鈴木農林水産大臣記者会見概要
| 日時 | 令和7年12月12日(金曜日)8時32分~8時48分 於:参議院議員食堂 |
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| 主な質疑事項 |
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冒頭発言
大臣
冒頭、私から1点ご報告があります。
明日13日、スマート農業技術の開発に取り組む事業者との意見交換、そして松くい虫被害に係る現地視察などのため、山形県下に出張いたします。詳細はこの後プレスリリースいたします。私からは以上です。
質疑応答
記者
昨日、JA全農がお米券について、来月中旬にも発送予定と公表しました。この受け止めと、ここ数日、お米券を配らないとの自治体の表明が相次いでいることについても受け止めをお聞かせください。
大臣
昨日、JA全農(全国農業協同組合連合会)が「おこめギフト券の臨時発行に係る取扱い」について、ということでプレスリリースをしたことは、承知をしております。また、昨日は、全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)からも、重点支援地方交付金を活用した場合のお米券の販売価格について、一律「一枚477円」にするとのご報告をいただいたところであります。全農・全米販ともに、できる限り経費を抑制し、国民の皆様に活用いただきやすいように工夫いただいているというふうに、私としては受け止めさせていただいております。農林水産省としては、関係する方々のこうした尽力も得ながら、補正予算が成立した場合には、地方自治体において重点支援地方交付金を活用し、国民の皆様に速やかに必要な食料品対策が行き届くことを期待をしております。
そしてもう1点、様々なご批判も含めた声があるというふうなことは、よく承知をしているところであります。まず私から申し上げたいのは、今般の重点支援地方交付金は、食料品全般の物価高騰に対する支援策として、自治体の判断に基づき、地域の実情に応じて選択いただけることとなっております。お米券について言うと、お米しか買えない訳ではなくて、利用店が認めた商品の購入も可能であるため、今回の特に食料品についての物価高騰対策には、うまく適合するものというふうに考えております。また、スピード感の話もよくいただくところであるのですが、難しい課題ではありますが、これまでにご相談をいただいた自治体の中には、住民の皆様に年内にお米券を発送する自治体も出てきているところであります。仮に今国会中に補正予算、成立いたしますれば、12月下旬以降に、自治体に順次このお米券、発送できるように印刷を含め関係者間で最大限努力をいただいているところであります。また、コストについてもいろんなお話があるところでありますが、先ほど申し上げたとおり、全農が必要経費のみを加味するだけとしたほか、全米販も経費を抑制し、販売価格を一律477円に設定をするというふうにお伺いをしております。ご意見・ご批判は様々あると思いますが、消費者の皆さんにとって日々の食料品を毎日のように購入いただく際に、負担軽減を実感できるよう、そのベストな選択肢は何なのかということについて、自治体の皆さんのご相談にもよく応じて、しっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。
記者
前回の会見で、時間切れにより回答いただけなかった質問について再度させていただきます。高市首相が先日の国会で「食料・農業・農村基本計画に即して、多様な米の増産を進めてまいります」と発言し、その多様な米という言葉の中には、国内主食用も含まれていました。ただ、基本計画の数値目標にある国内消費仕向量は、2023年の824万トンから2030年は777万トンに減っています。高市首相の発言は、国内主食用の増産も進めていくという趣旨だったと思いますので、基本計画を修正する発言だったのか、鈴木大臣の見解を改めて伺います。
大臣
前回すいません。時間が足りなくてお答えできなかったので、改めてお話をさせていただきます。まず基本計画では、米について国内消費仕向量が2023年824万トンから2030年777万トンへ減少する。この一方で、生産量は国内外の需要拡大を図ることにより、主食用のほか、輸出用、加工用、米粉用などを含め、2023年791万トンから2030年818万トンまで増やすという目標設定をしているところです。確かに、今ご指摘のとおりのところもあるのですけれども、主食用米に特に着目をした場合は、国内需要の減少が、今後も人口減少と高齢化というのがありますから続くと見込まれる一方で、食の簡便化志向、そして健康意識の変化やインバウンド需要を含む中食・外食ニーズの対応等を通じて、需要開拓を図ることとしておりまして、需要自体を我々としては拡大しようというふうに思っております。直近の実績でも、主食用米の需要は令和4年産と比較をして、令和5年、令和6年産は増加傾向にあるのが実績だというふうに考えております。そういう中で、総理のご発言は、国内外で需要を創出し、その拡大を図りながらということであります。まずそれが前提です。その上で国内主食用、そして輸出用、米粉用など多様な米の増産を、この需要の拡大、これを前提として進めるというふうに述べられておりますから、基本的には基本計画の考え方と整合するものであるというふうに考えております。
記者
鶏卵価格が高騰が続いておりまして、2003年のエッグショックと呼ばれた時期と同水準に近づいております。年末に向けて需要が高まっている時期なのですけれども、また年明け以降も高止まりすると見ている鶏卵業者も、我々の取材では多いという結果がありました。政府としてこの状況をどう見ているのか、まず伺わせてください。
大臣
12月11日時点で、鶏卵の卸売価格が1キログラム当たり345円となっており、例年よりも高水準であるというふうに認識をしています。この背景として、昨年の鳥インフルエンザの影響からの回復段階で年末の高需要期を迎えたことが、卵価の高騰の要因と考えております。今後の見通しについて申し上げれば、この鳥インフルエンザの発生がなく、このまま回復が進むと、需給というのが落ち着いていくというふうに考えております。
記者
これに関連しまして、卵価の高騰の原因はさっきおっしゃったように、昨年秋から年初にかけて鳥インフルエンザの影響、多かろうかと思います。今回もこの秋以降発生しているのですけれども、来年以降も発生しないという保証がない中で、鳥インフルエンザに対してどういった対策を講じていくのでしょうか。
大臣
鳥インフルエンザについては、昨シーズンは14道県51事例が発生をいたしまして、約932万羽、これを殺処分したところであります。今シーズンは既に北海道、新潟県などにおいて、6事例が発生をしておりまして、既に173万羽の殺処分を行っているところであります。農林水産省といたしましては、昨シーズンの発生状況も踏まえまして、鶏卵の価格などの高騰など、国民生活への影響を減らすために、飼養衛生管理の強化等を内容とする対策パッケージを取りまとめておりまして、生産者や都道府県などと一体となってその取り組みを進めているところであります。今後、より一層発生リスクが高まる、そういうシーズンを迎える中でありますので、まずはこの早期通報の徹底、そして各農場における飼養衛生管理の対策の再点検が、何よりも重要であると考えており、緊張感を持って対応してまいりたいと思います。
記者
本日、今年の米の収穫量でほぼ固まった数字のものが発表されるかと思いますが、前回の発表からほぼ変動がないとすれば、来年6月末の民間在庫量が230万トン、最大で迫る勢いになっていまして、改めて大臣として今の米の需給状況をどうみていらっしゃるかということと、あと今、来年産の作付け準備も進む中で、需給緩和の局面を迎えたという見方も強いですが、生産現場にはどのようなメッセージを発信されていかれたいか、お願いします。
大臣
令和7年産の水稲の収穫量、これについては本日16時に公表を予定しておりますので、現時点で今日まだ朝ですので、水準についての回答は差し控えさせていただきたいと思います。10月にすでに公表しております主食用米の需給見通し、これにおいても令和7年産の米の生産量748万トンでありまして、令和8年6月末の民間在庫量が215から229万トンと、いずれにしても直近10年程度では最も高い在庫に匹敵する水準というふうに見通しております。現在の需給状況については、需要を上回る十分な供給が確保されている状況というふうに私としても考えております。さらに、生産者の皆さんに対しては、やはり何度も申し上げておりますが、安心して経営に取り組めるように、先の見通せる農政を実現させることが、私としては重要だというふうに考えております。このため、農林水産省として需給動向に関するきめ細やかな情報提供、これを行うほか、本省や地方農政局の職員が現場に出向いて産地との意見交換を行うなど、「需要に応じた生産」に向けた環境整備を進めていきたいというふうに思っております。各産地や米生産者の皆さんが、令和8年産米についてどのような作付けを行うか、様々な情報を考慮して経営判断をしていただきたいというふうに考えておりまして、その結果として「需要に応じた生産」が着実に進められるよう、引き続き取り組んでまいりたいと思います。
記者
今、適正生産量で711万トン、示されていると思うのですけれども、このまま数字どおり生産されると、また次の民間在庫量も適正水準を超過する見込みとなっていますが、今の時点ではこのまま711万トンを生産して欲しいという考えにお変わりはないでしょうか。
大臣
10月に公表した8年産に関する需給見通しでは、令和8年から9年の需要量見通しを694万トンから711万トンとした上で、8年産の生産量の見通しを711万トンと設定をしたところであります。これは需要量、最大711万トンと見通すのに対して、生産量の見通しは余裕を持って設定をするとの考え方の下で、その上位の値に設定したものであります。生産現場においては、この民間在庫量を含む需給見通しなどを考慮しながら、8年産米の生産に向けて、需要に応じた生産の取組が進められていくというふうに考えておりまして、7年産米の集荷や販売状況なども含めて米の需給の動向については、引き続き注視をしていきたいと思います。
記者
先日起きました青森県沖地震に関して、農林水産関係の被害等を教えてください。
大臣
青森県東方沖を震源とする地震により、被害に遭われた全ての方々に、心よりお見舞いをまず申し上げたいと思います。その上で農林水産省においては、12月9日に「農林水産省緊急自然災害対策本部」、これを立ち上げをしまして、私の方から関係省庁や地方自治体と緊密に連携し、被害状況の把握と災害応急対応の取組を指示を行いました。また、12月9日から、東北農政局がMAFF-SAT(農林水産省・サポート・アドバイス・チーム)を青森県と岩手県の現地に、昨日までに延べ22人派遣をしておりまして、被害状況の把握に努めております。まず農林水産関係の被害といたしましては、昨日の16時時点ということになりますが、青森県の4つの漁港でひび割れ等が確認されているほか、同じく青森県の3つの卸売市場で施設の一部が損壊したとの報告を受けていますが、施設の機能自体には支障がないというふうに聞いております。引き続き、現地との連携を密にして被害状況の更なる把握に努め、適切に対応してまいりたいと思います。
記者
今日、清水寺で今年の漢字が発表されるにあたって、大臣の今年の漢字を教えて欲しいのですけれども。
大臣
今年の漢字ね。皆さんが何を期待されているかというと「券」(けん)とか期待されているのかなと今思いながら考えているのですけれども、私が強いて今年の漢字一文字を言うならば、ちょっと悩むのですけれども「苗」(なえ)ですかね。くさかんむりに「田」と書く「なえ」です。
記者
理由を教えていただいてもよろしいですか。
大臣
いろんな理由があって今、総合的に判断して「苗」と言ったのですけれども、やはり、まず今年はやはりお米のこと、相当話題になったと思っていますし、今もまさにお米券も含めて話題になっていると思いますから。ただ、お米は苗の状態から育たないと収穫に至りませんので、そういう様々な生産者の努力があって収穫に至るので、やはり苗というのが、強い苗を作るとかというのが、まず大事だということです。また、もう一つは、先週の金曜日に私を本部長とする「日本の農林水産行政の戦略本部」の立ち上げをさせていただきました。攻めの分野と守りの分野に分けて、これから先の見通せる農業政策、食の分野をどう稼ぎの柱に変えていくかということを議論させていただきますが、その政策分野についても、今の時点では苗の状態だと思いますので、しっかりこれが収穫まで至るように育てていきたいなと思っております。もちろんそれ以上に、総理のお名前もあると思います。
報道官
よろしいでしょうか。それでは大臣会見を終了いたします。
以上




