MAFF TOPICS(1) NEWS 被災地の取り組みは「復旧・復興」から「復興・創生」へ
| MAFFとは農林水産省の英語表記「Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries」の略称です。 「MAFF TOPICS」では、農林水産省からの最新ニュースなどを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けいたします。 |
将来につながる事業や活動に期待
平成23年3月の東日本大震災の発生後、政府は平成27年度までの5年間を「集中復興期間」として、被災地域の復旧・復興に取り組んできました。
大震災発生から5年が経過した平成28年3月、平成28年度からの5年間を「復興・創生期間」と位置づけ、被災地の自立につながり、地方創生のモデルとなるような復興を目指しています。
こうした中、東北3県の被災地域では、自治体、法人、民間などが中心となって、将来につながるさまざまな活動が行われています。これらの多岐にわたる取り組みをご紹介します。
平成23年3月の東日本大震災の発生後、政府は平成27年度までの5年間を「集中復興期間」として、被災地域の復旧・復興に取り組んできました。
大震災発生から5年が経過した平成28年3月、平成28年度からの5年間を「復興・創生期間」と位置づけ、被災地の自立につながり、地方創生のモデルとなるような復興を目指しています。
こうした中、東北3県の被災地域では、自治体、法人、民間などが中心となって、将来につながるさまざまな活動が行われています。これらの多岐にわたる取り組みをご紹介します。

(1)岩手県洋野町(ひろのちょう) [洋野町]
(2)岩手県宮古市 [八幡ファーム ]
(3)宮城県仙台市 [一般社団法人 ReRoots]
(4)宮城県仙台市 [農事組合法人 仙台イーストカントリー]
(5)宮城県名取市 [公益財団法人 オイスカ]
(6)福島県伊達市 [JAふくしま未来]
(7)福島県福島市 [公益社団法人 福島県森林・林業・緑化協会]
![]() 洋野町で水揚げされ、低温管理された活ダコ。 |
高度衛生品質管理地域づくり 被災した洋野町は、食の安全・安心をベースにした消費者から選ばれる産地を目指し、平成28年に県内で初めて「岩手県高度衛生品質管理地域」に認定され、漁獲から流通までの一貫した「コールドチェーン」を構築。夏場の高温に弱いタコを、生きたままより遠方に出荷をすることが可能となり、販路が拡大した。 |
(2)岩手県宮古市 [八幡ファーム ]
![]() 組合長自ら作ったそばは地元でもおいしいと評判。 |
![]() 八幡ファームの組合員と地域住民による、そばの種まき。 |
復旧農地で作ったそばで地域住民が交流
津波により大きな被害を受けた宮古市田老(たろう)地区で営農組合を設立。農地の復旧工事完了後、そばを栽培。最初は子実で販売したが、おいしいそばを地元の人に食べてもらいたいと考え、そば粉に加工して販売。平成27年10月には組合長自らそば屋を始める。地区には食堂がまだ少ないため、住民の交流の場にもなっている。
津波により大きな被害を受けた宮古市田老(たろう)地区で営農組合を設立。農地の復旧工事完了後、そばを栽培。最初は子実で販売したが、おいしいそばを地元の人に食べてもらいたいと考え、そば粉に加工して販売。平成27年10月には組合長自らそば屋を始める。地区には食堂がまだ少ないため、住民の交流の場にもなっている。
(3)宮城県仙台市 [一般社団法人 ReRoots]
![]() 復興公営住宅での野菜の移動販売「くるまぁと」。 |
被災農家と協力して地域おこしを展開 「復旧から復興へ、そして地域おこしへ」をコンセプトに、農業と農村コミュニティの再生や若者の新規就農に取り組んできた。また、被災農家と協力して、市民農園の開設、農業体験・食育ツアー、地元の採れたて野菜を届ける移動販売を開始して地域活性化に貢献。(「ディスカバー農山漁村の宝」第2回選定地区) |
(4)宮城県仙台市 [農事組合法人 仙台イーストカントリー]
![]() 「おにぎり茶屋ちかちゃん」のランチメニュー「おにぎりプレート」。 |
積極的な6次産業化で農家レストランをオープン 水稲・大豆の作付面積は震災前の3倍以上に拡大。水稲の作付けにはラジコンヘリコプターを活用。また、6次産業化にも積極的に取り組み、平成25年には農家レストラン「おにぎり茶屋ちかちゃん」をオープン。現在、みそ、米粉、おにぎり等の製造販売、精米の飲食店への販売を行っている。 |
(5)宮城県名取市 [公益財団法人 オイスカ]
![]() 植栽地の防風垣に寄付者名が記載されている。 |
![]() 農家の技術を活かして健全な苗が育っている。 |
農家とともに50万本のクロマツ苗を生産・植栽
宮城県南部沿岸域は、伊達政宗の時代に農地開墾とともに海岸林を造成。400年にわたって代々守り続け、震災前は一大農産地だった。平成24年から主に民間の寄付でクロマツの種をまき、苗木を生産、植栽。海岸林のそばでは野菜が作られている。
宮城県南部沿岸域は、伊達政宗の時代に農地開墾とともに海岸林を造成。400年にわたって代々守り続け、震災前は一大農産地だった。平成24年から主に民間の寄付でクロマツの種をまき、苗木を生産、植栽。海岸林のそばでは野菜が作られている。
(6)福島県伊達市 [JAふくしま未来]
![]() ブランド化され、地域の創生のシンボルとなったあんぽ柿。 |
![]() ムラができないよう、移動しながら乾燥させる自然循環乾燥設備。 |
あんぽ柿が復興・創生のシンボルに
震災により自粛していた「あんぽ柿」の加工を平成25年から再開し、すべて放射性物質非破壊検査を行い、安全なものを出荷してきた。平成28年には原料加工、自然循環乾燥、パッケージ施設などを備えたあんぽ柿加工選別包装施設「あんぽ工房みらい」を整備した。これにより品質向上、規格の統一が図られ、震災からの復興、地域の創生のシンボルとなった。
震災により自粛していた「あんぽ柿」の加工を平成25年から再開し、すべて放射性物質非破壊検査を行い、安全なものを出荷してきた。平成28年には原料加工、自然循環乾燥、パッケージ施設などを備えたあんぽ柿加工選別包装施設「あんぽ工房みらい」を整備した。これにより品質向上、規格の統一が図られ、震災からの復興、地域の創生のシンボルとなった。
(7)福島県福島市 [公益社団法人 福島県森林・林業・緑化協会]
![]() いわき市「釜の台国有林」でクロマツのコンテナ苗500本を植樹。 |
地元住民やNPOが協力して海岸防災林を再生 福島県の海岸防災林は、江戸時代から先人たちが植栽し、代々守ってきた人工林。その再生のために、地元住民やNPO、企業などが協力して、植樹祭、高校生・一般人を対象としたセミナー、森づくり活動の研修会、復興会議など、幅広く活動している。 |
取材・文/細川潤子














