プレスリリース
国産麦類のかび毒の含有実態調査(令和4年度~令和6年度)の結果について
| 〇国産の小麦と大麦中のかび毒(デオキシニバレノール及びニバレノール)の濃度(平均値及び中央値)は、これまでの調査と同水準。 〇食品衛生法に基づくデオキシニバレノールの基準値を超えた小麦はなかった。 〇今後も含有実態調査を継続するとともに、かび毒による汚染の予防及び低減対策の普及を継続。 |
農林水産省は、国産の小麦及び大麦に含まれる10種類のかび毒の含有実態調査(令和4年度~令和6年度)の結果をとりまとめました。
それぞれのかび毒の濃度は、気象状況等の影響により年によって大きく異なる中で、デオキシニバレノールやニバレノールの濃度の中央値や平均値はこれまで(平成14年度~令和3年度)の調査と同程度の水準でした。また、食品衛生法に基づくデオキシニバレノールの基準値を超えた小麦はありませんでした。
今後も引き続き、含有実態調査を継続するとともに、「麦類のデオキシニバレノール、ニバレノール汚染の予防及び低減のための指針」に基づき、かび毒による汚染の予防及び低減対策の普及に継続して取り組みます。
1.調査の目的
農林水産省は、国産麦類の赤かび病の発生を防止し、かび毒による汚染を予防及び低減するため、「麦類のデオキシニバレノール、ニバレノール汚染の予防及び低減のための指針」(平成20年12月策定、令和5年3月改訂)を公表し、都道府県と協力して生産者への普及に努めています。併せて、国産の小麦及び大麦のかび毒の含有実態を把握するために、「食品の安全性に関する有害化学物質のサーベイランス・モニタリング中期計画」等に基づいて、国産の小麦及び大麦を汚染する可能性がある10種類のかび毒を調査してきました。赤かび病の発生やかび毒の産生は生産年ごとの気象状況等に大きく影響を受けることが知られていることから、平成14年度から毎年継続的に調査を行っています。
今般、令和4年度から令和6年度までに実施した調査結果をまとめました。
2.調査結果の概要
令和4年度から令和6年度までに生産された小麦玄麦(令和4年度及び令和5年度各120点、令和6年度119点)及び大麦玄麦(各年100点)に含まれるかび毒の濃度を調査しました。調査点数は都道府県の収穫量に応じて配分し、麦類の乾燥調製施設等において、乾燥調製済みの出荷段階の麦を調査試料として採取しました。
令和4年度及び令和6年度は、全国的に麦類赤かび病の発生面積が多く、特に令和6年度は、農林水産省が麦類のかび毒の含有実態調査を開始した平成14年度以降で最も発生面積が多い年でした。そのような中でも、食品衛生法に基づく小麦のデオキシニバレノール(DON)濃度の基準値(1.0 mg/kg)を超過した小麦の試料は認められず、小麦や大麦におけるDON、ニバレノール(NIV)濃度の中央値や平均値は、これまでの調査結果における中央値や平均値の変動の範囲内に収まっていました。これは、「麦類のデオキシニバレノール、ニバレノール汚染の予防及び低減のための指針」に基づく生産者の適切な取組によりかび毒の濃度が抑えられたためと考えられます。
なお、DON及びNIVの調査結果は次の表1から表4のとおりです。
表1 小麦中のDONの調査結果
| 調査年度 | 調査点数 | 定量下限(LOQ)※1 (mg/kg) |
<LOQの点数 | DON濃度(mg/kg) | |||
| 中央値※2 | 平均値(LB)※3 | 平均値(UB)※4 | 最大値 | ||||
| 令和4年度 | 120 | 0.006 | 2 | 0.037 | 0.076 | 0.076 | 0.84 |
| 令和5年度 | 120 | 0.006 | 7 | 0.033 | 0.064 | 0.064 | 0.47 |
| 令和6年度 | 119 | 0.006 | 12 | 0.038 | 0.078 | 0.079 | 0.98 |
※1 分析対象とする化学物質について、適切な精確さをもって定量することが可能な(具体的な濃度が決められる)最低の濃度
※2 複数のデータを、数値が小さいほうから順番に並べたときにちょうど中央にくる値。
※3 複数の試料の分析結果の算術平均のうち、定量下限未満の濃度をゼロとして算出したもの。
※4 複数の試料の分析結果の算術平均のうち、定量下限未満の濃度を定量下限値として算出したもの。
(参考)平成14年度から令和3年度までの中央値:0.005~0.048 mg/kg、平均値:0.014~0.19 mg/kg
表2 小麦中のNIVの調査結果
| 調査年度 | 調査点数 | LOQ (mg/kg) |
<LOQの点数 | NIV濃度(mg/kg) | |||
| 中央値 | 平均値(LB) | 平均値(UB) | 最大値 | ||||
| 令和4年度 | 120 | 0.006 | 34 | 0.016 | 0.045 | 0.047 | 0.33 |
| 令和5年度 | 120 | 0.006 | 37 | 0.015 | 0.031 | 0.033 | 0.41 |
| 令和6年度 | 119 | 0.006 | 27 | 0.023 | 0.058 | 0.059 | 0.58 |
(参考)平成14年度まら令和3年度までの中央値:0.005~0.024 mg/kg、平均値:0.0048~0.092 mg/kg
表3 大麦中のDONの調査結果
| 調査年度 | 調査点数 | LOQ (mg/kg) |
<LOQの点数 | DON濃度(mg/kg) | |||
| 中央値 | 平均値(LB) | 平均値(UB) | 最大値 | ||||
| 令和4年度 | 100 | 0.006 | 3 | 0.052 | 0.089 | 0.089 | 1.3 |
| 令和5年度 | 100 | 0.006 | 14 | 0.027 | 0.046 | 0.047 | 0.29 |
| 令和6年度 | 100 | 0.006 | 8 | 0.044 | 0.134 | 0.134 | 2.4 |
(参考)平成14年度から令和3年度までの中央値:0.004~0.37 mg/kg、平均値:0.011~0.55 mg/kg
表4 大麦中のNIVの調査結果
| 調査年度 | 調査点数 | LOQ (mg/kg) |
<LOQの点数 | NIV濃度(mg/kg) | |||
| 中央値 | 平均値(LB) | 平均値(UB) | 最大値 | ||||
| 令和4年度 | 100 | 0.006 | 0 | 0.053 | 0.121 | 0.121 | 0.74 |
| 令和5年度 | 100 | 0.006 | 8 | 0.031 | 0.058 | 0.059 | 0.44 |
| 令和6年度 | 100 | 0.006 | 2 | 0.083 | 0.183 | 0.183 | 5.1 |
(参考)平成14年度から令和3年度までの中央値:0.005~0.26 mg/kg、平均値:0.013~0.58 mg/kg
3.今後の対応
国産の小麦及び大麦中のDON、NIV等のかび毒の含有濃度は年により大きく異なるため、農林水産省は、含有実態調査を継続するとともに、汚染の予防及び低減のための研究等を推進します。併せて、「麦類のデオキシニバレノール、ニバレノール汚染の予防及び低減のための指針」に基づき、かび毒による汚染の予防及び低減対策の普及とその確実な実施に継続して取り組みます。
関連情報
穀類のかび毒含有実態調査の結果(平成14年度から令和3年度まで)
「麦類のデオキシニバレノール、ニバレノール汚染の予防及び低減のための指針」
添付資料
(別紙)国産麦類のかび毒の含有実態調査の結果について(令和4年度~令和6年度)(PDF : 648KB)
お問合せ先
消費・安全局農産安全管理課
担当者:生産安全班
代表:03-3502-8111(内線4507)
ダイヤルイン:03-3592-0306




