このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

令和7年度食品の安全性に関するリスク管理検討会(第4回)議事概要

PDF版はこちら(PDF : 341KB)

日時

令和8年2月27日(金曜日)13時30分~16時00分

場所

農林水産省消費・安全局第1会議室(本館6階 ドアNo.632)(web併催)

出席者

常に参加するメンバー
田中氏、島原氏、天坊氏、早川氏、平野氏、廣田氏、森田氏、山口氏

農林水産省消費・安全局澤井審議官
食品安全政策課 浜谷課長、阪本室長、漆山課長補佐、吉田課長補佐、今村課長補佐、勝田企画官
農産安全管理課 三浦課長補佐、林課長補佐
畜水産安全管理課 中田課長補佐、和田課長補佐、吉戸課長補佐

各議事の概要

1.議題と主な議論

議題1:「農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト」の更新及び「食品の安全性に関する有害化学物質のサーベイランス・モニタリング中期計画(令和8年度~令和12年度)」の策定について

参考資料3に基づき、「農林水産省が優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト」(令和8年2月20日公表)及び「食品の安全性に関する有害化学物質のサーベイランス・モニタリング中期計画(令和8年度~令和12年度)」について、参考資料4に基づき、パブリックコメントの結果について、農林水産省(漆山課長補佐)から報告。

 

議題2:令和7年度食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス・モニタリング年次計画の実施状況及び今後の対応について

資料4に基づき、令和7年度食品の安全性に関する有害化学物質、有害微生物のサーベイランス・モニタリング年次計画の実施状況及び今後の対応について、農林水産省(漆山課長補佐)から説明。主な意見や議論の内容は以下のとおり。 

  • 資料4の位置づけについて

(平野氏)令和7年度調査の実績のみならず、結果についても概要があるとよいと思ったが、そういった位置づけの資料ではないのか。

(漆山補佐)年度末まで実施の調査が多く、今年度の結果については評価、解析の上で、別途、個別にとりまとめを予定。なお、参考資料7及び参考資料8に昨年度までの調査で得られた知見等をとりまとめているのでご参照いただきたい。 

  • 水産物中のPFASのサーベイランス

(早川氏)令和7年度には、当初計画の品目に加えて、アユ55点の追加調査を実施しているが、これは昨年8月に、国産農畜水産物中のPFASの含有実態調査結果を公表した際に、特異的に高い値が見られた試料があったことを受けたものと考えている。この追加調査の試料のサンプリングは、特異的に高い値が見られた試料を採取した地点の周辺で集中的に実施したものか、もしくは、色々な地域でさらに情報を収集することを念頭において実施したものなのか。
(和田補佐)令和6年度に実態調査を実施した30点に加えて、全国の複数地域から55点を追加で採取し、含有実態調査を行っている。その中には、令和6年度に特異的に高い値が見られた試料にかかる地域のサンプルも含まれている。
(早川氏)地域を広げてデータを拡充したという理解でよいか。
(和田補佐)そのとおり。令和6年度に特異的に高い値が見られた試料にかかる地域も含めて、再度、全国の状況を調査している。 

  • 海藻類中の有害元素のサーベイランス

(田中氏)入札不調となった理由や要因を教えてほしい。
(和田補佐)品目が多く、試料収集の負担が大きかったことが影響したのではないかと思う。また、分析機関の人手も間に合っていない状況があったようで、結果として不調となった。令和8年度は、品目数を見直して進めることとしている。
(田中氏)サンプル数の影響だけではなく、海藻類の分析では多糖類が多く、酸分解が難しいなど、分析法の難しさによる影響もあるかもしれない。次年度の調査実施にあたっては、妥当性を検証済みの分析法で分析可能かについても考慮するべきではないか、と意見としてお伝えする。
(漆山補佐)不調の要因には、事業の公募時期が遅かった影響もあった。次年度はできるだけ早く公募して実施期間を確保し、多くの分析機関に参画してもらえるようにしたい。 

  • 水産物中のダイオキシン類のサーベイランス

(田中氏)自然の要因による漁獲量減少による調査の先送りは仕方がないが、次年度も同様に漁獲量に影響が出た場合の代替魚種などの検討はしているのか。
(和田補佐)代替魚種は現時点では想定していないが、令和8年度のダイオキシン類調査についてはなるべく早く進めるようにしたい。
(漆山補佐)現在は、過去の調査でダイオキシン類の濃度が高かった魚種を指標として定期的な調査を実施しているが、調査が一巡した段階で、魚種の見直しを含めて検討したい。 

  • PFASの分析法の開発、検証

(田中氏)PFASの分析法の検証について、ストックホルム条約や国内外の状況に応じて、分子種を拡大していくとの方針は理解ができるが、分析法の開発、検証自体はレギュラトリーサイエンスの一環として、将来のリスク管理におけるサーベイランスに備えるためであり、やみくもに多種のPFASの調査分析を行うわけではないと、事業者や消費者に伝わるように配慮してほしい。
(漆山補佐)令和7年度は、分析対象を22種まで拡大した分析法の検証を実施した。一方で、令和8年度のPFASのナショナルサーベイランスは、令和7年度までと同様に4種を対象に実施予定。現時点では、1万種類以上のPFAS分子種があるなか、毒性学的な知見も不足しており、なんでも調査対象とするわけではない。分析法の開発・検証は、将来的に分析が必要になったときに対応できるのかどうかの予備的なものと理解してほしい。農林水産省として、これら22種の分析を国内関係者に推奨するものではない。今後、分析法をウェブページに公表する際には、その点は誤解のないように留意したい。 

  • カキ中のA型肝炎ウイルス、ノロウイルスに係る調査点数

(山口氏)A型肝炎ウイルスについて調査点数を増やしているが、近年はノロウイルスとは異なり二枚貝のA型肝炎ウイルスによる食中毒の流行は起きていない状況。国内でのA型肝炎の発生状況を注視しつつ調査を実施されたい。
(今村補佐)ご意見に感謝する。当方も同様の認識であり、二枚貝の汚染が低い状況にあることを確認する調査である。
(廣田氏)カキの大量へい死が原因でベースラインサーベイランスの調査試料点数が減った一方、他のカキの調査では調査点数が増えている理由は何か。
(今村補佐)カキ由来試料の性状解析に関しては、過年度に採材してウイルスを分離済みの試料を用いて解析を行うものであって、必ずしも今年度採材したものではないため。 

議題3:食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス・モニタリング中期計画の実施状況について

資料5に基づき、食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス・モニタリング中期計画の実施状況について、農林水産省(漆山課長補佐)から説明。主な意見や議論の内容は以下のとおり。 

  • リステリア・モノサイトジェネス(LM)

(山口氏)LMについては、スプラウト、もやしを調査した上で、令和8年度には非加熱食肉製品等を調査予定とされている。魚卵などの水産物の調査は実施しないのか。
(今村補佐)後ほど令和8年度の調査計画としてご説明するが、現時点では、一般にリスクが高いとされている食品であって、これまでに実態調査を実施していないものとして、生ハム、ナチュラルチーズ及びスモークサーモンを対象に実施する予定。
(山口氏)定量調査か、定性調査かは決まっているのか。海外では定性検査が実施され、事業者に陰性が求められていることを踏まえた調査としていただきたい。
(今村補佐)定量調査を予定。調査方法に関して、ご参考とさせていただく。

 議題4:令和8年度食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス・モニタリング年次計画(案)について

資料6-1から資料6-3に基づき、食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス・モニタリング年次計画の考え方及び令和8年度の計画(案)について、農林水産省(漆山課長補佐、今村課長補佐)から説明。主な意見や議論の内容は以下のとおり。 

有害化学物質
  • そば中のかび毒のサーベイランス

(山口氏)15年以上前に中国産そばでアフラトキシンが検出され、通関時の命令検査の対象となった記憶がある。他のかび毒類についても、そば中に含まれる可能性があるため、注意してほしい。
(林補佐)令和8年度に幅広い分析種を対象に予備調査を実施し、その結果、検出率が高かった場合、継続的に調査を実施することも検討したい。
(森田氏)現在も輸入そば中にかび毒が検出されることはあるのか。輸入そばのかび毒はあまり聞かないような気もする。今般、新規でサーベイランスを開始することにしたと承知しているが、輸入品の調査は行わないのか。また、今回調査することになった背景として、気候変動の影響などもあるのか。
(林補佐)これまでは小麦や大麦を中心に調査を実施してきたが、今年度は大豆の調査も実施するなど、その他の農産物についても調査を実施している状況。背景としては、そば加工品でアフラトキシン類やステリグマトシスチンの検出事例の報告があり、生産段階での安全確保の観点から国産のそばの実でも含有実態を把握するべきとの考えから、次年度の調査候補に選定した。
(森田氏)過去の輸入食品の検査実績を調べたところ、フィリピン産のそばにおいて、アフラトキシンの検出事例があることを確認した。国産品についても調査を進めてほしい。
(平野氏)かび毒など農産物の調査実施に当たり、試料採取はどのように行うのか。JAグループが協力することもあるのか。
(三浦補佐)試料の採取方法は調査ごとに様々。毎年度実施している麦類中のかび毒の調査や、過去に実施したコメの重金属の調査では、JAにご協力をいただき、調査試料を提供してもらっている。令和8年度に実施する調査のうち、麦類以外の調査では、民間分析機関に委託して市場流通品をサンプリングし、分析する予定。 

  • 小麦及び大豆中の有害元素のサーベイランス

(田中氏)本調査はカドミウムの調査に合わせて小麦及び大豆を対象に、その他の有害元素についても調査するものと理解。コメについても、過去にカドミウムについては、かなりの点数の調査を行っている一方で、鉛やニッケル、タリウムについては、コメ中での含有実態に関する情報はあまりないように感じる。今後、コメ中のこうした有害元素の調査を実施する予定はあるのか。
(三浦補佐)令和6年までに、コメについてはカドミウムとヒ素を調査しており、その当時は他の有害元素の調査は行っていない。ご指摘のとおり、他の有害元素についてもデータとしては重要なので、機会があれば拡大したい。
(田中氏)現段階では、コメについての他の有害元素の調査について、具体的な予定はまだ決まっていないという理解でよいか。
(三浦補佐)現状ではカドミウムの調査の優先度が最も高いと考えており、そちらを優先した上で、今後の予算や人員の兼ね合いもみながらその他の有害元素についても必要に応じて調査していきたい。
(漆山補佐)資料5に記載のあるとおり、タリウムについては、令和6年度にコメ、キャベツ、ホウレンソウの調査を実施している。今後、他の調査実施の機会も捉えて、引き続き効率的に進めていきたい。 

  • マグロ類中のメチル水銀及び総水銀のサーベイランス

(山口氏)マグロ類中の水銀については、食品製造事業者においても自主検査が行われているが、マグロの魚種によってばらつきがあり、魚種によって水銀を蓄積する傾向がある印象がある。そのため、魚種の選定の仕方についても注意してほしい。
(和田補佐)ご意見に感謝する。別の調査でクロマグロの試料を入手済みであるため、次年度はまずはクロマグロのデータをさらに蓄積していきたいと考える。

  • 香辛料類及び調味料類中の2-クロロエタノールのサーベイランス

(田中氏)香辛料類、調味料類における具体的な調査品目はこれから決定するのか。また、2-クロロエタノールの分析はかなり難しいと理解しており、サンプルが香辛料類や調味料類の場合は、夾雑成分やマトリックス効果の影響が大きく、容易に分析できないのではと推測している。まずは、分析法の検証から始めることは検討していないのか。
(吉田補佐)具体的な調査対象品目は検討中。海外や日本からの輸出品で検出事例があったものに留意したい。2-クロロエタノールの分析に関して、エチレンオキシドは揮発性であることもあり、二次生成物である2-クロロエタノールも含めて分析が難しいことは承知。現時点では、国内でも海外でも分析可能な機関は限られている状況。農林水産省として現状優先しているのは、国産製品の含有実態の把握であり、別途、分析法の開発も並行して進めている。予備調査の結果、2-クロロエタノールの検出が確認された場合、原因究明等を遡って進めていく必要がある。本予備調査では、海外分析機関での実施の可能性も視野に入れているが、利用可能な分析法の開発も同時並行で進め、次期中期計画において必要な取組を整理していく。

  • 穀類加工品中の麦角アルカロイド類のサーベイランス

(森田氏)これまで国産小麦と国内製造の小麦粉で調査を実施してきたが、次年度の調査品目は国内製造の小麦粉を原料とした加工品なのか。それとも、国産小麦を原料とした加工品なのか。また、サンプリングは難しいと思うが、どのように実施するのか。
(漆山補佐)流通品の穀類加工品を調査対象とするため、原料小麦や小麦粉の産地までは特定しない。あくまでも国内製造の穀類加工品の調査。実態としては小麦の9割は輸入のため、輸入原料に由来するものが多いと考える。一部、国産小麦使用を表示している製品もあると考えるが、どちらかに調査対象を限定するわけではない。
(森田氏)小麦の産地別の流通量に合わせてサンプリングを実施するのか。例えば、うどんなどでは国産小麦を原料とするものも多いと考えている。また、前回調査ではサンプリングに偏りがあったと報告があったが、今回はかび毒の偏在性の問題にどのように対応するのか。
(漆山補佐)流通品を無作為にサンプリングすることとしており、輸入原料由来と国産原料由来の比率の割り振りは考えていない。また、穀類加工品は小麦粉を原料としているため、小麦粉の段階で偏在性の問題は解消されているものと考えている。前回調査は、複数種類がある小麦粉の中の特定の小麦粉の種類に偏った調査としたため、小麦粉としての調査結果の評価が難しい状況になっていた。
(森田氏)原料原産地表示により、国産原料由来か輸入原料由来かについては、識別可能と考える。過去の実態調査で、国産麦類中で麦角アルカロイド類の含有はほとんどなかったこととあわせて、穀類加工品中でも麦角アルカロイド類の含有はほとんどないと言えることを期待している。
(漆山補佐)麦角アルカロイド類は、加工工程で新たに生成することはないため、国産小麦を原料とする穀類加工品の含有量はかなり少ないのではないかと推測している。 

  • 加工食品中のアクリルアミドのリスク管理

(森田氏)コーデックスでの実施規範の改訂に向けた作業もあり、本調査の実施には同意。穀類加工品やばれいしょ加工品の取組に加えて、家庭においても、炒め物は焦げないように、あるいはパンは小麦色にならないようにと注意している。一方、かりんとうなどの製品でも生成しやすいと考えるが、そういったものを調査対象としてはどうか。今後、調査対象品目はどのように決めるのか。また、新技術とはどのようなものか。
(漆山補佐)かりんとうのような日本特有の菓子類についても、これまで実態調査や事業者連携調査を実施してきており、事業者においても実行可能な範囲で低減への取組が行われている状況。なお、具体的にどの品目を調査対象とするかについては決まっていない。仮に、かりんとう業界にも協力していただけるのであれば実施したいと考えている。また、コーデックス委員会での実施規範改訂作業はあまり進んでいないところだが、アクリルアミド低減のための新品種や酵母も実用化されているものがある。このあたりを可能であれば検証していきたい。
(廣田氏)アクリルアミドへの消費者の関心は高いが、食品製造事業者での低減対策は進んでおり、流通しているものはほとんど問題ないと認識。一方で、家庭でも調理時に気を付けるべきものと認識している。最近では電子レンジ調理で焦げ目をつけることができる調理器具などもあるが、アクリルアミドのような派生的に発生する有害物質に気を付けるべき場合もあり、そうした様々な状況下での影響調査等、検証が必要と考える。
(漆山補佐)新技術を活用した調理器具によるアクリルアミド生成への影響はありうる。これまでも、ノンフライヤーや加熱水蒸気を活用したオーブンレンジでは、アクリルアミドを低減する方向に働くことが知られている一方で、アクリルアミドを増やしてしまう調理器具もあるかもしれない。そうした検証は、調査事業ではなく、調理器具メーカーなどの協力も得つつ、研究事業で行うことが現実的かと考える。
(森田氏)近年、スーパーマーケットでも焼き芋が売られているが、その中には皮が真っ黒のものもある。家庭調理とは違い、遠赤外線で調理しているのかと考えるが、皮の中の芋の色自体も濃く、従来の蒸し芋とは異なり、焦げているような様子で、アクリルアミドが多いのではないかと懸念している。焼き芋などの流行食品のようなものについても、調査を検討してほしい。
(漆山補佐)サツマイモ加工品は、初期に調査を実施したが、ジャガイモ加工品ほどはアクリルアミドが生成しないことが確認された。そのため、これまでサツマイモに注目した低減技術や実態調査は実施してこなかったところ。一方、サツマイモの品種の変化や、熟成による糖化技術の向上など、以前と品質が変化している可能性はあり得る。カンショやその加工品は輸出重点品目でもあるので、今後の調査候補として考えていきたい。なお、焼き芋については、皮の焦げている部分ではアクリルアミドの含有量が多い可能性はあるものの、蒸し焼きの原理で加熱されているため、可食部のアクリルアミド濃度は高くないのではないかと考える。 

  • 飼料原料(魚油、魚粉)中のダイオキシン類のサーベイランス

(山口氏)日本で魚粉の製造はアンチョビやカタクチイワシのような小さい魚を原料とすることもあるが、大型魚類であるカツオやマグロ、養殖ブリなどの残渣を原料とすることもある。このような大型魚類由来の魚粉や魚油ではダイオキシン類が検出されることもありうることから、どんな魚種を原料とする飼料であるかも確認してほしい。また、魚粉や魚油は輸入品も当然流通しているが、調査対象は国内製造のものとの理解でよいか。
(吉戸補佐)魚粉や魚油の魚種を含めた由来はしっかりと確認していきたい。また、国産と輸入の両方を調査対象としている。 

  • 飼料中のアフラトキシンB1のサーベイランス及びモニタリング

(山口氏)飼料中のアフラトキシンB1の調査について、かびが生えているところと、生えていないところが偏在するが、サンプリングはどのように行うのか。
(吉戸補佐)ご指摘の通り、アフラトキシンB1は飼料中で偏在している。トウモロコシ子実は輸入品が多いが、荷揚げの際にオートサンプラー等で100回採取するなど、偏在を前提に均質化している。国産飼料についてはロットが小さいので、輸入トウモロコシと同様にオートサンプラーで100回採取するといったことは難しいが、偏在があることを前提に、できる限り広い範囲から採取するようにしている。
(山口氏)輸入品は船一隻を対象とすることもあることから、オートサンプラーを活用することについては妥当であると理解した。 

有害微生物
  • ネギ中の有害微生物のサーベイランス

(天坊氏)有害微生物が検出された場合には、リスク低減のための助言も発信してほしい。食品安全委員会などとも連携し、調査結果と併せてどう食べるとよいといった発信をしてはどうか。なお、消費者が洗浄等をせずにそのまま食べると思われるカットネギも調査対象としてほしい。
(林補佐)本調査は、生産段階での衛生管理の取組の実施状況の把握を目的に、生産者向けのアンケート調査も並行して実施。調査結果と比較・検証した上で、リスク対策案も含めて公表予定。今後の調査結果を踏まえて、カットネギの調査の必要性も検討。
(平野氏)平成19年度、20年度の野菜類の調査結果はどうであったか。
(林補佐)食中毒菌は検出されず、指標菌としての大腸菌のみ数%程度の低い割合での検出があった。今回の調査で、過年度の調査と比較して検出状況の変化を見る予定。
(平野氏)ネギの生産現場では、病原微生物の汚染リスクを認識した管理がされていないように感じる。必要があればJAグループにもしっかり衛生管理を周知したい。
(森田氏)根深ネギを調査とあるが、土がついたものを調べるということか。
(林補佐)土付きではなく、一般的に多く流通している皮むきのものを対象に調査を行う。なお、過年度調査において、白い部分(偽茎部)と緑色の葉の部分(葉身部)を分けて検査した結果、白い部分の大腸菌の検出率が高い傾向であった。 

  • 鶏肉中のサルモネラの事業者連携調査

(平野氏)事業者連携とあるが、輸出を検討している特定の事業者と連携するのか。
(今村補佐)然り。輸出に意欲的な事業者と連携したサルモネラ対策の効果検証を実施予定。 

  • 非加熱喫食調理済み食品中のLMのサーベイランス

(山口氏)米国の事例では食品中での増殖というより、製造時の周辺環境からの結露や水はねでの汚染が懸念されている。生ハムやナチュラルチーズのような水分活性が低い食品、塩分濃度の高い食品でも調査するのが望ましい。米国ではアイスクリームやメロンでの汚染も報告されている。
(今村補佐)ご意見に感謝する。まずは諸外国においてLM汚染の情報があるRTE食品のうち、我が国で実態調査を行ったことがなく、リスクが高いことが知られている生ハム、ナチュラルチーズ、スモークサーモンを調査することとしたい。
(森田氏)ナチュラルチーズについては大手の市販品を調べるのか。あるいは小規模工房の国産チーズを見るのか。ナチュラルチーズが輸出重点品目になっているようなので、何をターゲットとするのかを伺う。
(今村補佐)サーベイランスの目的に照らすと大手がメインとなる。国産チーズの調査についても検討する。 

  • カキ中のノロウイルスの事業者連携調査

(山口氏)カキの高圧処理機はかなり高価であり、1回に処理できる量も少ないなど、普及には課題があることに留意すべき。輸出先の検査でノロウイルス遺伝子が検出される問題に関連して、高圧処理でノロウイルスのRNAも壊れるのか。
(今村補佐)高圧処理によって遺伝子が断片化されて検出されにくくなる。殻剥きにはそれほど高い圧力はいらないことが知られているが、どの程度まで圧力を高めたり、回数を増やしたりすれば、遺伝子が完全に検出されないところまで低減が可能であるか、事業者と連携して調査予定。 

  • 鶏肉中のカンピロバクターのリスク管理

(田中氏)カンピロバクターのMLST解析について、令和7年度計画の実施状況の説明で解析方法の見直しに言及があったが、令和8年度は全ゲノム解析を行うのか。
(今村補佐)過年度の結果を解析したところ、MLST解析は解像度が低く、十分な疫学的解析ができなかったため、一度はMLST解析の実施を見送った。他方、現状においても一時的な解析として有効と判断したため、次年度調査では、まずはMLST解析を実施し、必要に応じて全ゲノム解析を実施予定。
(田中氏)現状、MLST解析である程度の情報は把握しているのか。
(今村補佐)鶏が腸管内で保菌するMLST型の菌が鶏肉から検出されることもあり、連続性は確認できている。
(廣田氏)カンピロバクターの調査計画について賛成。カンピロバクターによる食中毒は大問題と認識しており、フードチェーン全体での対策の必要性を痛感している。消費者と事業者の双方の認識不足で健康被害が生じている現状があるので、飲食店や小売業界においても鶏肉を生食用に提供しないよう周知してほしい。
日本食鳥協会が実施している国産チキンの安全・健やか宣言(あんすこ宣言)の取組の趣旨に賛同し、全国消費者団体連絡会においても応援サポーターとしての登録手続き中だが、ポータルサイトを見ると宣言を登録している生産者、加工事業者の数が少なく、周知不足を感じる。業界向けの説明の徹底をお願いしたい。
(今村補佐)フードチェーン全体での対策について、同じ想いで取り組んでいるが、ご指摘のとおり、あんすこ宣言の登録者数は十分ではない部分もある。これまでは個社にアプローチをしてきたが、業界向けの説明会開催など様々な試みを考えていきたいので、お力添えいただきたい。 

  • その他、全体についてのご意見

(島原氏)メンバーの方々の専門的なご検討に感謝する。令和8年度年次計画候補については異論ない。

 

議題5:その他

カンピロバクター食中毒予防に関する啓発の取組について、農林水産省(今村課長補佐)から、啓発動画の取組やシンポジウム開催について、情報提供。


2.今後の予定

令和8年度食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス・モニタリング年次計画について、今回の検討会でいただいた質問・意見も考慮し、再度見直しを行い、国内の関係者や関係府省とも調整した上で、3月中を目途に公表する。

お問合せ先

消費・安全局食品安全政策課

担当者:リスク管理企画班
代表:03-3502-8111(内線4459)
ダイヤルイン:03-3502-7674