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農林水産省

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議事録

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  • 日時:平成16年3月18日(木曜日)    10時00分~12時00分
  • 場所:農林水産省第1特別会議室

 

永杉地域振興課長
それでは、定刻となりましたので始めさせていただきたいと思います。
委員及び特別委員の先生方には大変ご多忙の中をご出席をいただきまして、まことにありがとうございます。私は地域振興課長の永杉と申しますけれども、新座長が選出されるまで、事務局としてしばらく進行を務めさせていただきます。

本検討会は、中山間地域等直接支払制度等の実施状況の点検、事業効果の評価等についてご意見を拝聴することを目的といたしまして設置されております中立的な第三者機関でございます。ご案内のように、現行の中山間地域等直接支払制度の実施期間は平成16年度までになっておりまして、平成17年度以降の対応を検討するに当たりましては、中山間地域等直接支払交付金実施要領にも規定されておりますように、現行対策の評価等を行うことが必要になっております。

このため、この検討会に現行対策の検証、17年度以降の対応についての課題の整理等をお願いするということになったわけでございます。

なお、お手元の参考資料の5でございますけれども、本検討会の設置要領をお配りしてございます。今後のご審議に参加をしていただくために、本検討会に新たに特別委員を設置することといたしておりますほか、検討会の公開につきまして、これまでの運営と変更はございませんけれども、その明文化を図るための改正を行っているところでございます。

それでは、委員のご紹介をさせていただきたいと思います。
まず、小田切委員でございます。

小田切委員
小田切でございます。よろしくお願いいたします。

永杉地域振興課長
次に、佐藤委員でございます。

佐藤委員
佐藤です。よろしくお願いいたします。

永杉地域振興課長
それから、服部委員でございます。

服部委員
服部と申します。

永杉地域振興課長
それから、松田委員でございます。

松田委員
松田でございます。

永杉地域振興課長
なお、柏委員につきましては、本日はご欠席というご連絡を頂戴しております。
今回、3名の委員に交代がございますが、また、新たに3名の方に特別委員をお引き受けいただいておりますのでご紹介をさせていただきます。 まず、内藤委員でございます。

内藤委員
内藤でございます。よろしくお願いいたします。

永杉地域振興課長
村田委員でございます。

村田委員
村田です。よろしくお願いします。

永杉地域振興課長
それから、守友委員でございます。

守友委員
守友でございます。よろしくお願いいたします。

永杉地域振興課長
次に、特別委員の方々でございますけれども、澤井委員でございます。

澤井特別委員
澤井でございます。よろしくお願いします。

永杉地域振興課長
それから、清水委員でございます。

清水特別委員
清水でございます。よろしくお願いします。

永杉地域振興課長
次に、野中委員でございます。

野中特別委員
野中でございます。よろしくお願いします。

永杉地域振興課長
委員のご紹介は以上でございますけれども、これまで本検討会の座長を務めていただいておりました祖田委員が事情によりまして、委員を辞されております。このため、新座長を選出する必要がございます。座長の選任につきましては、本検討会の設置要領3の(2)におきまして、「座長は、構成員のうち委員(特別委員及び専門委員を除く。)の互選により選任する。」ということになっております。これにつきましては、いかが取り計らったらよろしいでしょうか。

小田切委員
この中山間地域問題、あるいは中山間地域政策に対する深いご見識から、隣にお座りの佐藤委員が適当ではないかと思いまして、推薦させていただきます。

永杉地域振興課長
ただいま小田切委員より佐藤委員に座長を引き受けていただいたらいかがかというご推薦をいただいたところでございますけれども、いかがでございましょうか。

 (「異議なし」という声あり)

永杉地域振興課長
それでは、異議なしということでございますので、恐れ入りますが、佐藤委員には本検討会の座長をお願いできたらと存じます。 それでは、早速でございますが、佐藤座長には座長席にお移りいただきまして、一言ご挨拶を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。

佐藤座長
ただいま、皆様のご指名で座長という重責を担うことになりました。よろしくお願いいたします。
先ほどの地域振興課長のご挨拶の中にもございましたように、本委員会の今期の任務は非常に重いものがございます。それは、先ほどもお話がありましたが、この中山間地域等直接支払制度を評価する、あるいはその制度の効果を検証するということが、非常に大きな任務としてございます。それもあって、新たに委員がお入りいただきまして、この委員会を強化したというふうに思っておりますので、ぜひ委員の先生方におかれましては、お忙しい中と思いますが、よろしくお力添えを賜りたいと思います。

永杉地域振興課長
ありがとうございました。
それでは、次に、事務局の方の紹介をさせていただきます。 まず、太田農村振興局長でございます。

太田農村振興局長
よろしくお願いします。

永杉地域振興課長
それから、日尾野農村振興局次長でございます。

日尾野農村振興局次長
日尾野です。

永杉地域振興課長
佐藤農村政策課長でございます。

佐藤農村政策課長
佐藤でございます。

永杉地域振興課長
澤田資源課長でございます。

澤田資源課長
澤田でございます。よろしくお願いいたします。

永杉地域振興課長
林田事業計画課長でございます。

林田事業計画課
長 林田です。よろしくお願いします。

永杉地域振興課長
齋藤設計課長でございます。

齋藤設計課長
齋藤です。よろしくお願いします。

永杉地域振興課長
河野農村整備課長でございます。

河野農村整備課長
河野です。

永杉地域振興課長
それから、私ども地域振興課の方でございますけれども、水間中山間地域振興室長でございます。

水間中山間地域振興室長
水間です。よろしくお願いいたします。

永杉地域振興課長
事務局からは以上でございます。 それでは、座長よろしくお願いいたします。

佐藤座長
ただいまから、中山間地域等総合対策検討会を開始いたします。
本日の会議予定は12時に終わるというふうに考えておりますので、よろしく進行の協力方お願いいたします。

まず最初に、事務局からご説明がございましたが、この委員会の設置規定の若干の変更、特別委員を加えるということですが、それとあわせてこの検討会の議事録の公開をするということですが、議事録公開に当たっては、委員のお名前をつけてこの委員会でのご発言を公開するということにさせていただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。

それでは、まず農村振興局長からご挨拶があります。よろしくお願いします。

太田農村振興局長
おはようございます。
中山間地域等総合対策検討会の開催に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。

委員の先生方には、ご多忙中、また年度末にもかかわらずご出席を賜り、ありがとうございます。この検討会は、平成12年3月に発足して以降、これまで11回に及ぶ検討がなされ、中山間地域等直接支払制度を始めとします中山間地域の振興施策につきまして、貴重なご意見等をいただいております。

中山間地域等直接支払制度につきましては、先ほども担当課長の方から話がありましたとおり、平成12年度から5年間ということで、この平成16年度は最終年という、まずこの5カ年間の最終の年度になります。制度発足当時より、この中立的な第三者機関におきまして、交付金に係る効果等を検討し、中山間地域等をめぐります諸情勢の変化、あるいは現行対策の実施状況等を踏まえて、5年後に制度の検証及び課題の整理を行うということが、当時から規定されておりました。

このたび、この検討会に、農業者の方や、あるいは行政経験者の方もお願いするなど、新たなメンバーもお迎えいたして、現地調査や現場関係者からの意見聴取をなども行いながら、現行対策の実施状況の全体的な検証及びこれらを踏まえた平成17年度以降の対応につきましての課題の整理をお願いしたいというふうに考えております。

なお、夏ごろまでを一つの目途としてご審議をお願いできればというふうに考えております。佐藤座長には、非常にお忙しいところ恐縮でございますが、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

さて、現在、「食料・農業・農村基本計画」、いわゆるこの中山間地域等直接支払などもその計画の大きな中で位置づけられておるわけですけれども、この見直しを、昨年夏に大臣の方から指示がございまして、昨年度末から具体的に食料・農業・農村政策審議会での議論が始まりました。今年の1月末には企画部会におきまして、具体の議論を始めていただいておりまして、3つの課題ということで現在ご議論をいただいております。

その3つは、1つは「品目横断的政策への転換」というようなことでございます。もう1つは「農業環境・資源の保全」、そういったものを進めてきておりますが、3月22日には「担い手・農地制度」という3つ目の課題の第一巡目の議論を行うと、こういう段取りになっております。

言うまでもなく、この食料・農業・農村基本計画の見直しに係ります各種政策の検討との整合を図るということは極めて重要でございます。そういった意味で、この検討会もその重要な施策の1つという位置づけになっております。

いずれにいたしましても、この制度は、我が国農政史上初の試みでございますので、その実施状況の成果、あるいは課題等につきまして、十分なご議論の上で整理していただきたいと考えております。委員の先生方におかれましては、限られた時間ではございますが、夏ごろまでの取りまとめに向けて、忌憚のないご意見を賜りますようお願い申し上げまして、開催に当たってのご挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

佐藤座長
どうもありがとうございました。 それでは、事務局の方から配付資料の確認をお願いいたします。

永杉地域振興課長
では、配付資料の確認をさせていただきます。お配りしてございます資料は、会議次第、それから座席表、それから委員名簿でございます。それから下に、配付資料一覧という紙をつけてございますけれども、資料の1、それから資料1の参考資料の1と2がございます。それから資料の2から4までがお配りしてあると思います。さらに、その下には参考資料としまして、1から5までがお配りしてあると思います。 特によろしければ、引き続きご審議をお願いしたいと思います。

佐藤座長
お手元にございますでしょうか。 それでは、早速議題に入りたいと思いますが、今日のこの検討会では3つの議題を用意してございますが、まず最初に、1に入りたい思いますが、1と2は関連しておりますので、あわせて事務局の方からご説明いただき、そしてご意見を賜るというふうにしたいと思います。なお、新しい委員の方々に、特に耳なれない言葉等々あろうかと思いますので、その場合には、どうぞ躊躇なさらずにお聞きください。 それではお願いいたします。

永杉地域振興課長
それでは、資料のご説明をさせていただきます。

まず、資料の1の中山間地域等直接支払制度の検証等の進め方でございます。 中山間地域等直接支払制度につきましては、耕作放棄地の増加等によりまして、多面的機能の低下が特に懸念されております中山間地域等において、農業生産の維持を図りつつ、多面的機能を確保するという観点から、農業の生産条件に関する不利を補正することを目的として、導入されているものでございます。

本制度の平成17年度以降の対応をどのようにするかの検討に当たりましては、資料1の左側にございますように、「中山間地域等直接支払交付金実施要領」で、その手順を導入時から定められていたところでございます。

まず、市町村における集落等の取組状況の評価、それから都道府県の中立的第三者機関における検討・評価を経まして、その結果を農村振興局長に報告することになってございます。

3でございますけれども、農村振興局長は中立的な第三者機関におきまして、交付金の効果等を検討・評価するとともに、中山間地域農業をめぐる情勢変化、農用地の維持・管理の全体的な実施状況等を踏まえ、導入後5年後に制度の見直しを行うということになってございます。

資料の右側の方でございますけれども、これらを踏まえまして、国の第三者機関である本検討会での検証の進め方について事務局の案を整理させていただいております。

その考え方でございますが、[1]にございますように、まず「中山間地域等をめぐる諸情勢の変化」ということで、制度発足時と比べた中山間地域等の農業・農村の状況や、果たしている役割あるいは果たすべき役割の変化について、ご議論いただいてはどうかということでございます。

次に、[2]にございますように「現行対策の実施状況等の全体的な検証」ということで、協定締結前後の農業生産活動等の変化ですとか、対象地域、対象農用地、対象行為等について取組状況を検証していただきまして、現行対策の成果を評価していただいてはどうかということでございます。

それらを踏まえて、[3]にございますように、平成17年度以降の本制度の対応について課題を整理していただいてはいかがかというふうに考えているところでございます。

1枚めくっていただきまして、参考1をおつけしてあると思います。本制度を取り巻く諸情勢を簡単に整理させていただいております。

まず現場では、協定締結率が85%まで上がりまして、制度の普及定着が進展してきております。そうした中で、集落協定代表者へのアンケートでは、「制度の理解が進み、取組活動がようやく軌道に乗りつつある」、「制度の継続を望む」との声が大勢を占めております。

農業情勢につきましては、ご案内のように、現在、食料・農業・農村基本計画の見直しが進められておりまして、次のもう1枚めくっていただきますと、資料1の参考2というものがつけてございますけれども、ここで「政策改革のパッケージ」という概念図がございますけれども、ここに記述されておりますように、プロ農業経営への支援の集中、あるいは環境や農地・水等の保全のための各種政策の検討との整合性に留意していくことが必要ということになっているところでございます。

一方、また戻っていただきまして参考資料の1の方でございますけれども、財政事情につきましては、いわゆる三位一体の改革が進められている状況にございます。

また、その他のところにございますように、農業・農村の持つ多面的機能に対する国民の意識の高まりが見られるということでございます。

では、次の資料に移らせていただきますが、資料の2をごらんいただきたいと思います。中山間地域等をめぐる諸情勢についてということでございます。表紙から2枚めくっていただきまして、1ページ目でございます。

以下、中山間地域等直接支払制度の導入が平成12年度でございまして、できるだけ導入前後の統計数値の比較ができますように整理いたしておりますけれども、データがないものにつきましては、恐れ入りますがご容赦願いたいと思っております。

また、用語につきましては「中山間地域等」という場合には、本制度の対象地域を指しておりまして、「等」がつかない「中山間地域」といった場合には、基本的には統計上の定義を用いているところでございます。

まず、中山間地域の概要でございますけれども、耕地面積、総農家数、農業産出額、農業集落数とも4割ないし5割という重要な地位を占めておりまして、微増ではございますが、中山間地域の全国に占める割合というのは高まっているという状況にございます。

それから、次に、4ページの方にまいりたいと思いますけれども、中山間地域等の果たす役割についてでございます。
今申し上げましたとおり、総農家数、農業産出額で大きなウエートを占めるなど、引き続き、国民への食料の供給に大きな役割を果たしているという状況にございます。また、中山間地域等は、河川の上流域に位置しておりまして、国土保全、水源かん養等のほか、都市住民に保健休養の場を提供するなど多面的機能を有しており、右側の世論調査の結果でございますけれども、これは農村地域全体を対象にしたものでございますが、国民の認識も相当程度高いものになっているという状況でございます。

それでは、次の5ページでございます。
5ページ左側の表では、平成13年に日本学術会議から答申が行われました際に試算されました多面的機能の評価を記載してございます。この評価におきましては、中山間地域の占めるウエートというのが出ておりませんので、右側に平成10年に行われました農業総研による試算結果を記載してございます。この評価では、中山間地域におきましては、洪水防止機能の1兆1千億円、これは全国比では40%を占めておりますけれども、こうしたものを始めといたしまして、多面的機能の発揮に中山間地域が重要な役割を果たしているいう試算結果が出ているところでございます。

それから、6ページにまいりまして、中山間地域等の農業の現状についてでございます。
中山間地域の農業産出額は、全国の農業産出額が減少傾向にある中でございますが、中山間地域はその減少傾向というのが若干少なく、結果として、全国に占める割合が微増しているという状況になってございます。

(2)の作物別シェアでございますけれども、全国と比べて、農業産出額で、畜産、果実の割合が高くなっておりまして、また近年では、野菜、花きの割合が増加しているという状況になってございます。

 7ページにまいりまして、経営規模についてでございます。
中山間地域は、傾斜地が多く、まとまった耕地が少ないことから、土地利用型農業の規模拡大が進みにくく、零細規模農家が大半を占めるという農業構造となっております。そうした農業構造につきましては、これは平成7年と12年の比較でございますけれども、ほとんど変化が見られていないという状況が出ております。

次に、8ページの農業生産性についてでございます。
中山間地域では、都市、平地地域と比べまして、労働生産性・土地生産性・資本生産性のいずれにおきましても、引き続き低い状況にございます。

それから次に、9ページの耕作放棄地についてでございます。

本制度が導入されます前の平成12年までのデータではございますけれども、中山間地域では、平地農業地域と比べ、耕作放棄地率の増加が著しい状況になってございます。

一方10ページの方をごらんいただきたいと思いますが、最近の耕地のかい廃面積の推移を示してございます。右側の表の一番右端の欄にございますけれども、かい廃面積のうちの耕作放棄につきましては、近年、平成14年度までのデータが出てございますが、減少傾向を示しているという状況にございます。

 これは正確な分析はちょっと難しい面もございますけれども、本制度の導入以降、中山間地域等の約66万ヘクタールの農用地につきましては、本制度に基づく協定が締結されまして、少なくとも締結から5年間は、耕作放棄のおそれがなくなっていることに留意する必要があるのではないかと思われるところでございます。

それから10ページの下の方には、鳥獣害による農作物被害の状況を示してございます。被害金額等はおおむね横ばいで推移しているという状況が出てございます。

次に、11ページでございますけれども、中山間地域の高齢化の状況でございます。

平成12年度までで見まして、中山間地域では総人口、農家人口ともに全国に比べて高齢化が進んでいるという状況にございます。

また、その格差は広がる傾向ということになってございます。 また、下の方の農業従事者についてでございますけれども、中山間地域と全国との格差について見ますと、これは平成7年と12年の比較でございますが、やはりその高齢化の状況の格差は広がる傾向となってございます。

12ページをごらんいただきたいと思います。 中山間地域の人口についてでございます。平成12年度までを見ますと、中山間地域の農家人口というのは減少してきておりますが、全国に占める割合はわずかながら増加傾向ということになってございます。

また、下の方の地域類型別の人口増減率でございますけれども、中間農業地域と山間農業地域では引き続き減少となっております。

次に、13ページの農業集落についてごらんいただきたいと思います。
都市的地域の集落数の減少割合が多くなってございまして、次いで、山間農業地域、中間農業地域で、農業集落の数が減っていると、そういう順番が出てございます。また、農家戸数別の農業集落数の推移でございますけれども、20戸以上の集落数は減少を示しておりまして、5戸以下の集落数が増加しているという傾向が出てございます。

それから次に、14ページの混住化の状況でございます。
ここでは中山間地域におきましても、農家率が50%未満の集落が増加しているという状況が出てございまして、中山間地域におきましても、都市・平地地域と同様に、混住化が進展しているという結果が出てございます。

次に、15ページの認定農業者の状況でございます。
全国に占める中山間地域の認定農業者の割合でございますが、平成14年度に、若干増加を見せておりますけれども、中山間地域の総農家数のシェアなどと比べますと、認定農業者の割合というのは、全国に対するシェアは少なくて、その確保が依然困難であるという状況がうかがえるところでございます。

次に、16ページでございます。
定住条件の現状ということでございますけれども、所得機会の点では、中山間地域の販売農家の農業所得、農外所得は、いずれも都市・平地農業地域に比べて低くなってございまして、特に農業所得につきましては、平成10年に平地農業地域の65%に相当していたものが、平成14年には56%というふうに大きく減少しているという状況にございます。

また、下の方でございますけれども、就業者1人当たりの農家総所得を見ましても、他の地域に比べまして低い状況が出てございます。

それから次は、17ページへまいりまして、生活環境整備の状況でございます。

右側にグラフがございますが、各項目とも整備は進んでおります。しかしながら、全国の水準と比べまして、依然として立ち遅れが見られておりまして、中でも、汚水処理施設の普及率は、全国の4割にとどまっているという状況になってございます。

次に、18ページをごらんいただきたいと思います。 施策の現状を整理してございます。右側の一覧のところに、各種の事業などの一覧を載せさせていただいておりますけれども、近年は特にグリーン・ツーリズムなども含めて、都市との連携なども重視しまして、多様な所得機会の確保などに向けた総合的な施策の推進を図っているということでございます。

資料の2は以上でございまして、次に、資料3の方をごらんいただければと思います。

中山間地域等直接支払制度の実施状況及び検証事項の案というものでございます。表紙と目次を2枚めくっていただきまして、1ページの中山間地域等直接支払制度の実施状況でございます。 平成15年度の交付見込み市町村でございますけれども、1,960ということになってございまして、対象農用地を有しております2,101の市町村の93%まで市町村数のベースで見ますと伸びてきているということでございます。

次に、2ページの協定数でございます。 集落協定につきましては、平成15年度に1.2%増加する見込みでございまして、33,154協定となってございます。 また、個別協定につきましては、平成15年度に1.6%増加見込みでございまして、639協定になるということでございます。 その下の方の協定締結面積で見ますと、平成15年度の見込みでは、前年より7千ヘクタール、1.1%増加しまして、市町村基本方針の対象農用地の85%となってございます。

次に、3ページの地目別の協定締結面積でございます。以下は平成14年度の数値を使用してございます。

まず、地域別に見ましても、北海道では草地が90%を占めてございます。都府県では田が73%を占めておりまして、ブロック別では東北、北陸、東海で、田の割合が高いという傾向がございます。近畿では畑、九州では草地、沖縄では畑の割合が高いという特徴が出てございます。

下の方の地目別協定締結率でございますけれども、田と草地、採草放牧地につきましては、8割を超える面積で締結がされておるのに対しまして、畑では64%というふうに、相対的に低くなってございます。

次に、4ページでございます。
交付基準別の協定締結面積でございます。これは、5の(1)の下の注のところにございますように、傾斜度によりまして、対象農用地の要件についての基準を設定しており、また急傾斜と緩傾斜で単価が違うなどの基準がございますけれども、その基準で見た場合の割合でございます。田では、急傾斜が58%、緩傾斜が41%でございますけれども、畑と採草放牧地では、急傾斜が7割となってございます。

また、草地につきましては、いわゆる草地比率の高い草地というのが対象農用地になるようになってございますが、これが95%を占めているところでございます。

次に、5ページの耕作放棄地の発生防止の状況でございます。 これまでに約66万2千ヘクタールの農用地で集落協定を中心に協定締結されておりまして、耕作放棄地の発生が防止されておりますほか、415ヘクタールで、既に発生しておりました耕作放棄地の復旧を行うということが協定に位置づけられております。 また、協定締結に伴いまして、(2)のところにございますように、11,300ヘクタールが、農振農用地区域に編入されてきております。

次に、6ページでございます。 集落協定の状況でございますが、1集落協定当たりの交付金額でございます。北海道では1集落当たり1,260万円の交付金額となっておりまして、都道府県ではこれが143万円と10倍近い格差が出てきてございます。また、協定参加者1人当たりの交付額について見ましても、北海道では38万円、都府県で7万円という数字が出てございます。 また、(2)の方でございますが、集落協定の規模を農用地の面積で見ますと、都府県では1ヘクタール以上5ヘクタール未満の集落協定が5割を占めておりまして、20ヘクタール以上という集落協定は1割となってございます。一方で、北海道におきましては20ヘクタール以上の集落協定が7割を占めているという状況になってございます。

次に、7ページをごらんいただきたいと思いますが、集落協定におきまして、1ヘクタール以上の一団の農用地というのが対象農用地の要件になってございますけれども、そのほかに1ヘクタール未満の農用地につきましても、営農上の一体性があれば、それを合計して1ヘクタール以上になれば、対象農用地に含めることができるという要件がございます。その営農上の一体性につきましては、右側の表の下の注のところにございますけれども、団地間で耕作者、受託者等が重複し、かつ、そのすべての耕作者、受託者等による共同作業が行われている場合ですとか、あるいは同一の生産組織などによって、農業生産活動が行われている場合などが要件として挙げてございますけれども、そういう要件の適用状況について整理してございます。ここでは、取組状況が地域によって、かなりのばらつきがあるということを示してございます。

8ページでございますけれども、活動の内容でございます。 「農用地の維持・管理等」につきましては、すべての集落協定で「水路・農道等の維持管理」が位置づけられてございます。それ以外では、「農地の法面点検」、「耕作放棄されそうな農用地の担い手への賃借権の設定等」が多くなっているという状況でございます。 下の[2]でございますけれども、「多面的機能を増進する活動」というものも、必須事項になってございますが、その中では「周辺林地の下草刈り」が最も多く、「景観作物の作付け」などにも取り組まれているという状況になってございます。

それから、9ページでございますが「生産性・収益の向上」を目指した取り組みでございます。ここでは「農作業の受委託の推進」が最も多く、「機械・施設の共同購入・利用」にも取り組まれているという状況になってございます。 また、下の「担い手の定着」を目指した取り組みでは、「オペレータの育成・確保」が最も多く、以下「認定農業者の育成」などとなってございます。

10ページでございますけれども、共同取組活動についてでございますが、これへの交付金の活用状況でございます。 集落での共同取組活動につきましては、交付金の40%以上60%未満を配分している集落協定が75%を占めているという状況にございます。これは交付金の使途につきましては、ご案内のように、厳密な縛りをかけているわけではございませんが、概ね5割以上を共同取組活動へ使用するのが望ましいというやわらかい指導を行っているという状況でございます。一方で、すべて共同取組活動へ配分している集落協定が9%、すべて個人へ配分している集落協定も2%という状況になってございます。 また、共同取組活動に充てられる交付金のうちでは、[2]にございますけれども、農道・水路管理費に最も多く充てられておりまして、それが20%を占めているという状況にございます。

 それから、11ページの集落協定活動への参加者でございます。 対象農用地を持たない農業者や非農家の参加率について見ますと、北海道では23%がそういう対象農用地を持たないような方々が参加をされているという状況にございまして、都府県ではこれが2%となってございます。また、そうした方々が参加をされておる集落協定というのは、全体の9%を占めているという状況になってございます。

次に、12ページの個別協定の取組状況でございます。 認定農業者が協定締結者となっておりますのが、個別協定の8割を占めてございます。農業生産法人が協定締結者となっておりますのが、1割を占めているという状況でございます。協定数では、認定農業者、農業生産法人、それぞれ8割、1割でございますけれども、これを農用地の面積で見ますと、両方とも同じ程度ということで、農業生産法人が広い農地面積を個別協定の対象にしているというのがわかるわけでございます。

それから13ページでございますけれども、対象地域及び対象農用地についてでございます。 対象地域につきましては、都道府県知事の特認という制度がございますが、これにつきましては、44の都道府県で設定されておりまして、面積では協定締結面積の8.7%を占めてございます。

次、14ページでございますけれども、対象地域に対しまして、対象農用地につきましては、市町村長の裁量によって要件が設定できることになってございますが、これは例えば緩傾斜の農用地などでございます。こうした市町村長の裁量により対象農用地を設定しております市町村が76%を占めているという状況になってございます。

それから、次の15ページでございますけれども、約5割の市町村におきまして、基本方針に定めております対象農用地が増減をしているといった状況がございます。

以上、現行対策の実施状況についてご説明をいたしましたけれども、次に、16ページ以降におきまして、これらの検証事項の案を整理させていただいてございます。

これはあくまで案ということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。 まず、現行制度の考え方のところについては、ちょっと時間の関係で大変恐れ入りますが省略をさせていただきたいと思いますが、まず集落協定につきましては、右側にございますように検証事項としまして[1]の耕作放棄地の発生防止の状況、[2]の耕作放棄地の復旧、維持・管理の状況、[3]の集落協定の地目別取組状況、(エ)の協定に基づく活動状況といたしまして、農業生産活動等の取組状況、多面的機能を増進する活動状況、生産性の向上や担い手の定着等に関する取組状況、集落機能の活発化の状況等を踏まえた協定取組前後の変化、それから(オ)の共同取組活動に係る交付金の活用状況としまして、交付金の配分、共同取組活動分の交付金の使途でございます。

17ページにまいりまして、(カ)としまして集落協定の規模別取組状況でございますが、集落協定の規模、先ほど申しました1ヘクタール未満の農用地を対象農用地に含める場合の要件でございます営農上の一体性の要件の適用の状況、それから(キ)でございますけれども、共同取組活動での多様な主体との連携状況、(ク)の方にまいりまして、これは個別協定についての検証事項でございますが、個別協定の取組状況等ということでございます。 それから18ページをごらんいただきたいと思いますが、対象地域についてでございます。 [1]が都道府県特認基準の設定内容及び活用状況、[2]が8法指定地域内外別の特認基準の設定状況でございます。

19ページでございますけれども、交付金の交付対象となる農用地についてでございます。 [1]は市町村特認基準の取組状況、市町村基本方針に定めている対象農用地の範囲、[2]が農振農用地区域に編入することによりまして、対象農用地の要件を満たすこととなった農用地の状況、[3]が対象農用地に含まれる限界農用地の林地化の状況でございます。

次が20ページでございます。
協定の期間でございますけれども、現行対策では5年間となっておりますが、この5年間という協定期間についてでございます。

それから交付金の返還ということでございますけれども、交付金の返還免責事由等についての検証でございます。 一番最後の項目でございますけれども、交付金交付の終了状況、これにつきましても、本制度の要領にも明記をされているところでございますが、例えばこれにつきましては、左側にございますように、例えば交付金がなくても集落全体として農業生産活動等の継続が可能となり、耕作放棄のおそれがないと判断されるような場合ですとか、そういった場合には、いわゆる本制度から卒業というのがあるのではないかということでございまして、それについての検証ということでございます。

このほか参考資料の1は、本制度の概要でございます。それから参考資料2が、集落協定の代表者への意向調査結果をまとめてございます。おおむねの意見としましては、先ほど申しましたように、取り組みが軌道に乗りつつあり、継続を望むというようなトーンで回答が得られてございます。それから、このほか参考資料の特認基準でございますけれども、本日の議題3とも関連した参考資料の3と、それから4につけさせていただいてございますが、大変時間の制約の中で恐縮でございますけれども、不親切な説明になってしまいまして恐縮でございますが、説明を省略させていただければと思っております。

非常に駆け足のご説明で恐れ入りますが、事務局からの説明は以上でございます。

佐藤座長
どうもありがとうございました。

ただいま議題(1)及び議題(2)にかかわる内容について、資料に基づきご説明いただきました。大変情報量が多いので、いきなり全部を理解するのは大変難しかったんですが、まず最初に、資料1で説明がありましたように、中山間地域等直接支払制度の検証等の進め方について、ご意見を賜りたいと思いますがいかがでございましょう。このような形で検証を進めてはどうかという提案でございます。

大きくは3つです。[1]、[2]、[3]という形でございますが、その[1]、[2]について、ただいま資料に基づきながらご説明いただいたわけですが、こんな形で検証を進めるということで特段のご意見がなければ次に進みたいと思いますが、いかがでございましょうか。
はい、どうぞお願いします。

松田委員
資料1と資料2と、セットにして考えていきますと、資料1の検証事項の[1]なんですが、制度発足時と比べた中山間地域等の農業・農村の状況や役割について検証するということになっておりますが、資料2のご説明を伺っておりますと、農業・役割については、制度発足時と制度発足後を比べることができるデータを示していただいたんですけれども、農村の状況に関しては、農林業センサスを使ってご説明になるので、発足後というのがどうしてもないんです。そこで、12年までの資料ですと比べたということにならないので、何か工夫したデータを見つけるというか、出していただけないでしょうか。

佐藤座長
確かに技術的に難しい問題ですね。データがないものを比べようがない、何かいいアイデアないですか、小田切先生。

小田切委員
残念ながら、直接にはないと思います。ただし、協定自体を見ることによって、例えば協定の中でどのように集落協定の中の意思決定が変わってきているのかというふうなことは検証できると思うんです。そういう意味では、協定をつぶさに見ていくということが重要かなというふうに思います。

佐藤座長
どうもありがとうございました。
そういう意味では、大変難しいことをしなければいけないかもしれません。できるだけその実態を明らかにする努力をするということでどうでしょうか、その件に関して。

水間中山間地域振興室長
検討してみます。

佐藤座長
ほかにいかがでしょうか。

(発言する者なし)

佐藤座長
では、特段にないようですので、次の資料2について、このめぐる情勢についてご説明いただきましたが、これについてご意見ございませんか。

現在の状況をいろいろなデータを使って概算しているということですので、データについて質問、わからないところがあるということもあるかもしれませんけれども、いかがでしょうか。
はい、お願いします。

澤井特別委員
5ページのところに、公益的機能の経済的評価の資料が載ってございますけれども、これは前にも見たことがあるんですが、一定期間ごとにこれは数字が入れかわれるような仕組みになっているのか、そういうことをお考えになっているのか、たまたま三菱総研なり、農水省の農業総合研究所の数字が在ったということなのか、ないしは一定期間ごとに更新をするご予定があるのか、そこだけ教えてください。

佐藤座長
それについて事務局、どうですか。

水間中山間地域振興室長
担当課長が今いらっしゃらないのであれなんですけれども、非常にこの多面的機能の計算というのは非常に難しいと思うので、これはやっている機関が右側の資料は農業総合研究所、今は農林水産政策研究所に変わっておりますけれども。左側が日本学術会議で出たものを踏まえて、三菱総合研究所が試算しているということで、定期的にということでは多分ないと思いますけれども。その評価をいかに客観的にやるかというのを、その都度難しいので、ですから、それぞれで完全に方法が一致しているということではないというふうに理解しております。

澤井特別委員
確かにそのとおりだと思います。この部分全部ではなくても、多面的機能の評価というのが今回の制度の1つの重要な側面でもあるので、何かこういうメルクマールで、1つでも2つでも、できるだけ新しい数字が、計量的な数値が欲しいですね。

佐藤座長
事務局からの回答も必ずしも明確ではなくて、するともしないともわからない回答でしたが、その時々の政策の必要性でやらざるを得ないときがあるということだと思います。
ほかにいかがでしょうか。

 (発言する者なし)

佐藤座長
ないようでしたら、次の資料3に移ってよろしいでしょうか。
資料3は実施状況と、それから検証事項と2つありますが、検証事項はもう少し後ほどご意見賜るとして、前半のこの直接支払制度の実施状況について、まずご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
はい、お願いします。

内藤委員
協定締結率は100%へ持っていかれるということなんでしょうか。それと、今85%だそうですけれども、残りの方たちは、なぜ締結をしないのでしょうか。

水間中山間地域振興室長
これはあくまでも手挙げ方式というか、要するに地域地域でこれで締結をしようということで合意が図られたところは手を挙げてもらってやっています。我々としては、やはりある意味で締結率を出す場合の分母に当たります対象農用地というのは、いわゆるこの制度の守っていくべき農用地だということで、市町村長なりが定めているものでありますので、それぞれ定められたものについては、できるだけ締結に持っていくことが望ましいということでありますけれども、いろいろこの制度3年目で中間点検などもやっておりますけれども、高齢化が進んでいるところでは、なかなか地域の合意が図りにくいとか、先ほども地目別に田と畑で比較しますと、畑の方が低いというのは、水田に比べますと、やはり共同で作業をする部分というのが畑の方が少ないということもあって、比較的に畑の方が低くなるという、そういうふうな状況はあるというふうに考えております。

佐藤座長
よろしいでしょうか。

内藤委員
はい。

佐藤座長
ほかにいかがでしょうか。 はい、お願いします。

清水特別委員
実施状況というと、農業者である自分がしゃべらなくてはいけないのかなと思って、ちょっとしゃべらせていただきます。

まだ自分の地域の人たちの話しか聞いていないんですけれども、とてもアンケートにまとめたとおりのことが、今やっている人たちから聞かれまして、コミュニケーションの場としては最高のあれになっているということなんです。

それから、これからは村全体を花で飾っていこうと、今までは実質的な農産物をつくっていたけれども、半分は自分たちが自由に使えるということで、 103人の仲間たちとアンケートをとったら、今度は少しゆとりのあるような花で飾っていこうとか、そばを全体にまいて、そばの店でも出して、こういう景観のいいところでやっていこうとか。平均年齢65歳から67歳らしいんですけれども、今までとは全く違った夢がみんなで語れるようになった、それが集落でやれるようになったということは、この支払制度ができたことにものすごく感謝していると。現場で働く者として、自分の地域は自分で守ろうという意識の芽生えがすごく出てきたということで、市の方もいろいろな改修工事や何かを積極的にやると、現物支給をしてくれるようになって協力的であるということだから。中野市はちょっとみんなより遅れて、まだ3年目なんですけれども、3年目でそれだけのことができてきたから、ぜひ予算などを削らないで続けていって欲しいと委員長さんからしっかりと言われてきました。

佐藤座長
どうもありがとうございました。 制度設計にかかわった者としては非常にうれしい言葉です。今のそのそばを新たにまくとか、花を植えるというのは、今まで耕作放棄されていたところに新たにそういうものを植えるということですか。

清水特別委員
そうですね、はい。耕作放棄地が全くなくなったというその区画の中では、土地改良をやった後、みんな何をつくっても儲からないから、みんな放棄してあったんですが、この制度を利用させていただいて、それには地域のリーダーさんが大分骨を折ったらしいんです、この制度を取り入れるのに。でかくエネルギーを使っちゃったと言っていましたけれども、その成果が出てきてうれしいと言っていました。

佐藤座長
どうもありがとうございます。
はい、お願いします。

守友委員
私も地方の大学におりますので、今のご意見にほぼ同感です。たまたま会津の山奥の方でなかなか頑張っている方がおもしろいことを言ったんですけれども、ちょうどこの制度は、「のどが渇いていたところに水がきた」というこういう言い方をされているんですね。つまり、地域でかなり努力をしていた方のところで、何か次へのステップを踏み切れないときに、この制度によって一歩進んだということです。そういう意味で非常に重要性があるなというふうに思っているんです。ただ、同時にその渇くか渇かないか余り考えていなかったところもざっくばらんに言えばあるという、その辺のところをどうするかという、こういう両面があるということです。ですから、基本的には「のどが渇いたときに水がきた」という評価でいいと思うんですが、それ以外のところをどうしていくのかということが、またあるということ。

それからもう一つ、こういうことをやって、どうも制度をつくるときに気がつかなかったのかと思うんですけれども、例えば山奥の田んぼでなかなか水が抜けないというところで、集落協定の2分の1ぐらいのお金を使って、ちょっとそこを改善しようとする。そうすると、田んぼの水がよく抜けるようになって、これがなければ放っておかれるような田んぼが、これで頑張れるというような、こうした事例が出てくるんです。しかし、逆に自然保護的な観点からすると、それは本当にいいんだろうかという、こういう新たな課題も出てきているので、基本的には私はこの制度で地域が元気になったと思っているんですけれども、新しい課題についてどう対処していくのかということも長期的には検討すべきことがあるのではないかなと思います。ただ、それが検証事項のデータで取りにくい項目ですので、何らかの格好でどこかで工夫が要るのではないか、こんなふうに思っております。

佐藤座長
ありがとうございました。
そのデータに関しては、後ほど少しご意見いただきたいと思いますが、前半の部分でいかがでしょうか。
はい、お願いします。

野中特別委員
ちょっと質問なんですけれども、全体的にこの制度はお2人の方がおっしゃったように、非常に現地に評判のいい制度で、基本的には非常に成果を上げている施策だと思うんですけれども、それだけに、逆に言えばシビアな検証をしていく必要があるのではないかというような気がいたします。

そういう意味では、このアンケート調査なんかを見ましても、効果があったというのはいいんですけれども、逆に言えばやめても影響がないというのが2割いるとか、集落の環境変化がないというのが3割とか、これを多数決で言えば小さい数字かもしれないんですけれども、制度検証という意味では、この辺がどうしてこういう回答が出てきているのか、どういう地域でそういうあれになっているのかというようなことが、検証してみて、基本的に制度はいいんですけれども、若干の手直しが必要なのかというようなところの検証が必要なのかという気もしますので、その辺どういうふうになっているのか、もしおわかりになれば教えていただきたいということです。

それから、前の議題のところで本当は言うべきだったんでしょうけれども、中山間地域の現状でも、センサスのデータですからほとんど変化があらわれていなくてあれなんですけれども、1点だけ、例えば前の資料の16ページで、その中山間地域の農業所得が平成10年では平地農業地域の65%だったけれども、平成14年では56%と大きく減少しているという説明があるんですけれども、これは単年度だけのものなのか、それとも中山間地域の農業というのについて、傾向的には変化がないというか、だんだん厳しくなっていくということがあるんですけれども、これは何か大きな変化の兆しを示すものなのか、それともデータ上たまたまのものなのかという点について、2点をお伺いしたいと思います。

佐藤座長
後者の点はどうですかね、これはなかなか難しいかもしれません。平成14年で特殊な減少なのか、それともこういう傾向として。

水間中山間地域振興室長
今これ2点の比較になっていますので、我々の方で、もうちょっと平成10年と14年の間とか見てみます。

永杉地域振興課長
1点目のアンケートで2割ぐらいやめても影響がないという、この辺の要因がどういうことなのかということでございますけれども、これはまだこれからの検証の中でもご議論いただければとは思いますが、一応考えておりますのは、やはり高齢化が進んでいて、最低限の耕作放棄の防止まではやっているけれども、やはり高齢化が進んでいて、攻めの営農を展開したりとか、やる上で、またリーダーも育っていなかったりとか、中核となる担い手がいなかったりということで、前向きのことまではなかなかできないという集落があるのではないかと。ただ、最低限こういう多面的機能を確保するための耕作放棄の防止までは何とかついてきているという、そこら辺のところがあるのではなかろうかというふうに思っております。

いずれにしろ、耕作放棄の防止という面では、多分そういったところも効果は出ていると思いますけれども、前向きの面ではどうもまだ進んではいないという状況の地域ではなかろうかというふうに推測をいたすわけでございます。

佐藤座長
この辺に関していかがですか。村田委員とか小田切委員は現地の情報にお詳しいと思うので、何か情報がありましたら。特にないですか。
はい、お願いします。

村田委員
違う話なんですけれども、前の議題に絡むことなんですけれども、今の現行制度の財政的措置というのはどうなっているのかということを教えてほしいんです。この参考資料1の一番最後のページに、日本の場合は総額538億円、平成14年ですね。というふうになっているんですけれども、制度発足からこれまで支払われたのか、その財源はどういう形で確保されているのかということを教えていただきたいと思います。

佐藤座長
事務局でお願いします。

水間中山間地域振興室長
財源につきまして、全体の額の半分程度が国から国費で出ておりまして、それの残り半分、これは県と市町村で出していただいている状況であります。それで、国費につきましては、県の方に条例基金をつくっていただきまして、毎年その実施状況はどのぐらい実際に出ているのかどうかわからないものですから、柔軟に対応できるように県の方に条例基金をつくっていただいて、そちらの方に国の交付金を積み立てていただいているという状況であります。

国費につきましては、最初の平成12年度から始まりまして、3年間は330億円、その後、4年目には230億円の予算を措置していると。全体の支出額につきましては、皆さんがもらう交付金というのは、国の分と県の分と市町村の分、3つから成り立っておりますけれども、実際の交付額は……お待ちください。

水間中山間地域振興室長
2回目に整理してお出ししたいと思います。

村田委員
県にその条例基金というんですか、そこに国費が330億円とか230億円支出される。その全額が交付されるのですね。

水間中山間地域振興室長
支出しまして、それから必要な額がそこから交付されていくと。

村田委員
市町村のお金というのはどの段階で入るんですか。

永杉地域振興課長
国費につきましては、基金を取り崩して交付金におおむね2分の1を充てられるわけでございますが、そうした取り崩したのと市町村のお金が合わさって地元の集落などに交付されるという格好でございます。

村田委員
地方分は県と市町村とが折半ですか。

水間中山間地域振興室長
そうですね。国が大体おおむね2分の1、残りの2分の1を半分ずつ4分の1、4分の1と。

村田委員
そうすると、使われない部分というのは県の基金に残っていると。

永杉地域振興課長
国費の分だけでございますけれども、残っております。

村田委員
国費の分だけですか。使われる場合には、国費を取り崩して、さらに県と市町村がお金を追加して…

水間中山間地域振興室長
県と市町村は単年度でやっております。

佐藤座長
その件は次回に整理してご提出いただければと思います。
じゃ、お願いします。

服部委員
私だけかもわからないけれども、資料の3で説明があった中で、3ページの説明を見まして私だけが感じたのかもわからないけれども、協定に入ってくる面積の具体的な分布が出ているんです。このグラフの図を見ると、田が42%、畑が11%、草地が45%、採草放牧地が2%と、だから、草地の割合が非常に高いわけですね。そして、その下に北海道の面積と都府県の面積が出ていて、北海道が32万ヘクタール、都府県が33万ヘクタールと、全体の半分近くが草地なんだから、草地の方も9割以上が北海道だから、北海道のウエートが非常に高いということがわかるんだけれども、全体の協定面積のうちの、もう北海道の面積と都府県全体の面積がほぼ同じなんですね。私もこれ初めて見て、こんなに北海道のウエートが高いのかと、ここで初めて知ったんです。だから、私も当初設計のときに、座長と同じように入っていて、北海道が入ったのが一種の何と言うか特殊な意味で…

佐藤座長
少し議論ありましたね、それ。

服部委員
入ったけれども、実際に入ってしまうと適用される面積がもう圧倒的に大きいわけです。そして、その後のページですか、交付金の1協定当たりの額を見ても、これは6ページですが、北海道では1協定当たり1,260万円、都府県が8分の1の143万円なんです。ものすごい格差があるわけです。そして、その他を見ますと、北海道が全体の1割とかならばそれは特殊なケースとして見ていけばいいんでしょうけれども、実際の協定の面積のほぼ半分を北海道の草地が占めているとなりますと、それが実態なんです。今後検証をしていく場合にも、やはりどうしても中山間地域制度というと、都府県の言わば田を中心とした小規模農家による集落というのをまず想定して、それ以外のことは想定しないんだけれども、実態はそうではないわけですね。

そうしますと、私は検証をしていく場合にも、当然北海道の集落協定、交付金が果たしている役割は基本的には同じものになるにしても、かなりその機能が違うと思うんです。北海道においてそれが半分を占めているわけだから、やはり北海道において集落協定・直接支払制度がどういう具合にが機能しているのか、具体的な機能のあり方も含めて、きちっとやはり検証していく必要があると思うんです。そうしないと、半分を占めているわけだから、検証の時に、もしそれを部分視してしまうと、それは検証したことにならないんじゃないのか。だから、相当なウエートを持って、北海道において直接支払制度がどういう具合に機能しているのか、その具体的なあり方を検証していくことがかなり大事ではないのかという気がします。

佐藤座長
どうもありがとうございました。
検証を考える上での重要な視点を提示いただいていました。資料3の前半もご意見いただいても結構ですが、16ページ以降の検証事項についてこれから事務局が検討をさらに深めると思いますので、それに当たって必要なご意見をいただければと思います。

現在の資料では7つのカテゴリーが列挙されていて、それぞれについてどういうアイテムで見ればいいのかというふうな提案が出ておりますが。

松田委員
先ほど意向調査の結果について、否定的ないしは、明らかになっていないのはなぜだろうかというようなお話があったんですけれども、もう少しこれはブレイクダウンできるのではないかと思うんです。例えば今の地目別の話とか、それから集落の高齢化率との関係とかですね。中間地なのか山間地域なのかという点です。というのは、先ほど守友先生がのどが渇いたところに水がきたということをおっしゃったんですけれども、私とても印象的なのは、この制度を立ち上げるときに山村の代表の先生が「今もう遅いんだ」ということを何度も何度も繰り返されたんです。もうそういうところでは、この制度ではプラスはないと思っていらっしゃるかもしれないし、そうすると別のことを考えなければいけないということになると思います。ですから、いろいろな要素と関連して、この意向調査をもう一度クロス集計みたいなのをしてみていただいてはどうかなと思います。

佐藤座長
どうもありがとうございました。
それは可能ですか、クロス集計するためのデータとして、アンケートはそういうとり方をしておりますか。

水間中山間地域振興室長
統計部でこれはやっている調査でありますけれども、個票が多分あると思います。それをまた分析をすると。

佐藤座長
可能な範囲で、次回までにご用意いただければと思います。よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
小田切委員、何か検証事項について、こういう視点でやれとかというご意見ございますか。

小田切委員
16ページ以降をお伺いするということでよろしいでしょうか。それでは、幾つか申し上げたいと思います。

主として2つ申し上げたいんですが、1つは先ほど服部委員もおっしゃっていたことなんですが、中山間地域、あるいは条件不利地域は、地域的多様性が大きい。あるいはこの制度自体が、言わば地域が主体的にいろいろな部品を選ぶことができるような、これを地方裁量主義というふうに私ども呼んでおりますが、そんな仕組みになっているというふうに考えております。したがって、この検証の視点を考えるときには、特に地域別にそれを検証するということが特に重要なんだろうと思います。先ほど服部委員のご発言もその一環としてのご発言というふうに私自身は理解をしております。

それから2番目は、やや検証を超える話なんですが、先ほど申し上げましたように激しい多様性、あるいは主体性の中でこの集落協定ができているとするならば、まさに最も必要なところにお金と言いましょうか、制度が行き渡っているというふうに考えることができるんだろうと思います。だとするならば、この出てきた集落協定なり、あるいは対応方向、これは最も地域それぞれが望んでいることに使っているというふうに考えて、これを政策に再びフィードバックするような、単に直接支払制度の今後の継続云々ということではなくて、中山間対策あるいは農村対策全体にフィードバックするような、そんな検証の仕方と言いましょうか、それが重要であろうかというふうに思っております。そういう意味では、検証作業を少し超える話かもしれませんが、どういうふうな協定が各地域でできているのか、そのデータベースづくりと言いましょうか、あるいはさらにそれを加工分析できるような、その仕組みをお考えいただきたいというふうに思います。

佐藤座長
どうもありがとうございます。 地域別とはどういう地域別をイメージされていますか。

小田切委員
例えば私どもの分析でも、この集落協定の特徴が西日本と東日本では傾向が違っているというのが出ております。西日本と東日本という言い方自体が少し大くくりなんですが、もっと端的に言えば、中国地方の中山間地域と東北地方の中山間地域では、協定の範囲が違っております。つまり中国地方の中山間地域では、おおむね1集落1協定、あるいはところによっては、集落を超えるようなそんな協定が結ばれております。例えば山口県で言えば、全協定の12%が集落を超えるような、言わば「複数集落協定」というふうにやっております。ところが、東北地方、特に秋田県ではそれが顕著なんですが、協定が集落内に幾つもできる、これはある意味では農地の団地ごとに協定ができているということだと思います。そういう意味で、協定の範囲が違うというのは、かなり決定的な性格の違いだろうと思います。 つまり、中国地方においては集落やそれを超える単位の、言わば地域づくり基金と言いましょうか、そういう形で使われている可能性、あるいはそういう実態があるわけでありますが、東北地方ではむしろ団地ごとに、あるいは水系単位でその水利組織を維持するような使い方がされている傾向も考えております。

つまり、そういう意味では実はこの直接支払制度の交付金は、地域ごとにその使う目的が違うと言いましょうか、最終的には農地を保全するということで、それは全く一致しているわけなんですが、そのための最も近道は何なのか、集落の基礎体力を強化することがいいのか、あるいはそうではなく、そういう組織を維持することがいいのかという、そんな選択が行われているというふうに考えられます。そんな多様性があります。

佐藤座長
どうもありがとうございました。
主体性及び地域性においても、非常に多様なものをベースにして行われているということなので、検証に当たってもやはりそれをきちんと踏まえなくてはいけないというご意見だと思うんですね、どうもありがとうございました。

ほかに。
 はい、お願いします。

澤井特別委員
16ページの協定に基づく活動状況の項目の中に、担い手の定着等への取り組みというのがありますが、これは実は私も大変担い手については関心を持っていて、現時点この地域でよく落ちこぼれなく5年間皆さん営農継続をやられていたということに関心しているのですが、今後単純に5年間たてば高齢化がますます進みますし、地域からの離脱という状況も出てくると思うのです。担い手の各協定締結地域に関する年齢構成なり担い手の継続の見通しとか、その辺の目安が検証されるのかどうかが1つです。

それから、共同的な事業については、まちづくりというか、地区の環境整備に関する事業があると思うのですが、その場合にはこの当該協定地域については、農水省のお持ちの他の農村振興整備のいろいろなメニューとの連携プレーみたいなものは今後の検証なり今後の制度運営の中にお考えなのかどうか。その点をちょっとお聞きしておきたいのですが。

佐藤座長
前者の担い手云々については、かなり地元でつくられた協定書の中にいろいろデータが入っていますでしょうか。

澤井特別委員
年齢構成や何かはわかるようになっていますか。

水間中山間地域振興室長
年齢構成まではわからないです。

澤井特別委員
制度自体の持続可能性というか、サステナビリティーということで、単純に5年で大丈夫かという問題はそこに出ていると思うんです。その辺の年齢なり、ないしは新しい担い手がいますよというようなことがわかれば問題ないと思うので、その辺をやはり今後の検証に際して、継続、可能性の問題として見てみてはいかがかと思いますけれども。

佐藤座長
それはできるだけ可能な範囲で、できないものはできないんですが、努力するということでしょうか。

水間中山間地域振興室長
それからほかの事業とも連携して、いろいろ優良事例とか集めております中での一部のご紹介ですけれども、例えば棚田なんかを整備する場合に、棚田の整備のセミハード事業で整備して、整備した後のその棚田の維持管理というんですか、そういうのは直接支払制度で皆さんでやっていくとか、いろいろな取り組みをされている。連携というかそういうものはいろいろあります。

佐藤座長
制度自体は総合対策ということで、いろいろな制度を取り入れてそこでやるということなんですね。

澤井特別委員
それは問題がないわけですね。

佐藤座長
むしろそうしてほしいという。

澤井特別委員
そういうことですね、それはありがとうございます。

佐藤座長
はい、お願いします。

野中特別委員
今のところに関連をするんですけれども、これは直接支払制度の検証ということではあるんですけれども、先ほどの中山間地域の現状のところでもご質問しましたように、根本的には中山間地域というのは非常にシビアな状況にあって、それがどういう方向にいっているのかということだと思うんです。そうすると、直接支払いの効果というのはどうかということはあるにしても、今言われた他の施策等々も含めて、中山間地域の動向というのは、最近どういう方向にあるのか。ほかの施策も含めた施策の効果というのはどういうところに出つつあって、どういうところは出ていないのかという、そういう検証というか、中山間地域全体の動向というのについて、先ほどのセンサスとか何かより、もう少し踏み込んだ議論があって、中山間政策全体というのを頭に置きながら直接支払いというのを位置づけないといけないような気がするんですね。

ですから、そういう検証がこれはちょっとデータ的に非常に難しいのかもしれませんけれども、していただけないか。やはりこれは例えば卒業の規定というのもあるわけですよね。これはなかなか卒業できるところがあれば結構だと思いますが、非常に難しい問題だとは思いますけれども。しかし、国民の皆さんと議論をするときには、こういう施策をいつまでもやるのかと、例えば効果のところなんかでも、厳しく見ればお金がきているわけですから、それで何らかの耕作放棄の発生防止ができるというのは、ある意味では当たり前というか、ちょっと厳しすぎるかもしれませんけれども、お金がきている以上はそれに応じた何らかの成果は出るのは当然だと思うんですけれども。それが果たしてその地域の将来に向けて、少しでも一歩踏み出すような方向に行っているのか行っていないのか、すぐに卒業とはならないまでも、そこで何らかの地域活動が大いに活発になって、共同でやっていくような芽ができたとか、何かそういう検証がないと、お金がいっているからそれはそれだけでその耕作放棄の効果が出ていますということだけでは、多分国民の皆さんのシビアな議論をしたときに、ちょっと足りないような気もするんです。ですから、その辺もちょっとなかなかデータ的には難しいかもしれませんけれども、検討をするようにしていただいたらどうかという気がいたします。

それからつけ加えて、これはほかのところでも議論はされているんですけれども、今後の継続ということを念頭に置いての検証ということを考えました場合には、先ほど農林水産施策の動向でもご説明がありましたように、今後は担い手に施策を集中していくという方向性が出されているわけですね。ということは、中山間地域については一層厳しい政策環境が生ずるというふうに理解をしなくてはいけないと思うんです。今までの施策が変わらないということであれば、今までどおり継続ということもあるんでしょうけれども、より厳しい状況が、もし施策展開等でなってくるとすると、そのときにはどうなるかと、これはまた前者の施策の検討がまだ当分かかるようですので、タイミング的に合うのか合わないのか、ちょっとそういう点はございますが、いずれにしてもその施策が担い手集中ということで中山間にはより厳しい方向に動きそうな感じがするものですから、その検討視点というのも必要ではないかという気がいたします。

佐藤座長
どうもありがとうございました。
前半の視点は非常に重要で、中山間地域をめぐる大きな動向ががらっと動いている中で、この直接支払いだけがどれだけ持ちこたえられるかというか評価しても意味がないという場合も起こり得るので、そういう意味では相対的に見なければいけないというご指摘だと思うので、できるだけ、難しいと思いますが、中山間地域全体の動向がどうあって、その中でこの直接支払制度がどれだけ効果をもたらしているのかという見方はやはり必要だと思うので、ぜひそういう方向をお考えいただきたいと思います。

2番目はこれからの話で非常に難しいんですけれども、この委員会の枠を超えていると思いますけれども。
はい、お願いします。

村田委員
この中山間地域直接支払というのは、そのお金が自由に使えるわけですね。どう使ってもいいというところが非常におもしろい制度だと思うんです。というのは、そこから実際の生産者が主体的に、自主的にどう使ったか、何に使ったか、そこに農政のヒントが詰まっているような感じがするんです。

先ほどのご説明の中にありましたけれども、ざっとおおむね半分ぐらい共同的な作業に使う、半分は個別の農家の所得になるわけですね。何に使っているかをみると、生産性向上だとか、担い手の定着だとか、農用地の維持とか多面的機能とあるんですけれども、例えば多面的機能の増進ということとなると、それはそういう需要があるというか、農業者はそういうことが必要だと思っていることを示しています。 先ほど清水さんがお話しされたけれども、花いっぱいなんていうのは、花をいっぱいにして飯を食えるわけではないけれども、花をいっぱいにすることがその地域の誇りなり、あるいは多面的機能があるということを考えて、その地域の人はやっているんだと思うんです。行政が押しつけたものではなくて。そういうところを発展させていくと、例えば法面の下草刈りなんかもそうかもしれないけれども、多面的機能をもう一歩進めて、その環境支払いといいますか、生産性の向上に直接つながらないけれども、水路の草刈りだとか法面の草刈りだとかが必要だということになれば、次の政策のヒントになるということが1つです。

あともう一つ、ちょっと隠れているテーマですけれども重要なことは、ざっと半分は個人というか農家の所得になる個人配分のお金のことです。このお金がそれぞれの農家にどういう役割を果たしているのか。お小遣いなのか、ものすごく何かに役立っているのか、その辺の分析というのは今まで余り聞いたことがないんですけれども、それも検証として必要だと思うんです。ざっと半分は個別の農家の自由になるお金になっているわけですね。そのことの分析がうまくいけば、今、別のところで検討されている所得補償の必要性にいきつく。その農家の所得に一部そういう直接支払いをすることの意義というんですか、その金額が多いのか少ないのかということまで含めて、政策、農政のヒントになるかもしれない。

今回我々に与えられた課題というのは、この制度の評価に過ぎないんだけれども、いいか悪いかというだけではなくて、今後、先ほど言いましたように、環境支払いというのをやるかどうかだとか、中山間という条件不利地域というそういう縛りなしに、平地も含めた直接支払いをするのかしないのかという話も、これは我々がやることではないんだけれども、テーマになっていくわけです。その検討に際して、我々の中山間の評価データが役立てば、非常に意義深い作業になると思います。

佐藤座長
どうもありがとうございました。
非常にデータを丁寧に読めばいろいろとヒントがあると、先ほどの小田切委員のご発言とも共通している部分がありますが、これからの施策に対するヒントをここからどう引き出すかという。それは、この委員会の直接の目的ではありませんけれども、やはりせっかく貴重なデータがあるんだから、丁寧に読んだ方がいいだろうというふうにおっしゃったと。

どうもありがとうございました。
どうぞ。

守友委員
私も村田委員、小田切委員の意見に大賛成ですね。いろいろ施策をやるときにどう効果が出るかというときに、私は住民に近いところの発想というのはリスクが相対的に少ないのではないか。つまり、それなりに成功率が高いところを手堅く考えているのではないかと思うんです。そうすると、今、村田委員がおっしゃったように、いろいろ地域で工夫をしているとか、それなりの要望があるというふうに考えますと、まさに農政のヒントになるし、さっきの小田切委員の提言もそうだと思うんです。その辺は確かに座長がおっしゃるように、この委員会で全部やることではないんですけれども、かなりおもしろいのが出ていると思うんですね。これは中山間全体の施策、先ほど私も言いましたように、「のどの渇き」はこれだけでは確かにとまらないのであって、これでとまった人もいるけれども、とまらない人の方が圧倒的に多いわけです。そうすると、このいろいろなヒントを、のどの渇きのとまらない人には、何が要るかという別な施策への提起になっていくというので、やはり現場で苦労している、協定をつくっている人たちのアイデアというのを徹底して検証をしていくという中に、方向性が出ているのではないかと、補足的にそう思いました。


藤座長
どうもありがとうございました。 はい、お願いします。

服部委員
村田委員の提起されたやり方ですね、それに基本的に賛成なんです。それで、村田委員はその環境支払いとか、直接所得補償とか、ほかに全体として考えていかなくてはならない問題もあるからという観点を持って、直接支払いが農家の所得面に対してどういう意味を持っているのか検証する必要があるという点で話されたと思います。もちろん私は環境支払いとか、直接所得補償を考える視点、それに大賛成なんだけれども、それはちょっとさておいても、この検証の課題として、検証事項の中に所得面での検証というのが入っていないんです。私は明確にそれを入れた方がいいと思うのです。所得面でどういう意味を持っているのか、額は少ないけれども、直接支払いの何て言うか、農家の所得にとっての影響というか、その果たしている、額は少ないんですけれども、農家の人たちがどういうふうにこれを所得面でもってそれを認識しているのか。役に立っているのか、余り立っていないのか、私はその辺、はっきり検証した方がいいと思います。

本来この制度の目的というのは、あるいは根拠は、平地と条件不利地域との生産コストの差を補てんすることですよね。そこから単価も算定されている。ということは、当然農業所得の面での不利性を補うという観点があるわけだから、農業所得に対する直接支払いの持っている影響なり、役割というのが検証の中に入ってこなくてはいけないと思うんです。ただ、その半分ぐらいが集落協定、組織として使うんだというようなお達しになっていて、そこから合理的な形でもってこのお金を使わなくてはならないという方向になっている。私はそれはそれでいいと思うんだけれども。個人にいく分が言わば大体半分だと、あるいは場合によっては半分以下になっているということがあるから、その額は少ないと思うんだけれども、やはりそれが個人の所得面を補うという意味はあると思うのです。あって初めて協定に参加している人たちが活動を展開していこうということになるでしょうから、そこのところの検証を入れてほしいと思うのです。

佐藤座長
はい、わかりました。 個人的に言ってしまってはいけないんだけれども、私もそれはそうだと思うんだけれども、個人の所得を把握するのは非常に難しくて、それをどういうふうにするかということも含めて、小田切委員、何かあったらお願いします。

小田切委員
実は第一の議題だったのかもしれませんけれども、改めて検証は何かということを議論する必要があるのかなというふうに、今の服部委員、あるいは先ほどの野中特別委員のご発言を聞きながら思いました。それで、確かに米政策改革大綱以降、検証というものが一種のキーワードなんですが、ここではっきり検証というのは定義されているわけで、1つは今期の成果の評価だと思います。それからもう一つは、平成17年以降に向けた課題、この2つを合わせて検証というふうに呼んでいるんだろうというふうに私は勝手に理解しております。

そうだとするならば、まず成果の評価というのは一体何に対して成果の評価なのか。いただいた各種の項目の中で、それをはっきりと確定することが必要なんだろうと思います。その点で、恐らく立ち返るべきは、この制度の根拠をつくっております食料・農業・農村基本法第35条第2項だろうと思っておりまして、その中では、この対策の目的は、「適切な農業生産活動が継続的に行われるよう」というふうにはっきり示されていると思っておりまして、そういう意味では農業生産活動が継続されたのかどうか、つまりこの検証事項で言えば、1番、2番の耕作放棄地はどうなったのかということが評価の機軸であって、それに加えて適切なという部分に多面的機能、あるいは継続という部分に生産システムがどういうふうに変わりつつあるのかというのが付加されるべきだと思っております。

その点では、ある意味で成果の評価は1番、2番、プラスアルファであって、それ以外の部分は、むしろ平成17年度以降の課題を明らかにするもの、あるいはその政策の評価を説明する要因として見ていくのか、そういうふうに切りわけることができるのではないかと思っております。

佐藤座長
どうもありがとうございました。 その辺、事務局ではこの検証という枠組みですね、明確に今日は割にぱっと出てしまったのであれなんですが、今のご意見も踏まえて。

永杉地域振興課長
基本的には、今の小田切委員のご発言が私の行政的な認識ともほぼ一致しているというふうに思っております。

佐藤座長
そうですか、どうもありがとうございました。

小田切委員
それを受けて確認させていただきますと、[1]から幾つか並んでいるわけなんですが、ここにはやはりウエートづけがあって、主として成果を評価するのが[1]ないし[2]というふうに考えてよろしいんでしょうか。場合によっては、(エ)の一部がそれに加わる可能性もあるわけなんですが。少なくとも、重みが違うというその確認だけはここでさせていただきたいと思います。

佐藤座長
それは現在ではどうですか。

水間中山間地域振興室長
要するに耕作放棄地の防止であり、多面的機能の維持・増進を通じて農業生産活動が継続されるということがメインでありますから、それはやはりメインではないかと我々も考えており、それプラス、やはりこの制度というのは卒業なりなんなりしたら、できるだけ自立的にやっていただくことが理想的なわけですから、それに向けてやはりそれぞれ生産性向上に努めていただくということは重要であるということですから、あくまでも主の目的というのは耕作放棄地とか面的な管理がどうなのかということが中心になるべきではないかと。

佐藤座長
ウエートづけは考えられていますか。

水間中山間地域振興室長
やはり耕作放棄地の発生防止とか、農業生産活動の維持が図られているかというのを主に考えたいと思っております。

永杉地域振興課長
さらに言いますと、先ほど委員のご発言の中にもございましたように、さらに持続性というのを考えた場合には、対策によって耕作放棄の発生が防止されただけではなくて、やはり新しい営農展開などに向けて、また担い手が定着しているのかというような話もございましたけれども、そういったものも、それはこの現行対策の直接の目的ではないかもしれませんが、そういった方向も目指していこうというのが、中にビルトインされていると思いますので、そこら辺も先ほど小田切委員の話の中ではプラスアルファの部分に入るのかもしれませんが、ご意見をいただければありがたいと思っております。

佐藤座長
次回までに今日のご意見を踏まえながら、検証の枠組みをどうするのかというのを明確に出していただいて、その中で今日上がってきた項目がどこに入るのか整理していただいて、もう一度議論をして、時間的にそれは可能ですか。今日で枠組みを決めなければいけませんか。

水間中山間地域振興室長
その辺を踏まえてもう一回整理します。

佐藤座長
どうぞ。

服部委員
小田切委員の言われていることのなかに、私が言っていることが入っているのか、いないのかということなんです。私は入っていないような気がするんです。中山間地域に住んでいる人が、これによって、耕作放棄せずに農業を続けるわけでしょう。だから、生産コストの不利性を補うために、直接支払いをもって補うわけでしょう。補うというのは所得を補っているわけだから、やはり農民にどのぐらい補っているのか、意味があるのか。農民自身が、協定に入ってくる人たちがどれぐらいのものとして認識しているのか。やはりそれは検証・調査をする必要があるんではないでしょうか。しなかったら私は直接支払いの検証にならないと思います。

佐藤座長
結果として耕作放棄地が減ったとか。

服部委員
結果を検証するだけではなくて、持続性の根拠に所得の問題があるわけでしょう、直接支払いというお金を払っているわけだから。

佐藤座長
何かその辺ちょっと補足的に説明してください。

小田切委員
あるいは私の言い方がまずかったのかもしれません。要するに農業生産が継続されるかどうかが最終的に評価されるべきものだろうと思います。そして、そのメカニズムの分析ももちろん検証の対象だろうと思うんです。そのメカニズムの中には、服部先生は所得というふうにおっしゃいましたけれども、生産費の格差の補てん、それがどのようにスムーズに進んでいるのかということもメカニズム、あるいは要因分析の1つの中には入ってくると思います。しかし、その点だけで評価する、つまり十分補てんされたのかどうかということで評価されるべきものではないかと思います。

佐藤座長
農業者の代表として言ってください。

清水特別委員
皆さんの言っていること、よくわかるんですけれども、農村の美しい風景というのがただでできているのではないということ、皆さんよくわかっていると思うんですけれども。それが農業生産活動につながったとか、担い手にまでつながっていくかと、それほど大きなお金をいただいてなくて、きれいな自然を保つだけでも大変な労力を農家の人たちは使っているんです。ですから、検証の中で余り厳しく税金を無駄遣いしているのではないかとか思わないで、いろいろな面を考えて、多面的機能や環境を保ってくれてるなというところで見ていただきたいと思うんです。

それで、もしもそれほど厳しい、皆さんの言われていること当たり前と思うんですけれども、いろいろなことを期待するのであったら、農水省だけでなくて、国土交通省とか環境省とかの皆さんからも、いろいろな多面的機能のことを考えていただいた中での政策を作っていけたらもっと農業者は頑張れるよと思うんですが。今の直接支払い、本当に厳しい条件ですよね。畑なんていったら、本当にあんなところで何も生産性が上がらない、それを草にしないでまた土手を崩さないで保っていくだけでも、今、農家は大変なんですよ。そのことを現場の声として委員の皆さんに頭の中に入れておいてほしいなと思います。

佐藤座長
多分、皆さんそれは共通認識だと思うんです。ただ、小田切先生は、検証するに当たって枠組みをきちんとしておかなければいけない、余りこうどろどろした枠組みだと検証したようでしていないから、きちんと枠組みをしなさいというご提案だと思うんです。ですから、それを枠組みの中で何を見るのかというのは、まださらに検討して、次回にまたご整理いただいて出していただけるということで、それをまた検討するということにしたいと思います。

時間もだんだん詰まってきてしまって、はい、どうぞお願いします。

内藤委員
消費者の立場からちょっとお話させていただきます。こういう議論がされているというのはほとんど知りません。私たちも今外国の輸入農産物の問題などもありまして、いかに日本の農業を立ち生かせていくかという部分を含めまして、中山間地が置かれているその状況も知らないわけではありません。でも、ほとんどの人たちがどういう形で農業が営まれて、それに対して生産者の方がどれだけ努力をなさっているか、それからそれに対してどういう施策をなされているかということはほとんど知らないのです。村田委員がマスコミの方からいらっしゃいますが、そういう情報というのは、なかなかおもしろくない資料だと思われる面があり、なかなか載ってこないのです。私たち消費者は、そういう細かいことというとおかしいのですが、そういうことを知らせていただいて初めてわかるという状態ですので、機会を見ていろいろなところで情報を流していただいて。今、インターネットというお話もあるのですが、インターネットだけではなくて、マスコミに、要するに目を通して見るというそういう部分も含めて、ぜひ情報の提供をしていただければありがたいと思っております。

佐藤座長
どうもありがとうございました。貴重なご意見です。 ちなみに、農林水産省も一生懸命外に情報を流すため、インターネットでいろいろ載せておりますので、たまには見てください。

内藤委員
中山間地のこういった支払制度とか、置かれている立場というのはほとんどの人が知りませんので、そうすれば皆さん理解されると思いますので、先ほど消費者がそれについて理解をするかどうかという直接支払いについておっしゃった意見がありましたけれども、自分たちの食生活というのは、それは自分たちで守らなければならないという部分も重々知っておりますので、情報はいただかないと、そういう意識が浸透してまいりませんので、今後、そういったところでよろしくお願いたします。

佐藤座長
はい、わかりました。内藤委員のところも機関誌があったらぜひ載せてください。

内藤委員
うちの方でも機関誌をやっておりますので、はい。

佐藤座長
ほかに、もう時間はあと一、二分しかないんですが、特に次回、事務局でこれを検討を詰める上で必要なご意見がもしございましたら。よろしいでしょうか。

 (発言する者なし)

佐藤座長
それでは、どうもありがとうございました。
非常に今日は貴重なご意見をたくさんいただきました。非常に有意義な検討会になったのではないかと思いますが、ただもう一つ、最後に議題がもう一つございます。3番目です。これについて事務局お願いします。

水間中山間地域振興室長
本件につきましては、現行対策の検証作業とは全く別個の事項でありまして、今の現行対策上の事項といいますか、定形的な手続にのっとっております。千葉県から特認地域の設定が上がってきております。その前に資料3の18ページをちょっとごらんいただきたいと思います。特認地域のこの考え方でありますけれども、要するにその直接支払いの対象地というのは、地域振興立法8法といわれておりますけれども、8法を対象としておりますけれども、それに加えて[2]にありますように、特認地域ということでありまして、都道府県知事が指定した場合には、その自然的、経済的、社会的条件が不利だという地域であるということで指定した場合には、8法地域外であっても交付金の対象になると。この知事が指定する場合には、これに先立ちまして、国、いわゆる農村振興局長に付議することになっております。その際には、農村振興局長がこの中山間地域等総合対策検討会の意見を聞くということになっております。

それで、この下に、国が特認基準を県の方で設ける場合にガイドラインというのを設けておりまして、千葉県の場合は8法地域外ということでありますけれども、ガイドラインの基準としまして[1]から[3]のような基準、千葉県に該当するものとして、この[2]の農林統計上の中山間農業地域というのも、国のガイドラインとして示しております。それで、この資料3の13ページの方に戻っていただきますと、現在の特認地域の設定状況が示されております。先ほどご説明したものでありますけれども、その13ページの右にありますように、現在44の都道府県で特認基準を設定済みであります。けれども,その未設定でありました3府県のうち、千葉県につきましては、この平成16年度において特認地域の設定の意向を持っておりまして、このたびの協議となったものであります。

次に、千葉県の協議内容が資料4にありますけれども、この千葉県の協議している特認地域の基準の(1)でありますが、通常地域であります8法地域と隣接する旧市町村単位での農林統計上の中山間地域ということでありまして、2ページ目をお開きになりますと、具体的な位置関係が書いてあります。黒く塗りつぶされております、これが通常の基準地域でありますが、これに隣接している上の斜線部分、いわゆる農林統計上の中山間地域、ここも特認地域として対象としていきたいということであります。

以上のことから、千葉県の案件につきましては、先ほどご説明しました国のガイドラインにあります[2]でありますけれども、農林統計上の中山間地域、その範囲に含まれるものということであることから、事務局としては特段の問題がないかと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

佐藤座長
どうもありがとうございました。 現在の基準に基づいた千葉県からの特認基準の提案でございますが、いかがでしょうか。 よろしいでしょうか。

(「異議なし」という声あり)

佐藤座長
どうもありがとうございました。
それではご承認いただいたということで、ついでですが、こういうふうに後から認められたところは検証ということと絡めたらどういう扱いになるんですか。

水間中山間地域振興室長
多分、これから協定に実際に入っていくかどうかということになりますので、このタイミングですと、なかなかちょっと厳しいとは思いますけれども。なお、ここについても5年間の営農義務がかかるということです。

佐藤座長
どうもありがとうございました。本日用意した議題は以上で終わりですので、これで私の座長の役割を終わりにさせていただいて、後は事務局の方で何か連絡事項があったらお願いします。

永杉地域振興課長
大変貴重なご意見、ご審議を大変ありがとうございました。

次回の検討会についてでございますけれども、本日のご意見、ご議論、ご提案を踏まえまして、現行対策の実施状況等の検証についてというテーマでご審議をいただくことを考えているところでございます。また、次回の開催予定につきましては、一応4月下旬のころを目途に考えさせていただいておりますけれども、また、具体的な日程については調整をさせていただきたいと思っております。また、きょう議事録の公開についてもご承認をいただいておりますけれども、各委員のご発言の内容について確認するために改めて連絡をさせていただくことがあろうかと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。

以上でございます。

佐藤座長
議事録の件、よろしくお願いいたします。多分、テープ起こししたものが各委員のもとに送られますので、それに朱を入れてお返しいただくということになると思いますけれども、よろしくお願いします。

今日はこれで終わりにします。どうもありがとうございました。

-以上-

お問合せ先

農村振興局農村政策部中山間地域振興課
代表:03-3502-8111(内線5632)
ダイヤルイン:03-3501-8359