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近畿農政局

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日本の真綿産業を守り、国産真綿を続けていくために!

滋賀県米原市|株式会社山脇源平商店

株式会社山脇源平商店(以下「山脇商店」という。)は、米原市岩脇(いおぎ) で1730年に創業し、約300年の歴史と当時と変わらぬ製法で近江真綿を製造しています。最盛期には岩脇集落の約7割(69戸)が真綿製造を行っていましたが、現在は山脇商店のみとなりました。
また、全国の養蚕農家は134戸で毎年1割程度減少しています。真綿づくりも後継者がいない状態になっており、全国で5戸(福島県3戸、滋賀県2戸)しかないとのことです。

真綿とは、蚕(カイコ)の繭を煮て引き伸ばしたもので、真綿を30cm程度の四角形に引き伸ばしたものを「角真綿」と呼びます。

約3万頭の蚕
約3万頭の蚕

5齢目に入った蚕
5齢目に入った蚕

養蚕(ようさん)

山脇商店では、1回の飼育で3万頭の蚕を飼育しています。食欲旺盛で多くのエサ(桑の葉)が必要になり、軽トラック1台分のエサを6時間おきに1日4回程度与えます。蚕は脱皮を繰り返し、5齢で繭を作って蛹(サナギ)となります。

蚕のエサとなる桑の畑
蚕のエサとなる桑の畑


職人による角真綿づくり
職人による角真綿づくり

角真綿づくり

繭を作業がしやすい硬さになるまで、釜で炊き上げて柔らかくします。炊き上がった繭はよく水洗いした後、水の中で広げて伸ばします。伸ばした繭は四角い木枠上部の切り込みに掛けて、均一な厚さになるように伸ばします。同じ作業を4回繰り返して1枚に仕上げ、最後に木枠から外して乾燥させると角真綿が完成します。

手引き作業(真綿布団)

手引き作業は、乾燥させた角真綿を2人で息を合わせて引き伸ばし、何百枚も重ねて1枚の布団に仕上げていきます。1枚の布団を作るのに 5~6時間かかり、約3,000個の繭が必要になります。

山脇商店では、昔ながらの製法で角真綿づくりと手引き作業を体験することができます。 滋賀県の「シガリズム体験」「米原市のふるさと納税」等で申し込むことができます。

手引きの様子
手引きの様子

9代目の山脇和博さん
9代目の山脇和博さん

真綿は「優しさと強さ」

9代目の山脇和博さんは、「日本の伝統産業である養蚕や真綿づくりは、後継者不足で継続が難しくなっているが、角真綿づくり等の体験、小学校の校外学習、企業研修等の受け入れにより、多くの方に養蚕や真綿を知ってもらい、伝統産業を未来に繋いでいきたい。」と話しておられました。


◎株式会社山脇源平商店HP(外部サイトへリンク)https://iwogimawata.com/

お問合せ先

滋賀県拠点 地方参事官室
TEL:077-522-4261