの研究はどのようなものですか?

  農業経済学の分野で、農家継承や農地の多面的機能の保全を主なテーマとして研究を行ってきました。研究の原点には、政府開発援助のコンサルタント経験があります。農民同士のつながりや地域の慣習、互助関係といった「社会関係資本」が、農地の維持管理や農業の持続性に大きな影響を与えていることを現場で実感しました。その経験から、目に見えにくい社会的要因を科学的根拠に基づいて明らかにしたいと考え、研究の道へ進みました。
  これまで行ってきたのは、日本の農政やアイルランドにおける農家継承を対象に、「農地の多面的機能をどのように維持するか」という観点からの実証分析です。特にアイルランドの研究では、家族内継承が主流である一方、高齢になるまで経営移譲が進まないことが、若手農業者の参入や投資判断の遅れにつながる点に着目し、円滑な世代交代に必要な支援のあり方を分析してきました。また、若手農業者が早期から経営に関与できる仕組みの研究もしてきました。
  また、アグロフォレストリー導入時の温室効果ガス排出量や土地利用変化を予測するシミュレーションモデルの構築にも取り組みました。農家・動物福祉を考慮した環境保全型農業が与える影響を定量的に示すことで、持続可能な農業政策への示唆を可能にしています。計量経済学的手法を用いる一方、フィールドワークを通じて農家の声や地域の実態を丁寧に捉えることも重視しており、「統計的エビデンス」と「現場感覚」を往復する姿勢を大切にしています。

今後の抱負を教えてください。

  日本の持続可能な農業構造のあり方について、「社会関係資本」「次世代へつなぐ環境保全型農業」「農家経営継承」を軸に研究を発展させ、若手農家や新規就農者が環境に配慮した農業に持続的に取り組める仕組みづくりに貢献したいと考えています。次世代を見据えた長期的視点を持ちながら、日本農業の持続的発展に寄与していきたいと考えています。 

略歴     

北海道出身。韓国ソウル大学大学院博士課程修了(博士(経済学))。アイルランドTeagasc及びダブリン大学ポスドク研究員を経て、2026年4月より現職。

お問合せ先

企画広報室広報資料課

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