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農林水産省

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更新日:平成28年4月4日

担当:農村振興局

第4回(平成28年3月25日)議事概要

 1 開催日時

平成28年3月25日(金曜日)10時00分~11時30分

2 開催場所

農林水産省共用第3会議室

3 出席者

【委員】

高橋寿一委員長、安藤光義委員、池邊このみ委員、中井検裕委員、森剛一委員

【事務局】

農村政策部長、農村計画課長、他

4 議事

(1) 関係者現地ヒアリングの結果について

(2) その他

5 議事概要

PDF版はこちら(PDF:104KB)

事務局から上記4の(1)及び(2)の議事ごとに資料に基づき説明を行った後、各委員から意見を受けた。

委員からの主な発言は以下のとおり。

(○:委員からの発言、⇒:事務局からの発言)

○ 島根県の現地ヒアリングにおいて、農業者からの話では、転用期待があるから農地を貸さないということはないということであった。利用権設定で貸借が行われており、農地を貸しても必要となれば、所有者に返ってくるという認識もあることから、農地を貸すことに抵抗は少ないようであった。松江市の担当者も同様で、法律を的確に運用していれば、農地の貸借について、問題が生じることはないという認識であった。

○ 千葉県の現地ヒアリングでは、農地を無料で譲りたいという所有者がいるという話をきいて驚いた。千葉県でも転用期待が流動化の阻害要因にはなっていないと意見が多かった。むしろ、流動化の阻害要因となっているのは、人的な問題や担い手不足との意見が多かった。

○ 事前のアンケート調査結果では、千葉県は転用期待が最も高く、流動化を阻害しているとする結果となっており、島根県は最も転用期待が低いという、両極に位置していたが、この両方の現地ヒアリングに参加した事務局の方は、どのように感じたのか。

⇒ 現地ヒアリングの結果では両県に明確な違いはなく、根底となるものは同じであるという認識である。

○ 島根県松江市でのヒアリングにおいて、「所有者の多くは転用して儲けたいのではなく、農地を所有する負担から解放されたい思いがある」とあるが、「負担から開放されたい」とは、何を示しているのか。金銭的なものとしては、農地の賃借料より水利費の方が高いということが考えられる。また、農地を貸しても、地域の慣習で所有者が草刈りなどの役務を負担しなければならないということが考えられるが、所有者は、どのような負担から解放されたいのか。

○ 宇佐市では水利費が高いという話があったが、松江市では水利費の話は出なかった。松江市では、農地の草刈り等を高齢になってまで負担したくないとのことであった。しかし、現実には、農地の借り手もなく、草刈り等の負担から解放されないということであった。

⇒ 農家の方は、田畑を所有していると、耕作しなければいけないという意識が強い。特に、60 歳から80 歳くらいの農業者の方は、周りの目や義務感から農地を荒廃させたくないという意識が強い。ただし、機械が壊れたとか、足腰が立たないなど、耕作できない状況になったときには、荒廃させるよりは誰かに耕作して欲しいということになる。

○ 転用期待で流動化が進まないのではなく、担い手がいないから流動化が進まないということなのか。

⇒ 100%そうとは、言い切れない。アンケート調査からも、高齢の方は農地を売りたいという意識が強い結果となっているが、若い方はそうではなかった。農水省では、農地を貸したら戻ってこないという意識を払拭しなければならないということで、これまで施策を進めてきた。この点に関して、このアンケート調査結果等からは一定の効果があったと考えられるが、宇佐市などの一部の地域では、根強く残っているようである。国の職員が現地に伺い調査すると、現地ではよそ行きの回答をされがちであることから、すべてを鵜呑みにはできない。この5県の事例については、今後の参考にはなるが、ここから結論を導くのは早過ぎると考えている。

全般的な感想になるが、転用期待というのは、条件によってはあるが、昔のようにはない。農家が転用期待をしているというのは、都市伝説と化している。一部区域での期待、例えば宅地へのミニ開発はあるかもしれないが、大規模なものは大都市近郊でさえ考えにくい。一方で、インターチェンジでは開発希望は大きい。住宅ではなく物流施設へのニーズはある。インターチェンジ周辺では、農家より自治体が開発構想をもっている。転用は局所的に起きているという意味では、圏央道周辺は興味深いのではないか。

○ 転用期待が貸借による農地流動化の阻害要因になっているのかについては、貸借についてはやめようと思えば、いつでもやめられる。仮に転用期待がみられるようなところでも、貸借による農地流動化の阻害要因になっていない。結論としては間違っていないのではないか。

○ 千葉県の佐倉市は、人口増加している東京近郊と人口減少している県南部の中間であり、宅地化のニーズがあるかどうかについてはよくわからない。宅地化のニーズがある限定的なケースを抽出し、そのような地域を追加ヒアリングしたほうがいいのではないか。そこで農地転用が流動化の阻害要因になっているのかチェックできれば、結論を出してもよいのではないか。

○ 佐倉市はインターチェンジ周辺の土地利用の緩和を行っており、農家ではなく自治体の転用期待が高い。千葉県内でも最近は工業団地の進出より物流施設の進出が目立ち、そのあたりの期待はあるのではないか。また、千葉ではロードサイドでの転用圧力はまだまだある。

○ 流動化が進んでいない市町村では、担い手がいないので流動化が進まないという回答が多い。このような市町村では、担い手をどう確保していくかということが重要ではないか。一方、それなりに流動化が進んでいる市町村では、全体としては転用期待はないが、委員からも説明があったように、局所的には転用期待はあるということであった。流動化が可能な地域で、転用期待があるが故に流動化が進まなくなっているということが、完全には否定しきれないと思う。このため、市町村アンケートで、転用期待があるという回答の割合が高い地域で、追加ヒアリングをしてはどうかと思うがいかがか。

⇒ 宇佐市の現地ヒアリングの調査結果をみると、転用の話があれば合意解約するとのことだが、農地の貸し付けを中途解約する場合には、離作料の支払いが問題となるケースがあるのではないか。

⇒ お互いの信頼関係の中で対応されているとのことであった。離作料の支払いが問題となるケースはないとのことであった。

○ 皆さんに異議がないようなので、事務局には、追加調査の調整をお願いしたい。

○ 最終的に2つに分けて問題を整理すべきではないか。1つ目は、転用期待そのものがあるかどうかという問題である。最初にそのことを明確にしなければならない。どのような転用期待があるのか、実際にどのような転用があるかをもう少し細かく分けて整理する必要があるのではないか。2つ目は、転用期待がある場合、何が問題となるのか。転用するときに問題なく賃貸借契約が解約されているのか。離作料の支払いが問題になっているのかについて、調べてはどうか。合意解約後の農地はどうなったのか。転用されたのか、それとも何か問題が発生しているのか。データがあるはずなので、調べてみると何か分かるかもしれない。

○ 離作料の問題については、地目、作目別に調査してみたほうが、より傾向をつかめると思う。私がこれまで見てきた範囲では、水田ではそのような事案をみたことがない。果樹や野菜であれば、土づくりなどとの関係で離作料の話があるかもしれない。

○ 農家アンケートの「耕作していない所有農地を他に貸し付けていない理由」の集計結果をみると、都市地域において「安心して貸せる信頼できる借り手がいないから」、「農地は家の財産(家産)であり、他人に貸したくないから」の割合が高くなっており、この背景には、将来転用する際に離作料の問題などが発生することなく「安心して」農地を返してもらえるのか、という懸念があるようにも見える。

お問合せ先

農村振興局農村政策部農村計画課

代表:03-3502-8111(内線5443)
ダイヤルイン:03-3502-5999

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