クローズアップ研究者 坂元 喬人
農林水産政策研究所 研究員(農業・農村領域)
専門: 農業経済学、農業構造論
これまでの研究はどのようなものですか?
私は水田農業の構造問題と農村の行く末に関心があり、主に集落営農組織を対象に研究に取り組んできました。農業・農村について語られる時によく「高齢化」が取り上げられますが、「農地所有世帯の農業への無関心化=自作農的行動様式の質的転換」も重要ではないかと考えています。この問題意識を基礎として政治経済学を分析枠組みとしながら実態調査を行い、労働力や意思決定の具体的な形態を捉えることで、組織の成立条件や展開方向を明らかにする研究を心がけてきました。
例えば、中山間地域の集落営農を対象とした研究では、「無関心化が進み切った農村社会では、集落営農としての出自を持つ組織は成立・継続するのか?」という問いを立て、自由な土地利用と経済的誘因による非農家世帯からの労働力の確保によって成立していることを明らかにしました。また、合併集落営農を対象にした研究では、「労働の社会化」の視角から組織を捉え、土地利用や労働編成に加えて意思決定の面でも社会化が進んでおり、それを推し進める経済的基盤には合併後に本格化した水田多角化事業が位置づけられることを明らかにしています。
今後の抱負を教えてください。
これまで取り組めてこなかった定量的研究にチャレンジしたいと考えています。今まで用いてきた政治経済学的な社会把握を継続させながらも、それを定量的にはどのように・どこまで説明できるのかを体得することで、研究者としての質を高めていきたいと思います。
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略歴 鹿児島県出身。2026年3月九州大学大学院修了(博士(農学))。同年4月より現職。 |
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