プレスリリース
「国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)」の結果(農林水産省関係)について
| 〇我が国農林水産分野の気候変動対策の取組を世界にアピール。 |
2025年11月10日(月曜日)から11月22日(土曜日)まで、ブラジル(ベレン)において開催された「国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)」及び関連会合の結果(農林水産省関係)をお知らせします。
1.概要
この度、「国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)」及び関連会合において、気候変動緩和や気候資金等の分野を横断し、締約国間で特に関心の高い事項を取り上げた「グローバル・ムチラオ決定」等が採択されました。農林水産省としては、農業・森林関連の交渉に適確に対応するとともに、11月19日(水曜日)の「食料・農業デー」に開催された農業閣僚級会合に参加し、我が国の貢献等を発信しつつ、開催国ブラジル等が主導するイニシアチブに賛同しました。また、会期を通じて「ジャパン・パビリオン」における農林水産省主催サイドイベント等を通じ、「ミドリ・インフィニティ」(※1)や森林吸収源対策の取組の発信等を積極的に行いました。なお、次回COP31 はトルコで開催されること、次々回COP32はエチオピアで開催されることがそれぞれ決定されました。
(※1)海外展開可能な温室効果ガス排出削減技術や民間事業者が活用可能な支援策等を取りまとめた政策パッケージ。食品・農機メーカー、スタートアップ、金融機関等100社超の官民連携のコンソーシアムにより、海外展開を推進。
2.農林水産省関連議題
(1)農業・食料安全保障に関するシャルムエルシェイク共同作業
「農業と食料安全保障に関する気候変動対策ワークショップ」等の成果に関する文書案について、実質的な合意に至らず、2026年6月開催の補助機関会合において継続協議することが決定されました。
(2)緩和作業計画
2026年以降の緩和議題の継続が決定されたほか、2025年に開催された「グローバル対話(※2)」の成果として、森林の炭素貯蔵庫・吸収源として果たす重要な役割に加え、気候変動対策と生物多様性との相乗効果、持続可能な森林経営の重要性等が記載されました。
(3)適応に関する世界全体の目標
適応分野の進捗を測定するための指標リストは採択されたものの、完全な合意には至らず、継続検討することが決定されました。
(4)パリ協定第6条2項(協力的アプローチ)
COP29でパリ協定第6条の完全運用化が実現したことを踏まえ、パリ協定第6条2項ガイダンスの実施に関して、各国による6条報告の提出やそれらの技術審査手続きの進展を確認するとともに、技術専門家審査の経験共有のために非公式対話の開催が決定しました。
(5)グローバル・ムチラオ決定
「グローバル・ムチラオ決定」において、2030年までに森林減少及び森林劣化の停止と好転させる取組の強化を含む自然及び生態系の保全、保護、回復の重要性等が強調されました。
(※2)グローバル対話:緩和に関する各国の知見や課題を共有する対話が年2回開催されている。2025年5月に「森林」をテーマに開催され、林野庁からも知見を共有。
3.各国が主導する農林水産分野の主なイニシアチブ
会期に先立つ11月6日(木曜日)には、ベレン気候サミット(首脳級会合)が開催され、「気候と自然:森林と海洋」セッションでは、統合的火災管理を通じた山火事リスクの軽減とレジリエンス強化のための包括的な国際協力の方向性を示す政治文書である「統合的火災管理及び山火事レジリエンスに関する行動要請」を我が国は承認しました。
11月10日(月曜日)には、森林・気候のリーダーズ・パートナーシップ(FCLP)(※3)を通じて作成された「責任ある木造建築の原則(Principles for Responsible Timber Construction)」を我が国は承認しました。
11月19日(水曜日)には、議長国ブラジル主導の新たな国際イニシアチブである「RAIZ」の立ち上げ農業閣僚級会合が開催されました。我が国からは、窪田国際食料情報特別分析官が出席し、本年3月に日伯間で署名されたブラジル劣化牧野回復に係る意向表明書に基づく我が国の「ブラジル劣化牧野回復モデル実証調査」等の取組を紹介の上、賛同を表明しました。また、同日には、FASTパートナーシップ(※4)・CCAC(※5)閣僚級会合が開催され、冒頭、英国の環境・食糧・農村地域省政務次官から、英国及びブラジルが主導する肥料イニシアチブである「肥料に関するベレン宣言」についての説明があり、各国に賛同を求めました。我が国からは、窪田国際食料情報特別分析官が出席し、みどりの食料システム戦略に基づく化学肥料使用量低減に向けた我が国の取組等を紹介の上、賛同を表明しました。
(※3)FCLP(Forest & Climate Leaders’ Partnership:森林・気候のリーダーズ・パートナーシップ): COP26で発表された「森林・土地利用に関するグラスゴー・リーダーズ宣言」等のフォローアップとしてCOP27で立ち上がった国際的イニシアチブ。
(※4)FAST(Food and Agriculture Sustainable Transformation)パートナーシップ:COP27で立ち上げられた国際イニシアチブ。食料・農業システムの持続可能な変革を促進し、気候変動対策と食料安全保障を両立することを目的とする。
(※5)CCAC(Climate Clean Air Coalition:気候と大気浄化の国際パートナーシップ):メタン等の削減を目的として立ち上げ。70以上の国・国際機関が参加。
4.農林水産省関連の発信
今回のCOP30においては、農業・森林にこれまで以上に焦点が当たり、農林水産省としては、ジャパン・パビリオンのみならず、農業・森林関係の発信に特化したスペースであるアグリゾーンやフォレスト・パビリオンなども活用して、我が国の取組を積極的に発信しました。
具体的には、ミドリ・インフィニティ関係では、農林水産省から、ミドリ・インフィニティの枠組みやこれに基づく我が国の取組を紹介した後、その趣旨に賛同する民間企業有志連合から、農業分野、畜産分野、MRV分野、それぞれの温室効果ガス排出削減に資する取組事例について発信するとともに、アグリ・フードシステム及び持続可能な開発に関する声明を発表しました。また、農林水産省からは、金融機関との連携、気候変動適応等の取組を発信しました。
GREEN×EXPO 2027関係では、みどりの食料システム戦略や生物多様性保全に関する施策(みえるらべる、自然共生サイト)及びGREEN×EXPO 2027に向けた農林水産省の取組を紹介するとともに、IPCC副議長、農業者、民間企業を交えて、GREEN×EXPO 2027の機会の活用について議論しました。
森林関係では、フォレスト・パビリオンのグランドオープニングにおいて、林野庁谷村次長が、マリナ・シルバ伯国環境気候変動大臣等に続き登壇し、林野庁の政策等を発信しました。また、複数のサイドイベントにおいても、持続可能な森林経営と木材利用を通じた森林吸収源対策、都市等における「第2の森林づくり」、J-クレジット制度や木材製品の炭素貯蔵効果等に関する林野庁の政策や取組を発信しました。
AWD-JCM関係では、稲作分野におけるAWDを活用したJCMの取組について、フィリピンにおける世界初となるクレジット創出を目指す最新状況を紹介するとともに、技術支援や他国への横展開に向けた意見交換を行いました。
劣化牧野回復プロジェクト関係では、ブラジル劣化牧野における我が国企業の農業資材を活用した主要作物の栽培実証結果を発表しました。
国際研究協力関係では、国際農林水産業研究センター(JIRCAS)及びその共同研究国(インドネシア、インド及びバングラデシュ)の研究者から、農林業分野の適応・緩和策等に関する最新の国際研究協力の成果について発信しました。
添付資料
農林水産省関連の議論及び関連イベント(PDF : 2,114KB)
日本政府代表団プレスリリース(外部リンク)(PDF:374KB)
国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)において民間企業有志32社が今後の課題解決に向けた声明を発表しました
お問合せ先
(農業分野について)
大臣官房みどりの食料システム戦略グループ
担当者:気候変動国際交渉班
代表:03-3502-8111(内線3290)
ダイヤルイン:03-3502-5303
(森林分野について)
林野庁森林整備部森林利用課
担当者:森林吸収源企画班
代表:03-3502-8111(内線6213)
ダイヤルイン:03-3502-8240




