クローズアップ研究者 木村 勇輝
農林水産政策研究所 研究員(国際領域)
専門: 農業経済学、価格伝達
これまでの研究はどのようなものですか?
社会のシステムが効率的に機能しているのかに関心があり、価格の動きを通して卸売市場間の連携や農産物の輸出先での製品差別化、コロナ禍初期のサプライチェーンへの影響の分析等を行っていました。基本的にはその時々の時事問題に注目して研究を進めています。
例えば、全国一斉休校や飲食店の自粛要請などにより、業務用需要が急減したコロナ禍初期には、業務用に多く仕向けられるたまねぎの卸売価格と小売価格の連動性がコロナ禍以前と変わったように見えました。当時の米国の事例になりますが、コロナ禍初期には食肉サプライチェーンの卸売と小売の関係が一時崩れたものの、元の関係に回復したという例の報告があります。そこで、日本のたまねぎでも同様の現象が見られるかもしれないと考え、分析を行いました。その結果、日本のたまねぎでは、コロナ禍初期に卸売価格や小売価格に一時的に大きな変動が見られたものの平常時の水準に回復したこと、また、卸売と小売の関係は大きく崩れず、コロナ禍以前の関係が保たれていたことが明らかになりました。研究では、得られた結果を素直に受け止め、背景を踏まえて要因を考察することを大切にしています。
今後の抱負を教えてください。
これまで培ってきた市場間や製品間の結びつきの強さを分析する力を活かしつつ、今後は世界食料需給予測について貢献したいと考えています。具体的には、グループ分けなどの前提条件の精緻化や、シナリオ分析の基盤づくりに寄与できるよう、科学的裏付けをもった農林水産政策の立案に資する研究を深めていきたいと思います。
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略歴 奈良県出身。2025年3月東京大学大学院修了(博士(農学))。2026年4月より現職。 |
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