国内産農産物における農薬の使用状況及び残留状況調査の結果について(平成27年度及び28年度)
農林水産省は、農薬の適正使用を確認するため、平成27、28年度の国内産農産物における農薬の使用状況及び残留状況について調査しました。
その結果、調査した全ての農家で適正に農薬が使用されていたことがわかりました。
また、分析した農作物706検体(平成27年度240検体、平成28年度466検体)のうち、平成27年度に2検体が、食品衛生法に基づく残留基準値を超える農薬を含んでいましたが、平成28年度は残留基準値を超える農薬を含んだ検体はありませんでした。なお、当該農作物を継続的に通常量摂食したとしても、健康に影響を及ぼすおそれはありません。
調査目的と結果
農薬の適正使用を推進し、安全な農産物の生産に資すること等を目的として、農家における農薬の使用状況及び生産段階における農産物での農薬の残留状況について調査を実施しました。
1.農薬の使用状況について
706戸(平成27年度240戸、平成28年度466戸)の農家に対し、記入簿への記入又は聞き取りを行うことで農薬の使用状況を調査しました。
その結果、今回調査した全ての農家で農薬が適正に使用されていることが確認されました。この結果から、農家の生産現場における農薬の適正使用についての意識は高いと考えられました。
| 年度 | 調査 農家数 |
農薬の 総使用 回数 |
不適正使用のあった農家数 | 不適正使用の内容別の農家数 | |||
| 誤った作物に使用 | 誤った使用量 又は希釈倍数で使用 |
誤った時期に使用 | 誤った回数で使用 | ||||
| 27年度 | 240 | 1,401 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 28年度 | 466 | 5,560 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2.農薬の残留状況について
706検体(平成27年度240検体、平成28年度466検体)の農産物について各々平均5種の農薬を分析し、延べ3,763種類(平成27年度991、平成28年度2,772)の農薬と作物の組合せについて残留状況を調査しました。
その結果、平成27年度に2検体が、食品衛生法(昭和22年法律第233号)に基づく残留基準値を超える農薬を含んでいましたが、平成28年度は残留基準値を超える農薬を含んだ検体はありませんでした。平成27年度の2検体については、にらで基準値(0.1 ppm)を超える濃度のプロチオホス((ア)0.2 mg/kg(= ppm)及び(イ)0.3 mg/kg)が検出されました。
当該検体を栽培した農家を調査したところ、両農家とも、にらの株元に灌注したプロチオホス乳剤が、処理時の飛散等によりにらの新葉に付着したことが原因である可能性が高いと考えられました。
なお、当該農作物を継続的に通常量摂食したとしても健康に影響を及ぼすおそれはありません。
| 年度 | 分析試料 検体数 (のべ検体数※) |
残留農薬基準値を超えた検体 | ||||
| 検体数 | 作物名 | 農薬名 | 残留農薬基準値 (mg/kg) |
検出値 (mg/kg) |
||
| 27年度 | 991 | 2 | にら | プロチオホス | 0.1 | 0.2 |
| にら | プロチオホス | 0.1 | 0.3 | |||
| 28年度 | 2,772 | 0 | - | - | - | - |
※のべ検体数:1試料検体について2種類の農薬を分析した場合2検体として試算
調査結果を受けた対応
1.残留基準値を超過した事案については、事案の発生した産地において、自治体及びJAから農 家に対して再発防止策として、にらの収穫後できるだけ速やかに株元灌注し、茎葉にかからないようにすることを指導しました。また、農薬製造者を指導し、農薬ラベルに使用上の注意事項として同内容を追記しています。
2.農薬の適正使用を推進するため、平成29年度も同様の調査を実施しています。
<添付資料>
(別添)国内産農産物における農薬の使用状況及び残留状況調査の結果の概要(平成27、28年度)(PDF : 158KB)
(別表1)使用状況調査の結果(平成27、28年度)(PDF : 56KB)
(別表2)分析の対象とした農薬及びその定量限界(平成27、28年度)(PDF : 104KB)
(別表3)定量限界以上の濃度が検出された検体に関する残留状況調査の結果(平成27、28年度)(PDF : 86KB)
(別表4)農産物別の残留状況調査の結果(平成27、28年度)(PDF : 106KB)




