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農林水産省

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更新日:平成28年1月6日

担当:農村振興局

第3回(平成27年12月21日)議事概要

 1 開催日時

平成27年12月21日(月曜日)10時00分~11時40分

2 開催場所

農林水産省共用第9会議室

3 出席者

【委員】

高橋寿一委員長、安藤光義委員、池邊このみ委員、中井検裕委員

【事務局】

農村政策部長、農村計画課長、他

4 議事

(1) アンケート調査結果について

(2) その他(関係者現地ヒアリングの実施案について)

5 議事概要

PDF版はこちら(PDF:94KB)

事務局から上記4の(1)及び(2)の議事ごとに資料に基づき説明を行った後、各委員から意見を受けた。

委員からの主な発言は以下のとおり。

(○:委員からの発言、⇒:事務局からの発言)

市町村アンケートの「転用期待の意識が強いと感じる地域」の問で、「市街化区域あるいは用途地域の周辺」、「幹線道路の沿道」及び「市街地の周辺」の回答割合は40%を超えているが、それ以外の回答割合はそれほど高くない。転用期待がある農地は限定的と言えるのではないか。また、「転用期待が農地流動化の支障と思うか」の問では、都市的地域では「かなりそう思う」及び「ややそう思う」の割合が高いものの、それ以外の地域ではそれほど高くない。これらのことから、転用期待が農地流動化を阻害しているとは言えないのではないか。

農家アンケートの「農地を転用譲渡した際に代替農地を取得したか」の問では、代替農地を「取得した」及び「昔は取得したことがあるが、最近は取得していない」の回答割合が低く、昭和50年代は代替取得で転用価格が玉突きで農村に波及していたが、最近はそういう状況ではなくなってきており、転用期待が減少しているのではないか。

高い転用地価を享受できるのは道路沿いに限定されてきている。農家アンケートの「農地周辺の都市的施設」の問では、「国県道等の幹線道路」の回答割合が山間地域でも高く、転用圧力は道路沿いにあるのかもしれない。しかし、その転用期待がその奥の優良農地にも波及し、農地流動化を阻害しているとまでは言えないのではないか。

市町村アンケートの「転用期待が農地流動化の支障となっている場合、どのような対策を講じるべきか」の問では、「転用期待と同程度のメリット措置を講じる」の回答割合が高くなっており、これはキーポイントではないか。

農家アンケートの「所有農地を他に貸付けていない理由」の問では、「貸付けたいが借り手がいないから」の回答割合が高いが、「農地を貸付けるための方法が分からないから」及び「安心して貸せる信頼できる借り手がいないから」の回答割合が低いことから、農家は、必ずしも農地を貸付けるために積極的に動いていないのではないか。また、若年層よりも高齢層で「いつでも転用できるようにしておきたいから」の回答割合が高い。これは、高齢層が過去に農地転用の事例を見ているためではないか。

市町村アンケートの「転用期待の意識が強いと感じる地域」の問で、「インターチェンジ周辺」の回答割合はそれほど高くない。インターチェンジ周辺に開発を誘導している市町村は多いが、市町村担当者はインターチェンジ周辺の転用期待がそれほど強いとは感じていない。政策的にインターチェンジ周辺に開発を誘導していることとギャップを感じる。

市町村アンケートの「転用期待が農地流動化の支障となっている場合、どのような対策を講じるべきか」の問で、「転用期待と同程度のメリット措置を講じる」を選択している市町村は、「メリット措置」をどのようにイメージしているか。

⇒ 回答者の考えまではわからないが、市町村の担当者は、奨励金などの金銭的な措置や振興施策など、農家が農地を転用しなくても農業経営を維持できるような支援策をイメージしているのでは。

市町村アンケート調査結果からは、転用期待はあるが、それが農地流動化の支障となっていないと言えるのではないか。農家アンケートの「耕作を行わず、他に貸付けていない農地があるか」の問で、「ある」と回答されている方について、年齢、経営形態などでクロス集計していただきたい。これは、「所有農地を他に貸付けていない理由」の問で、「いつでも農地転用できるようにしておきたいから」の回答割合が地域区分で差がなく、別の要因で差が明確になると考えられ、遊休農地がどのような条件で発生しているのかを細かく見る必要がある。

市町村アンケートの「転用期待が農地流動化の支障となっている場合、新たな対策を講じる必要があるか」の問に関しては、転用期待が農地流動化の支障になっていると回答している市町村についてのクロス集計をしてはどうか。

農家アンケートの「所有農地を他に貸付けていない理由」の問で、「いつでも農地転用できるようにしておきたいから」の回答割合は、若年層で低い傾向にある。都市近郊では、若いほど農業に対する意識が強く、転用期待が低いかもしれない。農地所有者の年齢別に加えて、農業経営類型区分別に集計してはどうか。

本検討会のテーマは転用期待が農地流動化に支障を来しているかというものであり、支障を来していれば転用利益の還元が次のテーマになる。今回のアンケート調査結果から、全国的には転用期待が農地流動化に支障を来していないということが、委員共通の意見として得られたのではないか。更にアンケート調査結果の分析を進めるとして、転用期待が農地流動化に支障を来していなければ、利益還元の議論は不要ということになるのか。

⇒ 転用期待が農地流動化に支障を来しているかどうかの結論を急いで出していただく必要はない。今日の議論では、全体的に懐疑的意見が強いのかと思う。この点を念頭において今後議論を進めていただきたい。

農家アンケートの「耕作を行わず、他に貸付けていない農地があるか」の問で、28%が「ある」と回答しており、その25%が「いつでも農地転用できるようにしておきたいから」と回答している。つまり全体の7%(28%×25%)が「いつでも農地転用できるようにしておきたいから」と回答している。市町村アンケートの「転用期待が農地流動化の支障となっているか」の問で、「かなりそう思う」及び「ややそう思う」の回答割合は合計で16%であり、概ねこれらの調査結果は整合している。転用期待と考えられるこれらの数字を大きいと判断するのか、小さいと判断するのかは難しいところである。

農地転用は価格も場所も受け身であり、関係者現地ヒアリングは、都市計画部局も対象としてはどうか。

宅地転用については、都市計画部局に話を聞く意味があるが、太陽光発電関係ではそれほど意味がないのではないか。ヒアリングの対象が、転用期待がないところや、高速道路の整備で転用期待が高まっているところなどに偏らないよう、アンケート調査結果を踏まえて場所を選定すべきではないか。

アンケート調査結果をみると、千葉県や埼玉県は転用期待の意識が高い。実態がどうなっているのかを把握して場所を決めてはどうか。千葉県の大店立地法の審議委員をしているが、案件が毎月5件程度出てくる一方で、農業が盛んな地域や限界集落があり、ヒアリングはプロトタイプを作り、場所を狙い撃ちして決定すべきではないか。
 

お問合せ先

農村振興局農村政策部農村計画課
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