木材の安定供給の確保に関する特別措置法の施行について
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8林野流第105号
平成8年11月1日
最終改正:平成16年3月29日 15林政木第155号
都道府県知事あて
農林水産事務次官
木材の安定供給の確保に関する特別措置法(平成8年法律第47号。以下「法」という。)は平成8年5月24日に公布され,木材の安定供給の確保に関する特別措置法の施行期日を定める政令(平成8年政令第309号)により平成8年11月1日から施行されるとともに,木材の安定供給の確保に関する特別措置法施行令(平成8年政令第310号)及び木材の安定供給の確保に関する特別措置法施行規則(平成8年農林水産省令第58号)が施行されたところである。
法の施行に当たっては,下記事項に留意の上,法に基づく制度の適切かつ円滑な運用に遺憾なきを期せられたい。
なお,貴管下関係機関に対してもこの旨周知方お願いする。
以上,命により通達する。
記
第1 法制定の趣旨〔法第1条関係〕
我が国林業及び木材関連産業を巡る情勢が,製品輸入の増大,木材価格の低迷等により一段と厳しいものとなっている中で,消費者ニーズに対応した木材の安定供給の確保を図っていくためには,森林所有者から木材関連産業に至る一連の木材の流通の合理化等を進めることが重要な課題となっている。
しかしながら,我が国の森林所有者等からの木材の供給は,小規模,間断的であることから,流通の合理化を図り難く,規模拡大等によるコストの低減,品質管理の向上等の合理化を図るためには,森林所有者等から木材製造業者等に対する安定的かつ大ロットの木材供給を確保し,効率的な木材の供給体制を構築することが重要であり,これにより林業及び木材関連産業の体質強化を図ることが必要となっている。
また,我が国森林資源については,戦後植林された人工林が充実期を迎えつつあるが,地域の状況に応じて,その森林資源を木材として適切に供給できる安定供給体制を構築していくことが,国内森林資源の有効活用の観点とともに林業経営の安定等の観点からも必要となっている。
法においては,これらのことから,森林資源の状況からみて林業的利用の合理化を図ることが相当と認められる森林の存する地域について,森林所有者等と木材製造業者等との木材の安定的取引の確立を内容とする木材安定供給確保事業の円滑な実施を図るため,都道府県知事による木材安定供給確保事業に関する計画(以下「事業計画」という。)の認定,森林法(昭和26年法律第249号)の特例等の特別の措置を講ずる制度を創設したものである。
第2 指定地域〔法第2条及び法第3条関係〕
1 指定の趣旨
我が国森林の樹種,林齢等の資源状況をみると,地域によって差異がある中で,既に森林資源が成熟している地域,すなわち木材の供給能力が高くなっている地域が見られる。
このような地域においては,森林資源の状況からみれば,一定量の木材を安定的かつ継続的に供給することが可能ではあるものの,森林所有者の側では森林所有形態が零細かつ分散的であること,林業生産活動が停滞していること等から,木材の供給について安定的な取引関係が確立しにくく,木材の安定的かつ継続的な供給が実現されていない状況にあり,一方,木材製造業の側では,原料である木材の供給が不安定であること等から,事業規模の拡大,生産性の向上のための機械・施設に対する投資が行われにくく,コストの引下げ,品質の向上等木材製造業の合理化が進まない状況に陥っているところがみられる。
法は,このような地域を特定し,森林所有者等から木材製造業者等に対する木材の流通の円滑化を図るための特別の措置を講ずることにより,木材の安定供給を確保し木材製造業者等の体質強化と林業の活性化を図ろうとするものであり,このため指定地域の指定を行うこととしている。
2 指定地域の区域
指定地域の区域については,[1]効率的な木材の集荷範囲等の生産流通条件からみて流通を基本単位とすることが合理的であること,[2]森林法に基づく地域森林計画及び国有林の地域別の森林計画は流域を基本とする森林計画区別に定められており,すでに,その流域を単位として一体的な森林の整備,国産材産地の形成を図る流域管理システムが定着しつつあること等から,森林法第7条の規定に基づく森林計画区の区域を勘案して指定することとしている。
なお,森林資源の状況,木材製造業等への木材流通の実態を踏まえて,都道府県知事が森林計画区の区域を超えて指定する必要があると認める場合,又は,森林計画区の区域を更に分割して指定する必要があると認める場合には,都道府県内の市町村の区域を勘案して指定することとされたい。
3 指定地域の要件
指定地域の要件については,次のように取り扱うこととされたい。
(1) 第1号要件について
林齢等の森林資源の生育状況,地域森林計画及び国有林の地域別の森林計画に定める伐採立木材積と実際の伐採立木材積とのかい離等の森林資源の利用状況からみて,適切に伐採利用を進めることにより,森林の有する木材の生産力の活用と木材の合理的利用を図るべき相当規模の森林があると認められること。
(2) 第2号要件について
地域における素材生産量の推移,素材生産業者及び木材卸売業者等の規模等の状況,木材製造業者等の規模や施設整備の状況,地域での生産流通改善への取組等からみて,法に基づく木材安定供給確保事業を行い,安定的な取引関係が確立されることにより,森林所有者の側についてはその森林から毎年安定的な素材生産が可能となるとともに,木材製造業の側については安定的な原料調達により,事業規模の拡大を図ることができると認められること。
4 指定地域の公表
指定地域の公表は,都道府県の公報に掲載することにより行うとともに,都道府県の主たる事務所及び指定地域の該当市町村を所管する従たる事務所の掲示場への掲示等の方法により行うこととされたい。
5 指定地域の区域の変更等
指定地域の区域の変更及びその解除は,森林の被災等による森林資源状況の変動や素材流通の変化等の経済事情等の変動により,変更又は解除の必要が生じた場合に行うこととされたい。
また,法第3条第2項の変更等の公表は,4の指定地域の公表と同様の方法により行うこととされたい。
第3 木材安定供給確保事業に関する計画の認定等〔法第4条及び法第5条関係〕
1 認定の趣旨
法においては,事業計画の達成のために必要な林地開発の許可,保安林の伐採許可等の手続きの特例,森林組合の員外利用の特例等の森林法及び森林組合法(昭和53年法律第36号)の特例措置を講ずるとともに,国及び都道府県による事業実施に必要な資金の確保,木材安定供給確保支援法人等による情報提供等の支援措置を受けることができることとされており,その場合,事業計画が法の趣旨,目的等に照らして適切であるか確認する必要があることから,当該事業計画について都道府県知事の認定を受けることができることとしたものである。
2 事業計画の作成者
(1) 事業計画は,指定地域内に事業所を有する木材製造業者等と当該指定地域内に森林を所有する森林所有者等とが共同して計画を作成することが必要である。
(2) 木材製造業者等とは,製材品,合板等を製造する業を営む者又はその組織する協同組合等の団体であり,森林所有者等とは,森林所有者及び森林の使用権等の権原に基づきその立木の使用又は収益をする者,例えば立木を取得した素材生産業者等のことである。
3 促進措置
(1) 法においては,法第4条第2項各号に掲げる者が木材製造業者等又は森林所有者等との間で安定的な取引関係に基づき行う[1]立木の伐採及び木材の搬出の効率化,[2]木材の需要の開拓,[3]木材の仕分及び代金決裁の効率化等の木材の安定供給を確保する上で効果的な措置を,促進措置として事業計画に含め認定を受けることができることとしている。また,事業計画の作成者としては,木材製造業者等と森林所有者等は必須の作成者であるが,法第4条第2項各号に掲げる促進措置を実施する者についても任意の作成者として取り扱うこととしている。
(2) 促進措置を実施する者は,森林組合及び同連合会等においては地域における素材生産から販売までの一連の林業生産の担い手として,素材生産業者等においては素材生産の効率化の担い手として,木材卸売業者及び木材取引のために開設される市場を開設する者等においては木材流通の合理化の担い手として,それぞれの専門的な観点からの役割を果たす共同作成者であることに留意されたい。
4 認定の申請手続き
事業計画の認定を申請しようとする木材製造業者等及び森林所有者等は,事業計画認定申請書(2通)を作成して,当該事業計画に係る事業所の所在地を管轄する都道府県知事に提出することとされたい。
5 事業計画の認定基準
事業計画についての認定基準は,法第4条第4項において定められたところであるが,具体的な運用に当たっては次の事項に留意されたい。
[1] 木材安定供給確保事業の目標は,森林所有者等から木材製造業者等に対する木材の安定供給を確保するため,木材の取引関係に関する事項に基づき,必要な場合には木材の生産・流通改善のための施設の整備を行い,木材生産の安定及び木材製造業者の規模拡大等を図ることであり,その趣旨に沿った有効かつ適切なものであること。(法第4条第4項第1号)
[2] 木材安定供給確保事業が,森林法に基づく地域森林計画,市町村森林整備計画等の森林の整備に関する計画に照らして適当であると認められること。(法第4条第4項第2号)
[3] 木材安定供給確保事業の内容等が当該事業の目標を確実に達成するために,次の事項に照らし適切なものであること。(法第4条第4項第3号)
なお,木材安定供給確保事業は,木材製造業者等と森林所有者等との間における木材の安定的な取引関係の確立を図る事業であることから,取引関係に関する事項を必ず内容とする必要がある。
このため,木材生産流通改善施設の整備のみを内容とする事業計画は認定の対象とならないことに留意すること。
イ 引取時期,引取場所等の取引方法,価格の決め方,見直しの方法等の取引関係に関する事項が,一方的かつ不当な内容のものとなっていないこと。
ロ 事業の効果を確保するため事業計画に係る木材の年間取引量が安定的であるとともに事業計画作成者である木材製造業者等の木材の年間消費量の一定割合以上の規模であること。
ハ 木材製造業者等が事業計画の確実な実施を確保するのにふさわしい経営を行っている者であること。
ニ 素材生産が効率的に行われるよう,伐採箇所のまとまりが確保され,伐採順序が適切であることなど適切な伐採計画となっていること。
ホ 木材生産流通改善施設が,木材生産の安定化及び木材製造業者の規模拡大等を図るために必要な施設の種類でありかつ適切な処理能力を持ったものであること。
ヘ 促進措置が安定的な取引関係に基づき行われていること。また,その内容が立木の伐採及び木材の搬出の効率化,木材需要の開拓等木材安定供給確保事業を促進するための適切な措置となってること。
ト 木材安定供給確保事業の実施に伴い必要となる資金の額が,当該事業計画の内容及び実施時期を勘案して適切に計上され,かつ,その調達方法が適切なものであること。
[4] 地域森林計画の対象となっている民有林であって保安林並びに保安施設地区の区域及び海岸保全区域内の森林以外の森林において木材生産流通改善施設を整備するために森林法第10条の2第1項に規定する開発行為を行おうとする場合には,「開発行為の許可制に関する事務の取扱いについて」(平成14年3月29日付け13林整治第2396号農林水産事務次官依命通知)の第2の1及び(別記)の開発行為の許可基準に適合すること。(法第4条第4項第4号)
また,必要に応じ開発行為について条件を附することができるが,当該条件は,森林の現に有する公益的機能を維持するために必要最小限度のものに限り,かつ,その許可を受けた者に不当な義務を課することとなるものであってはならないことに留意されたい。
なお,法第4条第3項第4号で定める当該施設の位置,配置及び構造とは,森林法施行規則(昭和26年農林省令第54号)第2条で定める開発行為に係る森林の位置図及び区域図並びに開発行為に関する計画書に相当するものであることに留意されたい。
[5] 保安林の区域内において立木の伐採を計画する場合は,当該事業計画に係る伐採について,当該保安林に係る指定施業要件及び伐採の限度に関し政令で定める基準に適合すると認められること。(法第4条第4項第5号)
また,必要に応じ保安林の伐採について条件を附することができるが,当該条件は,当該保安林の指定の目的を達成するために必要最小限度のものに限り,かつ,その許可を受けた者に不当な義務を課することとなるものであってはならないことに留意されたい。
なお,次の森林又は保安林の皆伐による伐採を含む事業計画の認定に当たっては,以下の森林所有者等との調整を図るよう留意されたい。
イ 森林法施行令(昭和26年政令第276号)第4条の3第1項第2号に規定する伐採年度ごとに皆伐による伐採をすることができる1箇所あたりの面積の限度が定められている森林の立木について皆伐による伐採をしようとする事業計画にあっては,当該森林の区域内の森林であって当該伐採をしようとする箇所に隣接するものの森林所有者等
ロ 森林法施行令第4条の3第1項第4号に規定する風害又は霧害の防備をその指定の目的とする保安林で皆伐後の残存部分に関する定めが定められているものの立木について皆伐による伐採をしようとする事業計画にあっては,当該保安林の区域内の森林であって当該伐採後に残存部分となるものの森林所有者等
6 立木伐採の意見の聴取
地域森林計画の対象となっている民有林(保安林及び保安施設地区の区域内の森林を除く。)の立木の伐採を含む事業計画の認定を行おうとする場合にあっては,森林法に基づく伐採及び伐採後の造林の届出の受理の主体が市町村の長であること等から,法第4条第3項第2号ロに掲げる事項について,当該伐採をすることとされている民有林の所在地の関係市町村長の意見を聴くこととされているので,留意されたい。(第4条第5項)
7 開発行為の意見の聴取
開発行為の実施を計画事項とする事業計画の認定を行おうとする場合には,森林法第10条の2第6項の規定と同様の趣旨から都道府県森林審議会及び関係市町村長の意見を聴くこととされたい。(第4条第6項)
8 市町村の長への通知
事業計画の認定をした場合には,森林法に基づく伐採及び伐採後の造林の届出の受理や森林施業計画の認定に係る権限主体が市町村の長であることから,当該事業計画に記載された伐採箇所の所在地の市町村の長にその旨を通知することとされているので,留意されたい。(第4条第7項)
9 事業計画の実施時期
事業計画の実施時期は,木材安定供給確保事業を通じて,木材生産の安定及び流通の円滑化を図るという法の趣旨に照らし,一定期間以上であることが望ましいことから,おおむね5カ年とするよう指導されたい。
第4 認定事業計画の変更等〔法第5条関係〕
(1) 都道府県知事は,法第4条第1項の認定に係る事業計画(以下「認定事業計画」という。)に基づく木材安定供給確保事業の実施に遅滞があると認められる場合には,当該認定事業計画に沿って木材安定供給確保事業の円滑な実施が図られるよう指導するほか,必要に応じ,認定事業計画の変更が行われるよう指導されたい。
(2) 都道府県知事は,地域森林計画において定める事項の変更等により,事業計画が認定基準に適合しなくなった場合であって,指導を行ったにもかかわらず事業計画が変更されず,その変更の見込みもないと認められる場合は,当該認定事業計画を取り消すこととされたい。
(3) また,認定事業計画に基づく木材安定供給確保事業の遂行に著しい支障が生じており,当該認定事業計画に沿った事業を実施する見込みがなく,その結果,認定基準に適合しなくなると認められる場合には,当該認定事業計画を取り消すこととされたい。
(4) 都道府県知事は,認定事業計画の取消しの決定をしたときは,理由を付して,その旨を認定事業者に通知されたい。
第5 事業計画の認定の特例〔法第6条関係〕
(1) 国が森林所有者として加わって事業計画を作成し,又は変更しようとするときは,国が都道府県知事と協議し,その協議が成立することをもって認定があったものとみなすこととしている。(法第6条)
(2) この場合,事業計画は国と民有林の森林所有者等,木材製造業者等の共同計画となることから,都道府県知事は国から協議があった場合,民有林に係る伐採等の適否や事業計画全体の木材の安定供給の確保の観点からの適否を判断することにより円滑な協議に努められたい。
なお,国が都道府県知事に協議する場合,国有林野事業においては,関係する森林管理局長が行うこととしているので留意されたい。
第6 伐採の届出の特例〔法第7条関係〕
(1) 認定事業者が認定事業計画に従って行う立木の伐採については,森林法第10条の8の伐採及び伐採後の造林の届出の規定は適用しないこととしている。(法第7条)
(2) これは,事業計画の認定について通知を受けることにより,市町村の長は立木の伐採状況等をあらかじめ把握することができ,また,市町村森林整備計画に適合するという認定基準により森林法第10条の8第1項に基づく伐採及び伐採後の造林の届出制の趣旨に合致した伐採であることが確認されるものであることから,認定事業者が行う立木の伐採については,二重手続きを排除する観点から設けられたものである。
(3) したがって,認定事業計画に従わない立木の伐採を行った場合には,法第7条の規定は適用されず,森林法第10条の8第1項規定の違反者として森林法第207条第1項第1号の罰則の対象となることに留意されたい。
(4) なお,認定事業計画に係る伐採一般については伐採後の届出は不要であるが,森林施業計画に係る森林の伐採については,森林法第15条による伐採後の届出が必要であることに留意されたい。
第7 開発行為の許可の特例〔法第8条関係〕
(1) 認定事業者が認定事業計画に従って木材生産流通改善施設を整備するために開発行為を行うときは,改めて都道府県知事の許可は要しないこととし,森林法第10条の2第1項の許可があったものとみなすこととしている。(法第8条)
(2) これは,事業計画の認定の際に,林地開発許可制度の趣旨を踏まえ森林法第10条の2第2項各号のいずれにも該当しないことの審査が行われることとなるので,二重手続きを排除する観点から,設けられたものである。
(3) したがって,認定事業計画に従わない施設の整備に伴う林地開発が行われた場合には,法第8条の規定は適用されず,森林法第10条の2第1項の規定の違反者として,森林法第10条の3の監督処分等の対象となることに留意されたい。
第8 保安林における伐採の許可及び間伐の届出の特例〔法第9条関係〕
(1) 認定事業者が認定事業計画に従って保安林の立木を伐採するときは,森林法第34条第1項の許可があったものとみなすこととし,改めて都道府県知事の許可は要しないこととしている。(法第9条)
また,認定事業者が認定事業計画に従って行う保安林における間伐のための立木の伐採については,森林法第34条の2第1項の間伐の届出の規定は適用しないこととしている。(法第9条の2)
(2) これは,事業計画の認定の際に,保安林制度の趣旨を踏まえ保安林に係る指定施業要件に適合することの審査が行われることとなるので,二重手続きを排除する観点から,設けられたものである。
(3) したがって,認定事業計画に従わない保安林の立木の伐採を行った場合には,法第9条の規定は適用されず,森林法第34条第1項又は同法34条の2第1項の規定の違反者として,森林法第38条第1項の監督処分等の対象となることに留意されたい。
(4) また,認定事業計画に従って保安林の立木を伐採(森林法第34条第1項各号に掲げる場合を除く。)した認定事業者は,森林法第34条第8項に基づき森林法施行規則第22条の13で定める手続きに従い,その旨を,都道府県知事に届け出るとともに,その者が当該森林所有者でないときは,当該森林所有者に通知しなければならないことに留意されたい。
第9 森林施業計画の変更の特例〔法第10条関係〕
(1) 森林施業計画の認定を受けた森林所有者等が立木の伐採に関し,当該認定に係る森林施業計画の内容と異なる内容の事業計画について認定を受けた場合には,当該認定を受けた森林所有者は当該森林施業計画を変更し認定を求めなければならないこととしている。(法第10条第1項)
また,市町村の長は,事業計画の認定を受けた森林所有者等が森林施業計画の変更の認定を請求せず,又は請求したが森林法第11条第4項第2号の合理化基準を満たさない等の理由により当該認定を受けられなかった場合には,当該森林施業計画の認定を取り消すことができることとしている。(法第10条第3項)
(2) これは,同一の森林について事業計画と森林施業計画が作成される場合,両計画には共通した計画事項があるものの,それぞれが独立した計画として作成されるものであることからその計画事項に矛盾を生じることが想定されるため,両計画の実施にあたり整合性が図られるよう措置されたものである。
第10 森林組合等の事業利用の特例〔法第11条及び第12条関係〕
(1) 森林組合は,森林組合法第9条に定める事業のほか,法の事業計画作成の事業を行うことができるとともに,事業計画の認定を受けようとする組合員以外の森林所有者について,計画作成事業に関し森林組合法第9条第8項ただし書の員外利用制限の適用を除外することとしている。(法第11条)
また,事業計画の認定を受けて組合員と一体的に伐採及び木材の運搬を行う森林所有者について,木材の運搬,加工等の事業に関し森林組合法第9条第8項ただし書及び第101条第7項ただし書の森林組合及び森林組合連合会の員外利用規制の適用を除外することとしている。(法第12条)
(2) これは,木材製造業者等に対し木材の安定供給の確保を図るためには,森林組合員の所有する森林のみならず,森林組合に加入していない不在村者等の所有する森林も含め,大ロットで木材が供給される体制づくりが必要であること,木材安定供給確保事業を円滑に機能させていくためには,森林組合及びそれを補完する森林組合連合会の有する経済的機能と社会的影響力を活用することが必要であり,かつ合理的であることによるものである。
(3) 森林組合が法第11条第2項の規定により組合員以外の森林所有者に事業を利用させる場合には,利用させる対象者等を実状に応じて定款に定めることとされたい。
また,森林組合又は森林組合連合会が法第12条の規定により組合員又は所属員以外の森林所有者に事業を利用させる場合には,利用させる対象者,事業の種類等を実状に応じて定款に定めることとされたい。
なお,法第12条により利用させることのできる当該事業は,木材の運搬,加工,保管,販売の事業に限られ,当該木材を材料とする建物その他の工作物の建設又は売渡しが含まれないことに留意されたい。
第11 国有林野事業における配慮〔法第13条関係〕
(1) 国は,木材安定供給確保事業の円滑な推進のため,国有林野事業における木材の供給について適切な配慮をすることとしている。(法第13条)
(2) これは,国有林野事業が我が国の森林面積の約3割を占める国有林野を管理経営し,林産物の計画的・持続的な供給を使命の一つとして担っていることにかんがみ,国有林野事業を運営する国は,森林所有者として木材安定供給確保事業に参加し,木材の計画的かつ安定的な販売に努める旨を定めたものである。
(3) この趣旨を踏まえて,国は,国有林野事業の適切な運営を通じて,木材安定供給確保事業による国有林材の安定的な販売を促進する等の適切な配慮をすることとしている。
第12 資金の確保〔法第14条関係〕
(1) 国及び都道府県は,認定事業計画の実施に必要な資金の確保に努めることとしている。(法第14条)
(2) これは,資金調達能力に乏しい木材製造業者等が木材安定供給確保事業を実施するためには必要な資金を確保することがきわめて重要であることから,訓示的に定めたものである。
(3) この趣旨を踏まえて,都道府県は農林漁業信用基金等による債務保証等の活用により,認定事業計画に対する資金の確保に努められたい。
第13 指導及び助言〔法第15条関係〕
(1) 国及び都道府県は,認定事業者に対し,木材安定供給確保事業の円滑な実施に必要な指導及び助言を行うこととしている。(法第15条)
(2) これは,木材安定供給確保事業が認定事業計画に従って的確,かつ,円滑に行われるために定められたものである。
(3) この趣旨を踏まえ,都道府県は,木材安定供給確保支援法人(以下「支援法人」という。),国の機関及び民間関係団体との連絡を密にして,認定事業者に対し,木材安定供給確保事業の円滑な実施が図られるよう,技術面その他経営全般にわたる適切な指導及び助言を行うよう努められたい。
第14 報告の徴収〔法第16条関係〕
(1) 都道府県知事は,認定事業者に対し,木材安定供給確保事業の実施状況について報告を求めることができることとしている。(法第16条)
(2) これは,木材安定供給確保事業の円滑な実施が図られるよう指導及び助言等を行うためには,認定事業計画の実施状況について十分に把握しておく必要があることから,定められたものである。
(3) 都道府県知事は,定期的に事業の実施について報告を徴収するとともに,必要があると認める場合には,随時報告を求め,適宜,指導及び助言を行い,認定事業計画の円滑な遂行を図るように努められたい。
第15 木材安定供給確保支援法人〔法第17条から法第26条関係〕
支援法人は,法第18条各号に掲げる業務を行うこととされているが,支援法人が行うこれらの業務は,森林所有者,木材製造業者等が実施する木材安定供給確保事業の円滑な推進を支援する重要な手段であることから,森林所有者,木材製造業者等に対し,支援法人が行う業務を十分活用するよう指導するものとされたい。




