琵琶湖と共に暮らす琵琶湖伝統漁法エリ漁の漁業者(駒井健也・大津市)
琵琶湖伝統の小型定置網漁法であるエリ漁でコアユなど湖魚の漁獲・販売や漁業体験事業などを行っている駒井健也さんと意見交換を行いました。駒井健也さんは、志賀町漁業協同組合(以下「志賀町漁協」という。)に所属し和邇港を拠点に漁業を行っています。滋賀県では60歳以上の漁業者が多いですが、駒井健也さんは志賀町漁協で最も若い30歳代の漁業者で、志賀町漁協の青年会に参加されています。
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琵琶湖の環境 ここ2年は、産卵期の夏秋に河川の水温が高くアユの産卵数が激減するなど、水産資源が減少しています。また琵琶湖の水質は、下水道の整備等できれいになっていますが、栄養不足のため湖魚のエサが不足していると言われており、漁獲量は少なくなっています。 エリ漁 エリ漁で獲れる魚は主にコアユですが、禁漁期間(8月20日から11月30日)は、ビワマス(禁漁期間の10月、11月を除く)やウナギの漁が中心となります。琵琶湖の漁業は少量多品目が特徴で、資源保護や価格の下落を防ぐため漁獲量の制限があり、需要量だけ漁獲するのが琵琶湖の漁のスタイルです。
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加工品の開発 加工品の開発にも取り組み、良食味であるが小骨が多く食べにくいニゴイなどの今まで販売されてこなかった湖魚の缶詰を大学生等と共同開発を行い3種類の缶詰を試験的に販売され、現在量産体制を整え商品化に向けて販売戦略を検討されています。ビワマスも、産卵期に人工ふ化させた後は食用として提供されませんが、缶詰等の加工・販売も考えられておられます。また湖魚を使った料理教室も始められています。 |
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漁体験 仲間の漁業者の協力のもと、漁業体験事業を始められて3年になるそうです。顧客は旅行雑誌やホームページを見たという方が多く、家族や親子限定の体験メニューとして企画もされています。修学旅行生や子供のサマーキャンプなど団体で体験したいという方やリピーターも増え、最近では外国からの参加者もいるそうです。 |
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今後の目標 漁体験と他分野とのコラボプロジェクトの1つとして「BIWAKOアーティスト・イン・レジデンス」という取組をされています。漁の体験後に美術作品を制作、展示する取組で、今年から他地域の漁と駒井さんのエリ漁をそれぞれ体験してもらい、琵琶湖全体で漁の暮らし体験を通して発信いただく方を増やしていくことを目的としています。漁体験の事業も大事ですが、体験した方がどう感じたのか、人それぞれの感想を発信していけたらと考えておられます。 |
![]() 駒井健也さん |
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漁船の見学 意見交換終了後に和邇漁港に移動し漁船の見学を行いました。 |
フィッシャーアーキテクト
お問合せ先
滋賀県拠点 地方参事官室TEL:077-522-4261









