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農林水産省

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令和7年度食料・農業・農村政策審議会果樹・有機部会(第1回有機関係)議事録

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1.日時及び場所

日時:令和7年12月23日(火曜日)16時00分~18時09分
会場:農林水産省本館7階共用第1会議室

2.議事次第

  1. 開会
  2. 果樹・有機部会(有機関係)の運営について
    (1) 部会の運営
    (2) 部会長挨拶
    (3) 部会長代理の指名
  3. 議事
    (1) 有機農業推進基本方針策定に係る諮問
    (2) 有機農業の現状と課題について(意見交換)
    (3) その他
  4. 閉会
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3.議事録

午後4時00分 開会



  • 葛原調整官
    それでは、定刻になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会果樹・有機部会(有機関係)の第1回を開催したいと思います。
    委員の皆様におかれましては、大変忙しい中御出席を賜りまして誠にありがとうございます。
    私、当部会の事務局を務めております農産局農業環境対策課の葛原と申します。この後、部会長が選任されるまで進行を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
    それでは、開会に当たりまして、農産局長の山口より委員の皆様へ御挨拶を申し上げたいと思います。
  • 山口農産局長
    ただいま御紹介にあずかりました農林水産省農産局長をしております山口と申します。
    まず、今回食料・農業・農村政策審議会果樹部会の委員になっていただいて、本当にありがとうございます。また、この年末のお忙しい中御出席を賜っていること、心より感謝を申し上げます。
    農水省では、平成18年に有機農業の推進に関する法律が制定されて以降、有機農業の推進に関する基本的な方針に基づいて様々な施策を推進してまいりました。直近では令和2年にこの基本方針を改定し、2030年を目標年とする有機農業拡大の目標を設定しているところでございます。その後、令和3年にはみどりの食料システム戦略を策定し、耕地面積に占める有機農業の取組面積を2050年までに25%に拡大という意欲的な目標を掲げるとともに、翌年にはみどりの食料システム法を制定したところでございます。このみどり戦略の実現に向けて、農水省としては農業者や事業者による主体的な取組を後押ししてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
    さらに、昨年には食料・農業・農村基本法が四半世紀ぶりに改定され、この中では環境と調和の取れた食料システムの確立ということが新しい基本理念として位置づけられたところでございますし、この基本理念に基づきまして具現化するための計画が食料・農業・農村基本計画として取りまとめられて、この計画においても有機農業などの環境に配慮した生産体系への転換というものの重要性が明記されて、一層の推進が求められているところでございます。
    こうした中で、国内においては地域ぐるみで有機の産地づくりに取り組む自治体が150を超え、生産と併せて学校給食での利用なども着実に広がっているところでございますし、また、有機農業の取組面積も増加傾向にあり、有機JAS認証取得農地はこの10年間で2倍以上となっているところでございます。
    国際的に見ても、SDGsの達成に向けた取組やCOPにおける議論など環境負荷低減に向けた進展がみられるところでございます。あらゆる産業によってこうした環境を重視した産業活動が求められているところであり、農業においてもこの世界的な潮流に乗って取り組んでいかなければいけません。世界の有機農業の市場が2023年時点では20兆円という形で急速に拡大しているところからも、こういう国際的な流れにキャッチアップしていく必要があるというふうに考えているところでございますが、我が国の有機農業の拡大に当たってはまだまだ課題が多くあるというふうに認識をしてございます。例えば有機栽培技術の確立・普及、小ロット配送が中心となっている流通体制の整備、消費者の理解の醸成など様々な課題への対応を更に進めていく必要があると考えております。
    この果樹・有機部会におきましては、この有機農業推進法に基づく基本方針について、これは令和2年の改定からもう5年を経過していることを踏まえて、この2030年目標の達成に向けて更に必要な施策を検討し、次期の基本方針の取りまとめをお願いしたいというふうに考えております。本日はその1回目として現状と課題を御説明し、それを踏まえた今後の施策の方向性につきまして是非委員の皆様に御議論賜れればというふうに考えてございます。
    今、私ども農水省農産局は国交省の都市局さんと一緒になって国際園芸博覧会、グリーンエキスポと我々は呼んでいますが、その取組を政府一体で進めていこうということで中心となって取り組んでいるところでございますが、この博覧会も大阪花博以来の37年ぶりで、我が国で開催される最高ランクの園芸博覧会ということでございまして、2027年3月19日から半年間、横浜で開催されることとなっております。この博覧会は単に園芸にとどまらず、これからの環境に配慮した様々な取組について国内外にしっかりと発信をしていく場ということで位置づけられておりますし、農水省関係でいっても気候変動対策や生物多様性の確保など社会的な課題の解決に向けて貢献していくということをPRしていかなければいけないというようなエキスポになっております。当然そういうことですので、この有機農業というものもグリーンエキスポの中でしっかりと国民の皆様あるいは日本の有機農業の取組を世界に分かってもらういいきっかけになるイベントであると思っておりますので、今日御出席の委員の皆様にいろいろ今後議論していただいて取りまとめされる基本方針の中身につきましても、是非このグリーンエキスポでも紹介させていただきまして、農業や環境への関心、特に有機みたいなそういう環境に配慮した農業が大切だということを国内外に発信してまいりたいと思っておりますので、そういう観点からも是非委員の皆様には忌憚のない御意見を賜れればというふうに考えております。
    長くなりましたが、今回第1回目ということで開催させていただきますけれども、委員の皆様の忌憚のない御意見を賜りますようお願い申し上げまして、私からの挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。
  • 葛原調整官
    山口局長、ありがとうございました。
    それでは、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。
    お手元、議事次第、座席表、配付資料一覧とございまして、その配付資料一覧の方に資料が書いてございますが、資料1といたしまして委員名簿、資料2で有機農業の推進に関する基本的な方針について(諮問)という紙でございます。資料3、有機農業の現状と課題、資料4、有機農業関係者との意見交換概要、資料5として今後の審議の進め方について(案)、参考資料1として食料・農業・農村政策審議会の構成及び審議事項について、参考資料2で有機農業の推進に関する基本的な方針(令和2年4月)版のものでございます。
    以上でございますが、資料の不足等ございましたら。
    大丈夫でしょうか。
    では、本日御発言の際は卓上のマイクをオンにしていただいて発言をお願いいたします。発言終了後はマイクをオフにしていただきますようお願いいたします。
    オンラインで御参加の委員におかれましては、御発言時にマイクをオンにしていただき、それ以外はミュートに設定していただきますようお願いいたします。
    本日の部会は公開することといたしまして、会議の議事録につきましては、農林水産省のウェブサイト上で公表いたしますが、委員の皆様には公表する前に内容の御確認を頂きますので、御協力をよろしくお願いいたします。
    続きまして、本部会の運営について御説明いたします。
    食料・農業・農村政策審議会令第8条第1項においては、委員及び議事に関係のある臨時委員の3分の1以上が出席しなければ会議を開き議決することができないとされております。本部会の審議は食料・農業・農村政策審議会の委員6名と臨時委員10名の16名で行うこととしておりまして、本日はそのうち14名の方に御出席いただいております。このため、本部会が成立していることを御報告申し上げます。
    続きまして、本部会の委員を御紹介させていただきます。お手元資料の委員名簿を御覧いただけますでしょうか。
    本日第1回目となりますので、順に御紹介させていただきます。委員の皆様には、この後審議の中で御発言の時間を設けさせていただきますので、その際に自己紹介をお願いしたいと思います。この場ではお名前をお読みいたしますので、その際御起立いただけますと幸いでございます。
    では、順に御紹介いたします。
    齋藤委員でございます。
  • 齋藤委員
    皆様、よろしくお願いします。
  • 葛原調整官
    南島委員でございます。
  • 南島委員
    どうぞよろしくお願いいたします。
  • 葛原調整官
    西村委員でございます。西村委員はオンラインでの参加になります。
  • 西村委員
    オンラインで失礼いたします。西村です。よろしくお願いいたします。
  • 葛原調整官
    続きまして、堀内委員でございます。
  • 堀内委員
    堀内です。よろしくお願いします。
  • 葛原調整官
    山嵜委員でございます。
  • 山嵜委員
    よろしくお願いします。
  • 葛原調整官
    加藤委員でございます。
  • 加藤委員
    加藤です。よろしくお願いします。
  • 葛原調整官
    小谷委員でございます。
  • 小谷委員
    小谷です。お願いいたします。
  • 葛原調整官
    佐々木委員でございます。
  • 佐々木委員
    佐々木です。よろしくお願いいたします。
  • 葛原調整官
    田澤委員でございます。
  • 田澤委員
    田澤です。よろしくお願いいたします。
  • 葛原調整官
    田中委員でございます。
  • 田中委員
    田中です。よろしくお願いいたします。
  • 葛原調整官
    鶴田委員でございます。
  • 鶴田委員
    鶴田です。よろしくお願いします。
  • 葛原調整官
    本多委員でございます。
  • 本多委員
    本多です。よろしくお願いします。
  • 葛原調整官
    八木委員でございます。
  • 八木委員
    八木です。よろしくお願いします。
  • 葛原調整官
    吉田委員でございます。
  • 吉田委員
    吉田です。よろしくお願いします。
  • 葛原調整官
    本日御欠席となっておりますけれども、このほか、堀切委員、佐藤委員がメンバーとなっております。本日は御都合により御欠席となっております。
    続いて、農林水産省からの出席者について御紹介させていただきます。
    先ほど御挨拶させていただきましたが、農産局長の山口でございます。
  • 山口農産局長
    山口です。よろしくお願いいたします。
  • 葛原調整官
    生産振興審議官の佐藤でございます。
  • 佐藤生産振興審議官
    佐藤でございます。よろしくお願いします。
  • 葛原調整官
    農業環境対策課長の松本でございます。
  • 松本課長
    松本です。よろしくお願いします。
  • 葛原調整官
    みどりの食料システム戦略グループ持続的食料システム調整官の清水でございます。
  • 清水持続的食料システム調整官
    清水です。よろしくお願いいたします。
  • 葛原調整官
    新事業・食品産業部食品製造課基準認証室長の谷でございます。
  • 谷基準認証室長
    谷でございます。よろしくお願いします。
  • 葛原調整官
    そして、私、農業環境対策課で有機農業推進調整官をしております葛原でございます。よろしくお願いいたします。
    次に、当部会の部会長について御説明させていただきます。
    食料・農業・農村政策審議会令第6条第3項により、当部会の部会長の選任は委員の互選によることとされております。ここに臨時委員は含みません。本部会には6名の委員が所属されておりますので、この中から部会長を選任したいと思います。
    事務局といたしましては、政策評価を御専門とされ、様々な農業政策や関連分野に御知見をお持ちである南島委員を御推薦したいと思いますが、皆様御異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

  • 葛原調整官
    ありがとうございます。
    それでは、本部会の部会長として南島委員にお願いしたいと思います。
    この後の進行につきましては南島部会長にお願いしたいと思います。南島部会長、よろしくお願いします。
  • 南島部会長
    失礼いたします。ただいま部会長に御選任を頂きました南島和久と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
    私、専門は政治学、行政学系の人間でございまして、政策評価や行政事業レビューの方で農水省の方に関わらせていただいております。
    その中で一言だけ申し上げたいと思いますが、論点としてしょっちゅう出てまいりますのは、若い人が活躍できるような余地をなるべくしっかりと確保していただきたいなということをお話を伺いながら常々思っております。有機農業ということでいろいろなチャンスがある世界かなというふうに思っておりますので、先生方皆様の御知見をしっかりと出していただきまして、答申としてまとめていきたいなというふうに考えております。未熟者ではありますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  • 葛原調整官
    そういたしましたら、ここからは部会長に議事を進めていただきたいと思います。よろしくお願いします。
  • 南島部会長
    失礼いたしました。
    それでは、これより私の方で議事を進めさせていただきたく存じます。よろしくお願いいたします。
    食料・農業・農村政策審議会令第6条第5項の規定によりますと、部会長に事故があるときには職務を代理する者について部会長があらかじめ委員及び臨時委員のうちから指名することとなっております。このため、私の方から西村委員を部会長代理として指名させていただきたいと存じますが、お願いできますでしょうか。
  • 西村委員
    西村です。やらせていただきます。よろしくお願いいたします。
  • 南島部会長
    西村部会長代理、ありがとうございました。それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
    さて、本日の議題でございますけれども、3点ございます。1点目、有機農業推進基本方針策定に係る諮問でございます。2点目、有機農業の現状と課題についてでございます。3点目、その他となっております。
    まずは議題1、有機農業推進基本方針策定に係る諮問について、事務局から諮問文の読み上げをお願い申し上げます。
  • 葛原調整官
    それでは、資料2を読み上げさせていただきます。
    食料・農業・農村政策審議会会長殿。
    農林水産大臣、鈴木憲和。
    有機農業の推進に関する基本的な方針について。
    標記について、有機農業の推進に関する法律(平成18年法律第112号)第6条第3項の規定に基づき、貴審議会の意見を求める。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    諮問事項である有機農業推進基本方針について審議するに当たりまして、事務局より近年の有機農業の現状と課題について御説明を頂きたいと存じます。その後、委員の皆様より御質問、御意見を頂こうというふうに考えております。
    それでは、まず事務局より御説明をお願い申し上げます。
  • 松本課長
    それでは、資料3の有機農業の現状と課題について御説明をいたします。
    最初に、有機農業に関する施策・最近の動向についての説明です。2ページ目を御覧ください。
    これは先ほどの御挨拶にもありましたが、制度の変遷についてでございます。2ページ目です。平成18年に有機農業の推進に関する法律が制定して、これに基づいて翌平成19年に有機農業の推進に関する基本的な方針が策定され、直近では令和2年4月に改正が行われたということです。また、令和3年5月にはみどりの食料システム戦略が策定され、2050年までに耕地面積に占める有機農業の割合を25%、100万ヘクタールに拡大するという目標を定めたほか、改正された食料・農業・農村基本法の下、本年4月に新たな基本計画が策定され、有機農業の新たなKPIや推進の方向などが明記されました。
    次、3ページ目です。現行の基本方針では推進する取組として人材の育成、産地づくり、販売機会の多様化、消費者理解の増進、技術開発・調査などを記載しております。また、2030年までの目標として有機農業の取組面積、有機農業者数、有機食品の国産シェアなどを設定しており、改定から5年後をめどに中間評価・見直しを検討するということとしております。
    4ページ目です。現行の食料・農業・農村基本計画における有機農産物関係の記述を紹介してございます。
    次に5ページ目ですけれども、これはみどりの食料システム戦略の概要を紹介してございます。
    続いてですけれども、基本方針等の目標の進捗状況について御説明いたします。
    7ページ目になります。赤枠で囲んだ部分が直近の実績値になります。有機農業の取組面積については2030年の目標値6万3,000ヘクタールに対して3万4,500ヘクタール、有機食品の国産シェアは目標値84%に対して52.1%となっており、目標達成に向けた努力が必要な状況ということです。一方で有機食品を週1回以上利用する者の割合は32.6%と目標を超えており、消費者からの注目が高まっていることがうかがえます。
    8ページ目です。取組面積の現状についてですが、令和3年のみどりの食料システム戦略以降、みどり交付金などが創設されたこともあり、伸び幅が増加してございます。今後も年間4,000ヘクタールベースで増加すれば、2030年6万3,000ヘクタールの目標を達成できるという状況でございます。また、有機JASの地目別の面積推移では牧草地の増加が大きく、次いで普通畑が増加しております。
    9ページ目です。有機農業者の数の現状について、令和5年度時点の有機農業者数は1万2,600人でございます。総農業経営体数が大きく減少している中、有機農業者数はやや増加しているという状況です。新規参入者については有機農業に取り組んでいる者は約3割程度と高い傾向にあり、新規参入者の有機農業に対する関心の高さがうかがえます。
    10ページ目です。有機食品の国産シェアの推計について、2030年度時点で52.1%となっており、微減傾向で推移しております。また、日本の有機農産物の格付け実績と日本向けに出荷・輸出された有機農産物は共に増加しておりますが、生産の拡大以上に国内の有機食品市場が拡大しているというふうに考えられます。
    なお、輸入品としてはバナナや大豆、コーヒーなどが多くなっております。
    11ページ目です。有機食品需要の現状について、週1回以上有機食品を利用する消費者の割合は約3割となっております。また、右下にあります国内の有機食品市場規模は2022年で2,240億円となっており、拡大傾向となっております。
    12ページ目です。有機食品の輸出実績について、輸出額について、有機認証の同等性の仕組みを利用した輸出額は増加傾向にあり、特にお茶の輸出の拡大等により直近では見通しを上回るペースで推移しております。
    13ページ目です。自治体レベルでの取組を紹介しております。市町村単位で有機の産地づくりに取り組む市町村数は160、普及センターに有機等担当普及職員を置くなど技術指導体制が構築されている都道府県は20というふうになってございます。
    続いて、生産から消費までの各段階における現状と課題について説明をいたします。
    15ページ目を御覧ください。米についてです。近年では、全国的にやや増産傾向が見られます。また、水稲の有機栽培技術は他の品目と比較するとおおむね確立されており、乗用型除草機や自動抑草ロボットなどの技術の導入・普及が進みつつあります。課題としては、除草作業の更なる省力化に向けた技術開発や温暖化に伴うカメムシなどの防除の難しい病害虫対応が挙げられるほか、生産・販売の両面でJAによる取組の拡大を図っていくことが重要と考えております。
    16ページ目です。大豆について、味噌や醤油等の加工食品の原料としての引き合いが強く、麦についてはパン用や製菓用の需要があり、特に北海道の秋まき小麦で省力的な栽培が拡大傾向にあります。課題としては、麦、大豆ともに加工向けであるため、出荷先を事前に確保し、実需者のニーズに合わせた生産が必要であることや畑作においては麦、大豆以外の輪作品目についても有機栽培で生産する必要があり、それらの技術取得や販路確保等が挙げられます。
    17ページ目です。野菜について、にんじん、ばれいしょ等の根菜類や年に複数回生産が可能な葉物野菜などでの取組が比較的多く見られます。課題としては、省力化に向けた除草技術の開発や特に産地化が進んでいない地域では小ロットによる流通コストが高くなるなどが挙げられます。
    18ページ目、お茶についてです。有機栽培のお茶は海外でのニーズが高く、輸出数量が堅調に増加しております。課題としては、生産性向上のために有機栽培に適した耐病性品種の導入や防除等に対する省力化技術の導入が挙げられます。
    続いて19ページ目、樹園地、左の方です。面積は拡大傾向であり、ゆずや柑橘、ぶどう、キウイフルーツなどの事例がございます。課題としては、栽培技術が確立されていない果実品目が多いほか、外観品質の確保が難しい傾向にあり、消費者の理解醸成が重要となっています。また、需要が高いジュースなどの加工品への対応を進める必要があるというふうに考えられます。
    右の方の牧草ですけれども、有機JAS面積が拡大傾向にありますが、課題としては高齢化による離農の増加、有機畜産物の価格が高いことなどが挙げられます。
    20ページ目、有機農業の技術について、現場で培われた優れた技術が蓄積され拡大してきたほか、研究機関や指導団体での栽培技術マニュアルの作成が行われてきました。一方で、地域や品目の特性に応じた栽培技術体系の確立や技術普及体制の整備、カメムシ防除等の技術の開発、高温耐性・病害虫抵抗性を持つ品種の開発、雑草対策としてのスマート農業技術の活用、また、農業支援サービス事業者の育成も重要と考えております。また、関係者が集まってこのような技術的課題と対応方向に向けた情報交換の場づくりも必要というふうに考えられます。
    21ページ目です。有機の産地づくりにつきましては、地域づくりで有機農業の生産から消費まで一貫して取り組むオーガニックビレッジを通じて、全国各地での産地づくりを推進しており、現在までに150市町村まで広がってきております。また、販売戦略の助言などを行うオーガニックプロデューサーを各地へ派遣し、産地の課題解決を支援してきました。今後の課題としては、予算支援によらない取組の自走化でありますとか消費者・産地間の連携強化、慣行農家との相互理解を進めていく必要があります。
    22ページ目です。有機農業を指導できる人材の育成が重要です。このため、有機農業指導員の育成を支援しており、累計1,505人の有機農業指導員が育成されました。あわせて、広域的に有機農業の栽培技術を提供する民間団体の指導活動等への支援も実施しております。また、教育機関の動きとして道府県立の農業大学校においては全校で有機農業をカリキュラム化されたほか、民間の農業教育機関においても有機農業が取り入れられております。一方で、有機農業指導員の更なるレベルアップや産地における品目別の指導体制の確立などが課題として挙げられます。
    23ページです。有機農産物はロットが小さく流通規模が小さいことから、市場を介さずに生産者が個別に宅配便などで輸送する場合が多く見られ、慣行の農産物と比べて流通コストがかかります。現在の流通経路としては類型1又は2が主流ですけれども、今後、生産量が増えていき、産地間のリレー出荷による年間を通じた安定供給を行うためには、地域の物流事業者がある程度ロットをまとめて出荷する類型3のような取組あるいは全国的な物流事業者と連携して地域外に出荷する類型4のような集荷・流通体制を構築し、大ロットの受入れや流通コストの削減を目指していく必要があります。
    24ページ目です。有機加工食品の主な取扱い品目はお茶が最も多く、次いで穀物類、野菜となっています。一方で、麦、大豆等の穀物加工品の多くは輸入原料に依存している状況です。令和4年のJAS法改正により有機JASの酒類が追加され、これまで56の事業者の方が有機酒類の認証を取得されています。課題としては、規格外の有機農産物の販路としても冷凍野菜、カット野菜等への供給拡大が重要であるほか、麦、大豆等の国産原料への転換が重要であり、生産者と加工事業者の連携した体制構築が必要というふうに考えられます。
    25ページ目です。有機食品の輸出です。有機JAS認証を取得していれば、海外の有機認証を受けなくても有機として輸出できる有機同等性の仕組みを利用した輸出が拡大傾向で推移しております。品目別には有機のお茶、有機醤油の輸出数量が顕著に増加しています。課題としては、好調な有機茶の輸出の機を逃さないよう生産拡大などへの後押しが重要であるほか、まだ量が少ない有機米でありますとか有機の日本酒などの輸出拡大に向けた検討が必要というふうに考えております。
    26ページ目です。販売・消費面について、国内の有機食品市場の推計値は拡大傾向にあり、ニーズの高まりを受けて従来の専門店だけでなく大手量販店などによる取扱い事例も出てきているなど販路が拡大しています。また、有機農業を推進するJAも増えており、有機農産物のブランド化による消費拡大の取組も新たに生まれています。課題としては、消費者ニーズに応じた販路の多様化、販売機会の充実が必要であることや国の機関や企業の社員食堂などでの有機食品の活用の拡大などが挙げられます。
    27ページ目です。有機農産物の販売価格について、慣行栽培品より高価格帯で取引されており、一定の付加価値が市場に認められています。一方で、意識・意向調査では流通・加工業者や消費者は1割高まででの価格を希望する者が過半となっており、標準品から四、五割高以上の価格での取扱いを希望する者は1割未満といった状況です。このことから流通の合理化や安定生産技術の普及等によるコストの更なる低減、有機農産物の消費者への価値の訴求が必要というふうに考えております。
    28ページ目です。学校給食に有機食品を利用している自治体は278市区町村となり、毎年増加傾向となっています。学校給食での利用は有機農産物の安定した販路の一つとしての役割が期待されるほか、有機農産物の活用を通じた食育の推進など教育への波及効果もあります。一方で、安定供給のための数量確保や給食では使用できない規格外品の扱いなどの課題もあり、取組には関係者間の連携と相互理解が必要というふうに考えております。
    最後、29ページ目になります。市場規模や年間1人当たりの購入額については、欧州と比べ日本は低い状況です。このため、生物多様性保全や環境負荷低減に資するといった有機農業のメリットについて消費者の理解醸成の更なる推進やそれを通じた消費者による有機食品の利用拡大が必要であります。
    資料3の説明は以上です。
    続いて資料4の方を御覧ください。有機農業関係者との意見交換概要について御説明いたします。
    2ページ目を御覧ください。
    農水省では有機農業の実態や課題を把握し、基本方針等に掲げる目標達成に向けた取組の方向性を検討するため、本年8月から10月にかけて、生産者、流通業者、民間指導団体など計10回、約50名の有機農業関係者と意見交換を実施いたしました。
    3ページ目以降になります。意見交換の場で出た主な意見について分野別に整理を行いました。
    まず、生産分野についてですが、生産資材、経営上のリスク、品目について意見を頂きました。
    1、生産資材については購入先が限られるため調達に苦労することや作物によっては有機JAS認証に準拠した資材がそろっていないなどの意見、2、経営上のリスクについては、農薬などが使えず安定生産が難しいことや有機転換期間中は有利販売できないといった課題、また、3の品目については、余剰品、規格外品を加工用に仕向けるのではなく、加工用を前提として栽培する必要性や作付面積の大きい有機米の生産を拡大する必要などの意見を頂きました。
    4ページ目、産地づくりについては、地域づくり、農地の団地化、農業支援サービス、慣行農家の理解について意見を頂きました。
    1、地域づくりについては、環境保全、地域活性化などまちづくりの視点で有機農業を推進することが地域の理解増進につながるといった意見、2、農地の団地化については、ドリフト対策などのため有機栽培に取り組む圃場の集約化や有機栽培が行われてきた農地を継承する仕組みが必要などの意見を頂きました。3、農業支援サービスについては、有機農業に資する機械をJAや全国に拠点を持つ事業者が所持し、リースや共同利用する取組を広げるべきというふうな意見がございました。4の慣行農家の理解については、近隣の慣行農家の理解がある地域は有機農業の面積も拡大しやすく、生産者との間で互いに交流できる場をつくることが重要との意見を頂きました。
    5ページ目です。指導について、指導者育成、教育機会、指導内容についての意見です。
    1、指導者育成については、新規就農者の定着率向上には普及指導員や営農指導員からのサポートが重要、2、教育機会については、農業大学校などを活用し、地域の農業者、自治体、JAの指導員が共に栽培技術を学べる場の必要性、3、指導については、地域ごとの環境や条件に適応した技術を指導することが重要などの意見を頂きました。
    6ページ目、流通について、共同物流、有機農産物市場、流通段階における取扱いについて意見を頂きました。
    1の共同物流については、仕入れコスト削減に向け、ロットをまとめ輸送のハブとなる集出荷拠点の確保、共同配送を推進する必要、2、有機農産物市場については、物流の効率化に向けた卸売市場の活用、3、流通段階における取扱いについては、小売側で小分け認証を取得していないことが販売拡大の制約になっているなどの意見を頂きました。
    同じく6ページ目の下の加工については、加工施設の整備、ニーズを踏まえた市場開拓についての御意見がありました。
    1の加工施設の整備については、加工事業者の有機JAS認証取得の促進、2のニーズを踏まえた市場開拓については、マーケットインの考えで需要に応えていく必要があり、商品開発には実需者との連携が必要などの意見を頂きました。
    7ページ目です。販路拡大について、学校給食、輸出についての御意見を頂きました。
    1の学校給食については、食育や地域の認知を広げる観点に加え、新規参入者や転換期間中にも安定的な供給先となる点や規格や虫などについて学校、調理現場の理解を得る必要性などの意見を頂きました。輸出については、輸出に対応できる認証機関の増加やマーケットの拡大が期待できる有機茶や日本酒について国内生産体制の強化などの必要性の意見を頂きました。
    8ページ目、認証制度について、小規模生産者にとって毎年の検査料と事務手続の負担が大きいことや申請書類の紙媒体での提出の負担などについて御意見を頂いております。
    9ページ目、技術について、病害虫、除草技術、先進技術の活用、研究体制について御意見を頂きました。
    1の病害虫対策については、抵抗性品種の開発や病害虫の特徴に応じた地域ごとの対策の必要性、2、除草技術については、優良事例から解明した技術のマニュアル化や抑草ロボットなどの導入による負担軽減などの御意見を頂きました。また、3、生産性の向上にはスマート農業技術の先進的な技術導入の必要性や4の研究体制について、研究機関、行政、民間指導団体の間で技術開発に関する情報共有を行う仕組みが必要などの意見を頂きました。
    最後、10ページ目になります。消費者理解について、有機農業の価値、農業体験、食育についての意見を頂きました。
    1、有機農業の価値については、有機農業に対する消費者の更なる理解醸成や消費者と生産者が適正な価格に合意できるよう生産の背景などを消費者に丁寧に伝える必要などの意見を頂きました。2、農業体験、食育については、農業公園や家庭菜園を有機農業の理解・関心を深める場としての活用や有機農業の価値訴求は教育分野との連携が不可欠であり、初等教育から体験ベースで伝えることが重要などの意見を頂きました。
    事務局からは以上となります。
  • 南島部会長
    どうもありがとうございました。
    ただいまの事務局からの御説明を踏まえまして、有機農業推進基本方針の策定に関して御質問、御意見をお願いいたしたいと存じます。
    現行の基本方針においては、5年後をめどに中間評価を行い、見直しを検討することとされております。現在の2030年の目標について、現状と課題を整理した上で、その目標の達成に向けてどのような取組が必要かなどの観点で先生方皆様の御意見を頂ければと考えております。あわせまして、初回でございますので、冒頭にごく簡単に自己紹介を併せてお願いできればと思います。
    御発言の順序ですけれども、グループで少し分けさせていただいて、事務局からの御回答もいただきながら進めてまいりたいと思います。第1クールとして齋藤委員、堀内委員、それから、山崎委員、加藤委員の順番で御発言をお願いしたいと思います。
    初めに、齋藤委員、お願いできますでしょうか。
  • 齋藤委員
    ありがとうございます。
    私の方は公益社団法人日本農業法人協会ということで、今会長を2期目させていただいております。全国の今会員が2,100社ほどおりまして、この2,100社で農畜産物の売上げの約10%やっているので、規模の大きいグループだと思います。その中には有機をやっておられる方もいっぱいおりますので、有機は規模の小さいということではもうなくなったんだろうなと考えております。
    私も若い頃、一度有機を3年目で結局リタイアしまして、要は田んぼで草にのまれてどうしようもなかったので断念した経験がありますけれども、うちの近所、山形なんですけれども、山形では有機も定着したグループがいっぱい存在します。それは最終的に合鴨農法、田んぼの方ですけれども、合鴨農法が2年間、そして、黒マルチ、これを合わせて成功したようです。合鴨だけだと稼がない合鴨が時々出るものですから、それで人間が合鴨の代わりに草取りをやっているということで大変な思いをしているという話をしておりましたけれども、それに黒マルチをうまく使うことによって達成しているという産地として出てきますし、もう一つが現場ではやっぱり慣行栽培をしているのが当然多うございますので、トラブルがしょっちゅうあります。特にドリフト問題です。有機をやっているのは赤い旗を立てて、10メートル以内に散布するなと大声でやっていますけれども、逆に慣行栽培をしている人たちから見れば邪魔になると、はっきり言えばそんなことでトラブルがなかなか絶えませんので、小さい町ですけれども、庄内空港の近くの三川町というところでは、エリアがだんだん寄せ集まってずっと赤い旗の立つ場所になりまして、その問題を何とか解決しそうでございます。あと、どうしても個人で何年も有機をやっている圃場のトラブルというのは、なかなか絶えないというのがこれは一つの問題であろうと思います。
    あと、それから、市場がどんどん増えていくのであれば分かるんですけれども、なかなか有機の市場は見えづらいことが、たしか日本の有機の市場は0.8%ぐらいだったと思いますけれども、それに向けて栽培して本当にしっかり売れるのかと、生産者側からはそういう不安がございます。
    あと、ほしい技術というのは精神論で頑張れなんて言われても、有機も大変なんですよ。草との闘いですから。海外の方では野菜の方も完全にAI搭載のロボットの除草体系ができていまして、レーザーで焼く、そして、栽培作物と雑草を判断してアームで取り除くということが私の法人協会の仲間では何人もロサンゼルスの方に見に行っているようです。そういう導入を早めにすればもっともっと増えていくのではないかななんて思いますし、日本は田んぼも畑も小さいんだとか小型じゃないとではなくて、やはり数千万するそうですから、大型機を準備して、そういうものを市場から投入していただいて、これからの若い人たちの有機を目指す人たちが事業ベースでできるような仕組みを構築していただいて、例えばそういう補助率を上げるとか推進費で県からまた更なる補助を頂くとかということでやっていただければ、我々の世代じゃなくてまた次の次の世代です。二、三十代の人たちは有機というものにも関心がありますので、消費者の皆さんと一緒になってそういう機械を駆使して現場で頑張っていただければと思います。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    続きまして、堀内委員、お願いいたします。
  • 堀内委員
    岡山県赤磐市から来ました堀内といいます。
    私は赤磐市の方で酒米の雄町をメインに作付けをしていまして、全体で今26ヘクタールぐらいですが、半分が雄町の栽培になっています。雄町の方は部会がありまして、その中でグループ認証としてGLOBALG.A.P.を取得してかれこれ10年になりました。
    私はGLOBALG.A.P.を取っているだけで、慣行栽培をしているので、有機栽培には実際携わっていないんですけれども、近所にもやっぱり有機栽培をされている方がいるんですが、どうしても私たちの田んぼの間に有機をされている田んぼがあったりですとかするので、有機JASまでは取っていらっしゃらないと思うんですが、やっぱりこちらも気にしながらしなきゃいけないし、なかなか折り合いの難しいところがあるなというのが正直なところです。
    いいですか、短いですけれども。
  • 南島部会長
    大丈夫です。ありがとうございます。
    続きまして、山嵜委員、お願いいたします。
  • 山嵜委員
    改めましてよろしくお願いいたします。新潟から参りましたファームフレッシュヤマザキの山嵜と申します。
    私は会社というか、普段は会社の仕事と、あと稲作経営者会議という会議に属しておりまして、そちらの青年部でやらせていただいて、今回その推薦を受けてこちらに参加させていただいております。
    有機栽培は、当社の場合は全体面積の約20%ほどを有機栽培で栽培させていただいております。一番長い圃場ですと約30年ほど有機栽培をさせていただいてもらっている圃場があります。一応年率で言いますと、大体田んぼが1枚ずつぐらい増えてきたのかなというような感じで今有機栽培の方を増やさせてもらっています。残りはやはり慣行栽培というところがメインにはなってしまうんですが、この近年の離農のスピードがちょっとあまりにも早過ぎますので、自社の有機栽培の圃場面積を増やせないというのが正直なところかなというのが一番あります。
    今後のみどり戦略の方で少し御質問というかお伺いが何点かあるんですけれども、例えば資料の5ページとかにあります2050年までに有機農業の割合を増やすというところの課題もあるんですけれども、ここに記載されている有機農業というレベルが一体どの程度のものなのかなというところがまず気になるかなというところがあります。これがもうちょっと明確になってくると、有機農業を増やす一つの指数になってくるのかなというふうに思いますので、そういった面でそこを啓発していただくと周りの農業者も明るいのではないかなというふうに思います。
    あと、恐らく一緒に農業者が減っていく中で、その中で有機栽培の農業をどれだけ残していけるかというところが一番の課題なのかなというふうに思いますので、そういったリアルな数字ももう少し載せていただけるとこういった資料にはまたふさわしいものになってくるのかなというふうに思います。
    あと、ちょっと気になった点を何点か先にお伺いを立てられたらなと思うんですけれども、10ページの野菜の格付け推移がとても上がっているなというのは良いことなのかなと思いますが、私は水稲が専門ですので、水稲の場合は恐らくこう言うとあれですけれども、先ほど発言されていました齋藤委員も米のプロですので分かるかと思いますが、今の米価のままですと、恐らく有機栽培米はなくなってしまうんじゃないかなというのが正直なところです。価格差が正直つけられないような状態になっているので、更に高いお米を誰が買うんだというところが課題になってくるのかなと思うんですけれども、この下にある野菜の表ですと、順調に推移しているのかなというふうに思いますので、この推移の中身だったりがちょっと見えてくると栽培目標というか、栽培しやすい野菜だったりが見えてきて振興しやすいのかなというふうに思いました。
    あと、資料4の方で格付けだったりとかいろいろ規制が今やはりどうしても大切なことですのであるんですけれども、実際今の現状の格付けの方法でしたりとか、正にここに記載してあるとおりなんですけれども、正直ちょっと今農業者負担があまりにも大きいのかなと。年々少しずつ改正されてきて、本来なら農業者がやるべき役割なのか、制度上にのっとっているものなのかというところに少し疑問点が残るので、私の方も地元で集団で有機JASのグループの団体をつくらせてもらって取得は毎年しているんですけれども、名前は残すが、今年はもう取得しないよと言われるような農家もいらっしゃるのが現実問題なので、JASで認証の圃場が増えるか減るかというのは、そういったところの一つにもなってくるのかなというふうに思います。
    簡単ではありますが、ざっとこの資料の3番、4番を含めましては以上とさせていただきます。ありがとうございます。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    続きまして、加藤委員、お願いいたします。
  • 加藤委員
    パルシステム生活協同組合連合会から来ています。
    私の方は生産というより、どちらかというと組合員さんに向けて有機のものを販売する、全ての商品を販売する責任者として担当を長くしています。有機の取扱いについては大体年間30億円ということで、そのうちの約3分の1程度が果実というような形になります。全体の農産物のうちの約7%が有機というような状況で販売をしているというところです。
    うちの方がですね、在り方として暮らし課題解決事業という言い方をしていまして、単純にこれがいいから買いなさいというような言い方ではなくて、組合員さんの暮らしに寄り添って、組合員さんの生活がよくなるという視点での発信の仕方をするということを徹底して何十年やってきておりますので、表現の仕方もこんなふうに食べるとおいしいよみたいな表現の仕方であったりとか、それから、生産者のところの顔が見える関係ということで、そういった取上げを極力一生懸命直接組合員さんとつなぐといったようなところをやっているということです。
    特にカタログのところやインターネットの取組を一生懸命やっていまして、有機の特集のページをずっと毎週やっていたり、インターネットでもサステナブル散歩というネーミングでウェブ上に成果の取上げを有機であったり、エコチャレンジという半分の農薬に抑えた取組といったところから順番に組合員さんに利用していただいて、最終的には有機の方を御利用いただくというような育む発信というようなことを心がけてやっているところです。
    ただ、どうしてもこの規模になってくると商品が足りなくなってしまうので、大きい取上げはできないというのが毎回課題になっておりますので、オンラインショップでは数量限定で、まずは小さい取引先の農家の方からちょっとずつでも販売をして、少しずつ農地が広がっていたらまた限定数量を増やして取扱いをしていくというようなことも一緒に共同でやらせていただいているというところです。
    ですので、非常に課題としてはどうやって消費者のところに有機の良さを伝えたり裏側にあるストーリーとか価値を伝えていくのかということをずっと長年やっていますので、そういったことをまたこの中でも一緒に議論させていただいて、日本の有機が推進していけるようにしていきたいなというふうに思っています。例えばそういった中で果物や野菜につけるネーミングとかそういったことも非常に有効な手段になってくるのかな、取り入れやすい手段になってくるのかななんていうことも思ったりしております。よろしくお願いいたします。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    続けてまいりますと事務局の方がパンクしてしまいますので、答えられなくなってまいりますので、一旦ここで御回答なり御説明、補足を頂ければというふうに思います。事務局の方から補足をお願いいたします。
  • 松本課長
    いろいろと御意見ありがとうございます。
    まず、齋藤委員のところで幾つかいただきました。慣行農家のドリフトで堀内委員も同じようなことをおっしゃっていたかもしれませんが、やっぱりこれはよくお話として聞きます。事前にしっかり調整していただけると非常にありがたいんですけれども、なかなか難しいときもあるんですが、一つ枠組みとしてはみどりの法律ができて、その中で有機の栽培協定を結んで団地化してやる、そういった枠組み、まだこれは一例、茨城県常陸大宮市だけですけれども、そういったやり方もあっていろいろ推進はしているんですけれども、やっぱり増えてきてまとまってやるというのはまだ課題が多いかなと思います。そういった枠組みはあります。
    あと、スマート農機というかAIを使ってレーザーで除草、日本の有機農家さんでも私も1人これから導入しようというお話を聞いて、事業なんかも考えられていますので、非常にお高いとは聞いているんですけれども、そういったものをうまく使える人が出てきてみんなができるようにいろいろ我々も後押しできるような事業も考えていきたいと思っています。補正で今回新しくそういった先進的なスマート技術の機械なんかを入れて規模拡大する有機農家さん向けの事業なんかもつくったりしていますので、こういったものもいろいろ紹介しながらこういったところに取り組んでいただける方をしっかり増やしていきたいというふうに思ってございます。
  • 葛原調整官
    このほか山嵜委員からも有機農業は定義の問題というところもあるんだと思います。一般的には国際水準の有機農業というのが認証制度の中でありますので、それは一つの基準になるんだろうとは思います。その中でも基本的には農薬を使わない、化学肥料を使わない、遺伝子組換え種苗は使わないとかそういう基礎的なところはあるので、いずれにせよそういう取組に向けてきちんとやっていただけるというところが大事なので、それで実際認証を取られるか取られないかというのはまた人によって違ってくるかもしれませんけれども、まずはそういう取組を進めていただくというところが拡大の第一歩だろうと考えております。
    あと、先ほどお米の値段の話もちょっとありましたけれども、実際慣行に比べて有利販売をしていた部分が有機の値段の全体というか、米の値段が全体上がっていくと差が縮まってくる。何とも価格について何が妥当かどうかというのはちょっと申し上げられないんですけれども、いずれにしましても、そういうかかり増しの部分というのをきちんと消費者にも御理解いただくということのために有機が何なのかということをちゃんと消費者の方にも知っていただくということが大事でしょうし、価格差というか、価格もできるだけそれは低コストで供給できればそれは消費者も買いやすいわけですから、生産者の方も低コストで供給できるようにしていく、そういう不断の努力をしていく必要があるんだろうなというふうに考えております。
  • 谷基準認証室長
    山嵜委員から制度的にだんだん事業者の負担感が増しているという話でございました。有機JASを取得する際の事業者の負担軽減という観点から、令和3年度から運用改善というものに取り組んでいまして、グループ認証での圃場のサンプリング調査ですとか、あとリモート調査の導入、それから、資材リストの公表等やっているところでございます。そうした運用改善に取り組む事業者に対する支援というのもさせていただいているところでございますが、必ずしもそれが十分行き渡っていると思っておりませんので、また更なる対応が必要であれば考えていきたいと思っております。
  • 葛原調整官
    あと、加藤委員からも御指摘ありましたけれども、消費者に対しての発信のところです。これは本当に国だけでもなくて、いろんな事業者の方々、農業者の方々、本当に知恵を絞ってやっていっているところなんですけれども、国としてもちゃんとエビデンスに基づいて環境負荷低減の効果についてはきちんと発信をして、いろんな場面を使いながらそれを分かりやすくやっていくというのは努力していきたいと考えています。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    更に御質問等あるかと思いますけれども、また改めて一通り一巡させていただいてから御発言の機会を設けたいというふうに考えております。
    続きまして、2グループ目にまいりたいと思います。こちらでは小谷委員、佐々木委員、田澤委員、田中委員に御発言をお願いしたいと存じます。この順番で御発言をお願い申し上げたいと思います。
    それでは、まず小谷委員、お願いできますでしょうか。
  • 小谷委員
    ありがとうございます。私は農業を取材している立場と消費者の立場でお話しさせていただきます。
    まず、資料でいいますと8ページなんですけれども、牧草地がすごく伸びていると。8,800ヘクタールというこれは有機JASの面積2.18万haという全体から見ても断トツで多いんですね。これは改めて重要だなというふうに思いました。お茶が伸びているとよく聞くんですけれども、実は数字で言うと牧草地だと。その中で19ページにいきますと、課題として労働力不足とかあるんですけれども、今、拾っている数字では主に乳業メーカーの有機酪農の取組ということで、有機の牧草地のことかなと思うんですけれども、私は畜産を取材している中で和牛の繁殖を放牧でやっている人がいて、宮崎県西臼杵に放牧の勉強会とかをつくって十数か所で今やっている人たちがいるんですけれども、そうすると、労働力が削減できる、省力化できるという話と飼料コストがかからないので収入が上がるというような話がありまして、しかも、牛は4本足ですので、かなりの斜面もがんがん歩くと、そういう話があって、この五、六年で有機の面積が牧草地でこれだけ伸びているということは人間が田畑を有機で耕すだけじゃなくて牛が草地を歩き回って土地を耕せばもっと有機の面積は伸びると、そういうアプローチも重要だと思いました。
    よくみどり戦略でイノベーションと言われますが、単に機械を使うロボット化だけじゃなくて、牛の生態を生かしたイノベーションが重要だと思います。肉牛の繁殖も含めた放牧で有機の面積を増やすというのは可能性があると思いました。
    それから、オーガニックビレッジは私も取材する中で大変注目して、良い成果が出ているなというふうに感じています。やっぱり食料というのは鮮度からしても流通のコストとか環境への負荷を考えても地産地消というのが大原則ということなんですが、21ページの資料を見ますと、せっかくオーガニックビレッジなのに自治体の地域中での循環的な経済なんですけれども、産地づくりという認識をされていると。産地づくりも大事なんですけれども、やっぱり地域づくりというアプローチが重要だと思います。
    有名ですけれども、千葉のいすみ市なんかは学校給食にオーガニックのお米を使ったことで移住の若い家族が増えている、環境に良い田んぼがあり、お米の給食があるところに子供たちを住ませたいと、そういう教育とかいわゆる農業だけの予算じゃなくて、教育とか福祉とかそういうものに活用できることですので、いわゆる環境にいい住環境を提供する今言われているウェルビーイングがアップする、そういうことも含めてオーガニックビレッジを見ていただけるともっと伸びる可能性があると思っています。
    オーガニックビレッジの中で欠かせないのが給食なんですけれども、28ページの資料では農水省さんでもすごく良い事例としてよく泉大津市と旭川市のいわゆる有機農業の産地と消費地である都市との連携ですよね。この自治体間連携はすばらしいと思って、これをどんどん進めてほしいと思います。
    その中で一つちょっと学校給食も重要なんですけれども、意外と学校給食だと教育委員長とか校長先生とかすごくハードルがあって、保育園の事例を最近茨城県水戸市で知りまして、保育園だと園長の1人の判断で決められるということで、しかも、規模が小さい分小回りが利くというんでしょうか、そういう中で地域の連携を結ぶというのは重要だと思いました。ということで、有機JASももちろん大事なんですけれども、消費者の理解という部分ではCSA、また、PGSという参加型の認証する仕組みというのが重要だと思いました。
    それから、先ほど冒頭で局長もおっしゃったように園芸博が横浜であるのは本当にすばらしくチャンスだと思っているんですけれども、これはむしろ都市の人がライフスタイルとして土に触れたり畑に触れるチャンスだというふうに思いますので、積極的にこれを活用されたらいいと思います。よく消費者の理解醸成が重要といわれる中で、究極なトレーサビリティは認証のシールじゃなくて自分がつくることに関わること、生産工程に消費者自身が携わることだと思いますので、消費者をむしろ農の方に巻き込む取り組みも重要かと思いました。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    続きまして、佐々木委員、お願いいたします。
  • 佐々木委員
    明治大学の佐々木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
    私、明治大学農学部からやってまいりましたけれども、専門は農業経済学とか環境経済学、いわゆる社会科学的なアプローチから食・農・環境の問題を分析するようなことを専門にしております。特に最近は行動経済学という学問分野をこういった領域に応用しまして、例えば農業者とか消費者あるいは様々な事業者の行動変容がどのようにして起きるのかというのをデータを用いて実証的に分析しています。あと、更には海外の政策動向と日本の政策動向を比較した分析なんかもしております。
    そういった私の背景、バックグラウンドを踏まえて、今日は幾つかコメントさせていただきたいんですけれども、一つ目がちょっとこれは資料に今日載っていない範囲ではあるんですが、例えば有機農業をやっている農業者への支援の話、直接支払いの話なんです。いわゆる環直の直接支払い、単価が今恐らく10アール当たり1万4,000円だと思っております。これまで、十分な額じゃないという話はいろんな農業者から聞いてきたところです。他方で、この制度の仕組みがもともとかかり増し費用を補塡するという形になっていますので、なかなかこの制度で強い金銭的なインセンティブを付与するというのは実質難しかったところではあると理解しているんですが、最近、有機転換推進事業、こちらは10アール当たり2万円プラスされるというふうに理解していますけれども、特に有機農業に転換した直後の農業者の方に厚く金銭的な支援をするというのは非常に良い取り組みだというふうに理解しています。EUのCAPでも第2の柱でこういった転換期の支援というものが実際行われておりますので、この2段構えの支援を是非維持していただきたいなというふうに思っているところです。
    この点に関連し私が一つお伺いしたかったのは、このプラスの2万円の農業者の実際の受け止めというのはどういうものなのかということです。10アール当たり3万4,000円になるわけですので、比較的十分な金銭的なインセンティブになっているんじゃないかというふうに思っていますし、ヨーロッパの国と比較しても面積当たりの直接支払いはむしろ日本の方が高いぐらいじゃないかというふうに考えております。
    ただ、ヨーロッパとの違いは、ヨーロッパは価格のプレミアムは十分にオンされていて、それを消費者が買うということで成り立っているわけです。他方、まだ今までの委員のコメントにもありましたけれども、なかなか消費者が買いづらいという中で、特にやはり導入初期、転換期においては直接支払いの重要性が特に日本では重要になってきていると考えられますので、是非こういったものを維持していただきたいというふうに思っているわけです。
    二つ目が今度は消費者の話なんですが、資料の11ページにありましたけれども、日本の消費者が有機農業、有機農産物の何を重視しているかというアンケートの結果を見ると、環境に負荷をかけていないという点は、五つ目とか、なかなか上に上がってきていないというのが現状かと思います。同様の調査結果について、例えばドイツとかそういった国々の同様の調査を見ると、環境が1番目とか2番目に出てきます。ここの差が、消費者の購買の意欲とかどれだけの価格プレミアムを商品に対して払うかというところに直結しているような気がしておりますので、幾つか調査もあると思うんですが、今現在の消費者のデータをより深く分析することによって、どうすればここの順位が上がってくるのかというのを深掘りしていくというのが重要じゃないかなというふうに思っているところです。
    最後、この環境の話とも非常にかぶるんですけれども、消費者の理解醸成、幾つかもう既に委員がおっしゃっていますけれども、私もこれは非常に重要だと思っております。有機農業者の方々のヒアリングの一番最後のページにも載っておりましたけれども、こういったものをどうやって幅広いチャンネルで広めていくかというのがますます重要になってくると思いますし、その観点でいうと、やはり学校給食とかなるべく子供の段階からそういったものに触れて、家族の中でそういったことが話題に出るということが非常に重要じゃないかなというふうに思っているわけです。
    以上3点、コメントさせていただきます。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    続きまして、田澤委員、お願いいたします。
  • 田澤委員
    農研機構中日本農研の田澤と申します。よろしくお願いいたします。
    私は中農研の中で有機・環境保全型栽培グループというところに所属しておりまして、現在は有機栽培に関する研究というか、一つはスマート化、スマート農機のようなそういうこともしておりますし、一方では大豆の有機栽培というような大豆であるとか、うちのグループでイチゴの有機栽培とかをやっているんですけれども、そういうところで今までなかなか難しかった作目についての有機栽培の体系化ということで取り組んでいるところです。
    私の方はちょっとそういう専門からは外れるんですけれども、やはり先ほど委員の方がおっしゃっていたように牧草地がすごく伸びているというところにびっくりしました。資料の8ページになるかと思うんですけれども、それで、順調に今まで伸びてきている有機農業取組面積なんですけれども、それが例えば牧草地にかなり寄っているところであるとすると、将来的なところで達成できるのかどうか、牧草に頼らずに今までも頑張ってはいるんですけれども、ほかのところの面積もどんどん増やしていかないとなかなか達成が難しいのかなというふうに考えています。
    牧草地が増えていることは有機の畜産物の生産量というか、そういうのも増えているということなんでしょうか。その辺がちょっと分からなかったんですけれども、そういうことを感じました。
    それから、技術のところで御指摘がいろいろあったと思うんですけれども、やはりこの時代なので、スマート農機のようなものの開発ももちろん必要ですし、農研機構の方でもいろいろと有機に限らない部分もあるんですけれども、取り組んではきております。ただ、自分が取り組んでいて実際に農家さんに使っていただくものにするには、かなり難しいというか、ちょっと難しいところもあるなと思っていまして、私たちの方も一生懸命取り組んでいきたいとは思っています。
    それともう一つ思っていますのは、先ほど牛の生態を生かしたイノベーションというふうなお話がありましたけれども、作物の生態を生かしたイノベーションとは言わないんですけれども、作物の生態をもう少し生かした技術開発というのも必要ではないのかなと。例えば温暖化に対しては、スマート農機でどういう対応ができるのかなというのを考えているんですけれども、そういうものを考えたときに作物の部分、例えばですけれども、大豆であれば播種時期をちょっと遅くずらすことで収量が上がるとかそういうことがあるんですけれども、そういうような作物の生態なども生かした栽培体系について取り組んでいくことも一つあるのではないかというふうに考えています。
    ただ、ちょっとスマート農機などに比べるとかなり地味な仕事というか、研究にはなってくるとは思うんですけれども、その辺も大事なところではないかなというふうに私は考えています。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    続きまして、田中委員、お願いいたします。
  • 田中委員
    茨城県の農林水産部農業技術課から来ました田中と申します。
    職名が実は今年度の4月から新しくできた部署の名前でして、有機農業・気候変動対策推進室というのが新しい部署の名前で、正に有機農業の名前が出てしまった室になっております。
    私は、農業改良普及センターや研究所にいたことがありますので、具体的には三つコメントをしたいと思っております。
    一つ目が有機農業指導員の育成についてです。こちらの方は現場で科学的な根拠に基づいて技術指導に当たったり、認証を取るための助言ができるような職員を普及センターを中心に育成することが重要だと考えています。私の県では12の普及センターがあります。昨年度までは大体所属で1名ずつぐらいのちょっとずつしか育成できていなかったところなんですけれども、今年度はやはりちょっと問題かなと思い、一つの普及センターに複数名を配置できるようなバランスを見た育成をするように改善して、大分人数としては増えてきています。さらに、JAの営農指導員さんなども対象としまして、県だけでなくて有機農業指導に当たる人を多く育成できるように改善しているところです。
    ですが、育成の方はそういうふうに進みつつあるんですけれども、今後はその後の現場の指導経験というのがやっぱり問題で、資料の方にもありましたけれども、そちらの方の経験を積ませることが必要だとやはり同じように感じています。
    二つ目は研究についてです。まず、需要がありますが、有機栽培が難しい品目で例えばぶどうであったり梨であったり、そういう果樹の技術開発が進むといいのではないかと思っています。ちょっとなかなか県でできていない部分ではあります。
    あと、先ほどから有機米の話も幾つか出ているかと思うんですけれども、水稲の研究の方についてもお話しできればと思いまして、実は20年以上前の国との共同研究になるんですけれども、千鳥密植という疎植じゃない逆の密植と深水管理という技術を組み合わせた無除草剤栽培という研究成果が実は私の県の方でありまして、今の抑草ロボットとは全く別の視点になると思うんですが、多収栽培にもつながるような技術なので、有機栽培に適するんじゃないかというふうに考えていて、なので古い研究成果というのを振り返るということも必要なんじゃないかなと思っているところです。
    最後に有機JAS認証についてなんですけれども、資料の方でも、読ませていただくと、全体の有機栽培に占める認証の割合というのは増加傾向にあるということが分かりました。私の県でも認証取得を推進しているんですけれども、やはり商品に表示されるということは消費者に対しても分かりやすくて、行政側からしても把握しやすいと思っているので、今後も進めていくべきだと考えております。
    私の県では、儲かる農業を推進していますので、有機栽培を行っている方々も差別化とかそういう取組をして儲かる農業につながるように推進していければと考えています。実際JAS認証をつけて、量販店での販売をされているところの御意見を聞いてみますと、当然慣行品よりも高く販売されておりますし、農家側から見て取引価格であってももちろん高く取引されているということもありまして、やはりそちらの方も進めていかなければいけないなと思っています。
    あと、要望なんですけれども、畑とか牧草地とか樹園地とかそういう大きな分類での面積というのは分かっているんですけれども、品目別の面積、JAS認証の面積が分かってくるとより県として推進に当たってすごく役立つかなと思っていますので、もしも可能ならばそういう方向もやっていただけるとありがたいかなと思っております。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    一旦ここで切らせていただきまして、事務局より御回答等をお願いしたいと思います。
  • 松本課長
    ありがとうございます。
    まず、小谷委員の方から和牛の繁殖なんかでも放牧で有機の牧草みたいなのがうまくこれから使える余地があるんじゃないかというふうな話を頂きました。すみません、あまり我々もよく承知していないところで、またこういった事例があるかどうかとか、どういったメリットがあるかとかそういうのをまたよく畜産局とも相談しながら聞いてみたいと思います。
    あと、オガビレの話で産地づくりだけじゃなくて地域づくりのアプローチも大事で、いろいろもっと可能性があるのではないかというふうな話を頂きました。これまで意見交換してきた中でもそういった話もたしかいただいていまして、資料4の4ページ目のところの一番最初に地域づくりとありますけれども、環境保全とか地域活性化などまちづくりの視点で有機農業を推進することが地域の理解増進にもつながるということで、正に有機を核にいろんな地域づくりとかまちづくりにも生かして地域活性化につなげている、正におっしゃったようないすみ市のような例もあるので、こういうのをもっともっと我々も紹介して、有機だけにとどまらずいろんなところとの掛け算で地域の魅力アップにつながるような、そういったところにもつなげていきたいなというふうに思ってございます。
    あと、園芸博はおっしゃるとおりでいろいろチャンスがあると思います。政府としてもいろいろと出展も考えていくということになっていますので、そういった中でもよく有機とか都会の人をいかに農業とか自然とか環境に取り込んでいけるのかということも考えていきたいというふうに思います。
    佐々木委員の方からは、まず直接支払いの話が出ました。特に有機転換2万円、これは環境直接支払い1万4,000円に加えて有機に転換した方の初年度、1年目に2万円を追加でお支払いするということで、これの評価についてですけれども、特段単価を上げてほしいという要望よりもどちらかというと2年目にもほしいと。それはなぜかというと、1年目は転換初年度なので、あまり思い切って面積も大きくできなくて試しにやってみて、2年目ぐらいから本格的にできそうなら広げていくので、やっぱり2年目もほしいと、そういった御意見はいただいていますが、いろいろと予算要求でチャレンジはしていたりしますけれども、現状まだ1年目2万円というようなことになってございます。
    あと、単価についてもほかのEU諸国なんかと比べると日本は高い方だと思います。韓国なんかとも同じかちょっと高いぐらいだと思いますし、ヨーロッパなんかは基本的に10アール当たりにすると転換で6,000円、7,000円ぐらいで、その後5年目とか3年目以降は1,000円、2,000円とか品目によって差をつけたりしている国も多いですけれども、それぐらいの水準ということであるというふうに理解しております。
    あと、田澤委員からも牧草地が非常に伸びていて、牧草によらずこれから増やしていくことも考えなきゃいけないということで、正におっしゃるとおりです。資料の説明の際にも少し触れましたが、やっぱり技術的にも、あと、日本での取組が多いという意味でも米を有機で転換をもっとできないかというふうに考えております。あと、野菜であれば根菜類は非常にまだ野菜の中ではつくりやすいというのもありますし、給食なんかでもにんじんとかジャガイモ、タマネギは基本的な食材でよくたくさん使われるので、そういったところを中心に増やしていける余地があるんじゃないかなというふうに考えております。
    あと、作物の生態を生かしてというようなことで、いろんなすごく尖った技術開発だけじゃなくて、もっと地道なところで、もっと足元のところでいろいろ対応できるものがあるんじゃないか、正に私もそういうふうに思っております。例えば今カメムシの防除なんかは非常に難しいという話が出てきていますけれども、慣行の農家よりもちょっと遅くずらした晩生のものでつくることによって、最初に慣行農家の方でいろいろと病害虫の駆除をしてもらって、減ったところで有機農家とかそういったこともやられたりとかしているというふうに聞いていますので、いろんな地道なやり方も大事かなというふうに思っております。
  • 葛原調整官
    あと、御指摘の佐々木委員から何で有機に取り組むんだという理由の部分なんですけれども、そういうので環境というところの意識というのをもっとということですよね。やっぱりそれは確かにあって、もっとこれはきちんと訴えていかなきゃいけないところなので、私どもの努力のしどころだろうなとは思っております。せっかくみどりの食料システム戦略もできましたので、きちんとそれは言っていきたいなと思っています。
    あと、田中委員からデータ的なもので、品目別の面積とか、これ実は案外取るのが難しいんですけれども、どこの部分で取っていくかというのはテクニックとしてあるんですけれども、できるだけ誰かの負担になって、結局有機をやっている人の負担になるようなことにならないようにうまく必要なデータは取っていけるようにしたいなと思っております。
  • 谷基準認証室長
    田澤委員から畜産の格付けについて御質問ございました。直近の令和5年度の有機畜産物の格付け数量は5,757トン、ほとんどが生乳となってございまして、過去5年間でも最大の数量ということで、ちょっと凸凹はあるんですけれども、増加傾向でいっているというふうに言えるかと思います。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    更に質問等あるかと思いますけれども、また後ほどお願いいたしたいと存じます。
    それでは、お待たせいたしました。第3クール、最後のクールでございますけれども、鶴田委員、本多委員、八木委員、吉田委員の順番でお伺いしてまいりたいと存じます。
    それでは、まず鶴田委員の方からお願いを申し上げます。
  • 鶴田委員
    皆さん、こんにちは。株式会社マルタの代表をやっております鶴田と申します。
    株式会社マルタのまず組織の紹介なんですけれども、全国で北海道から沖縄まで大体2,000名ぐらいの今でいう主業農家さんが集まってつくった販売の組織という形になっておりまして、いつも流通枠で呼んでいただくんですけれども、基本的には生産者、農業者の団体というような形になっておりまして、株式会社の形を取っております。比較的大規模な大体3,000万円以上の売上げがあるような農家さんが集まっていらっしゃる団体だというふうに思っていただければと思います。
    有機の割合が今10%になります。全体の売上げは111億ぐらいございますので、10億を超える有機のカテゴリーがあるというような形で、毎年大体110%から106%ぐらいで伸長しております。もちろん流通をまとめることによって物流コストを削減したりであるとか、とにかくコスト削減をどうやってやっていくかという部分をやっておりますし、有機でつくりづらいという話もありますので、全国のネットワークを生かして一つの産地であったり農家さんができなくなっても、こちらから出せますよみたいな形で、いわゆるオーガニックコーナー、有機農産物コーナーをきちっと維持できるような形で幾つかの量販店さんと取組をさせていただいております。
    それと、品目でいうとやはり野菜だけが結構目立っておりますので、果物も必要だろうなというふうに思いまして、先ほどもありましたけれども、茨城の有機のイチゴであったりとか熊本の有機のイチゴであったりかんきつであったりみたいなものもバリエーションを増やしております。
    よく私もアメリカとかヨーロッパへ行って有機の売り場を見てくるんですけれども、中身は変容していかなければならないと思っておりまして、欧米では決して青果だけではオーガニックのコーナーはできているわけではなく、その裏にある加工品のところがかなり伸びているというところを見てきており、弊社の有機の取り扱いの内容もカット野菜、もやしメーカーさんと組んだ有機のカット野菜であったりとか有機の冷凍野菜を国産で開発したりであるとかベビーフードの原料を出させていただいたりみたいな形で、中身が変容してきているこのところでの106%の伸びだというふうに考えております。
    それとすみません、言い忘れました。学校給食です。学校給食のところでお米を中心ですけれども、有機の部分は結構引き合いが強くなっておりますので、こちらの方も今拡大しているところでございます。
    要望としましては、流通としてのところは意見交換会のところである程度発表させていただいておりますので、共同物流であったりとか加工施設の整備であったりとか小分けであったり加工施設のところがもっと有機認証、小分けの認証とか加工認証を取っていただきたいというふうなお願いをしておりましたが、今回補正でも組んでいただいたりしておりますので、こういったところをもうちょっとアピールしながら流通面での効率化を進めていこうというふうに思っております。何よりもニーズを踏まえた市場開拓のところでまだまだ輸入される有機食品は増えておりますけれども、国産がなかなか増えていかないというところに対して、我々も国産の有機加工食品をどんどん出していきたいと思っているところでございます。
    農業者の団体としていろんな面から要望させていただければと思いまして、一つは生産面での有機の評価のところです。例えば今年の北海道のタマネギ、御存知のようにすごく高温干ばつで大不作だった、30%ぐらい北海道のタマネギは減ってしまっているわけなんですが、有機の畑についてはほぼ例年と変わらない収量が取れております。やっぱりきちんと有機で作った畑は抵抗性とかレジリエンスだったり回復力が高いのではと思っております。また長野のレタスで土壌消毒をやらなくても有機で毎年できているよみたいな形の環境負荷低減のところであったりとか、つまり単年度のP/Lに載らないB/Sのところの有機の評価というのももうちょっと中に入れていかれたらどうかなと思っているところでございます。
    例えばそれを研究機関と組ませていただいて、持続可能性についての研究であったり検証であったりアピールというのは有機をやる評価に加わっていけば、農業生産者のところではそういった側面もあるんだなというところの理解が進むのではないかなと思っております。
    2番目は認証のところです。先ほども出ましたけれども、サンプリングの問題がありました。グループ認証はサンプリングが認められたわけなんですけれども、大規模農場が我々は多いものですから、大規模農場こそ恐らく単一の管理になっておりますので、こういったところが今何十枚とある圃場を全て検査しており、こういった大規模農場こそサンプリングを認めていただいて、認証の簡素化ができればという要望が上がっておりました。
    最後ですけれども、消費者の理解醸成のところで環境保全であったり生物多様性の部分だけではちょっと弱いんじゃないかなというふうなところを思っております。じゃあ、何なのかというところは私もまだ答えが出ていませんが、私自身よく有機は何で良いのとか、安全・安心なのと聞かれることが多く、結構有機はイメージで売れていっているところがあるんだなというふうなところを日頃から感じております。
    この11月末にスペインに行ってきましたが、スペインではやっぱり価格転嫁ができないということで苦労されているオーガニックの生産者が多いです。ヨーロッパは環境のところに対してかなり理解があるので、消費者が有機を買われているというイメージがありましたが、実際は北欧であったりドイツであったりイギリスであったり、これはオーガニックをよく買っていただくお客様が多いところですが、ロシア、ウクライナの問題で燃料費が高騰しておりますので、生活費の中で有機に回せる部分が減って、例えば冬、春の産地であるスペインなんかはすごく困った状態になっているという産地の分析でした。そういった実態をもうちょっと見た上で、この環境保全、生物多様性だけでいけるのかというと、これは消費者の理解醸成のためには何かほかのキーワードをつくっていかないと弱いのではないかと感じました。日本でも消費が二極化していく中においては、環境とか生物多様性は分かるんだけれども、お金を出せないんだよなみたいところは結構状況として表れてくるんじゃないかなということを危惧しているところです。
    もちろん我々流通の部分でもかなりコスト削減の部分についてはどんどんやっていきたいと思いますけれども、この消費者の理解醸成についてはもうちょっとプラスアルファの価値についてみんなで知恵を出し合っていけないかなというところを考えているところでございます。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    続きまして、本多委員、お願いいたします。
  • 本多委員
    大治の本多と申します。
    東京の大田市場で青果の仲卸をしております。取扱いの多くは慣行品なんですが、市場の中でちょっと珍しい立場というか、2003年に小分け認証を取得しまして、20年ちょっと有機農産物の取扱いを行っております。
    その中でこの20年を見ておりますと、市場もそうですけれども、有機農産物に対する関心が上がっているかというと決してそうではないなというふうに感じておりました。実際に2003年当時ですと、大田市場の中の東京青果さんも個性園芸室というのがありまして、そこの個性化コーナーですか、そこで有機農産物をかなり一生懸命売っていた時期もあったんですが、そういった売り場というのもいつの間にかなくなりまして、一定のニーズはあるけれども、なかなか伸びていかなかったというのがこの20年間だったと思います。
    そういう中で2021年にみどり戦略が策定されまして、一つのきっかけだなというふうに思いましたので、そこでもう一度市場の中に有機農産物を流通させるような仕組みをつくれないかということで市場活用型のプロジェクトというのを立ち上げたんですが、なかなか市場まで持ってきて物流面であったり流通面の問題を解決しようということで取り組んでいたんですが、商品を見ていただいて評価はいただくんですが、そこから先実際に流通が太くなっていかなかったというのが実情でございます。要は市場に持っていきますと、ほかの慣行品との比較というふうにもなりますので、どうしても慣行品の価格に引っ張られてしまうと。そういう中でしっかりとした出口づくりをしていかないと、幾ら市場に持ってきてもそれは自然に流れていくというものではないなというところは理解をいたしました。
    そういう中でかかり増しの補助金なんかもありましたので、それのアレンジをして例えば各自治体で予算化をしてもらって、小さな予算の中で補助をしてもらいながら少しずつ流通を太くしていくというような取組も考えていたんですが、なかなかそこも難しいという中で、今年、ある自治体が学校給食で有機農産物を使いますということで宣言されまして、それが一つのきっかけになるのではないかなということで今弊社の方でもいろいろお手伝いをしております。実際に10月から100%有機農産物を使いますというようなお話もあったんですが、現状なかなか皆様御存じのとおりいきなり有機農産物を来週これだけくださいというふうに言ってもそろわないという中で、計画もない中、行き当たりばったりでとにかくそろえましょうというふうにやったら、結果的には給食の現場としましてもやはり欲しいサイズが来ないであったりとか、あとはあるものから調達するということで高づかみをして結果的には予算オーバーになってしまうような、そういうことが繰り返されてしまいます。
    そういう意味で、今自治体に提案しているのは、まず計画をしっかり立てていきましょうということと、あとは学校給食というものを一つのきっかけにして地域全体で有機農産物の理解を促進するような、そういう取組にしていきませんかというようなお話をしております。例えば学校給食で使用している有機農産物は、ジャガイモ、タマネギ、にんじんであれば大きいサイズが欲しいです。では、それ以外のサイズのものに関しましては同じ自治体内の飲食店であったりとか、それから、スーパーマーケットで学校給食で使っているのと同じものですよということで販売することで、例えば御父兄が学校給食で使っているものと同じものを購入することができる、あとは地域住民がそういったものを目にすることによって理解を醸成するみたいなことができれば、それが一つの流通のきっかけになるのではないかということで御提案をしております。
    ただ、なかなかやはり先ほども学校給食は難しいハードルがありますよというようなお話もありましたが、その自治体で決めることというのはなかなかスピーディーに進んでいかないので、そういう意味で言いますと、もしかしたら先ほどもお話にありましたけれども、学校給食だけではなくて地域の保育園であったりというところにも広げていくことによってその取組の底を広げていくというか、全体を広げていくことができればなというふうに思っております。
    一つ成功事例ができれば、そこで地域モデルというものが横に展開していくということも想定されますので、そういう意味ではそういったものを広げられるように何か農水省としてもいろいろと御協力いただければありがたいなというふうに思っております。また、どこまでいってもやはり有機農産物の価格、先ほども1割高いぐらいだったら買いますよというような調査もあったと思うんですけれども、じゃあ、その1割というのは何が基準なのかというと慣行品の価格なわけですけれども、この慣行品の価格の部分が安定化しないことにはなかなか有機が普及していかないなというふうに思っております。今、食料システム法ですか、農産物全体の価格の根拠をしっかりつくっていきましょうというような法律が策定されたと思うんですけれども、そういう意味ではやはり全体の99%以上を占める慣行品の価格の安定化というのが結果的には有機の普及拡大にもつながりますし、ひいては日本の農業全体の活性化にもつながるというふうに思いますので、そういう意味では有機だけではなくて慣行品も含めていろいろとお考えいただけると、この先につながっていくんじゃないかなというふうに個人的には思っております。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    続きまして、八木委員、お願いいたします。
  • 八木委員
    ビオセボン・ジャポンの八木と申します。
    ビオセポン・ジャポンはパリ発のオーガニック食品スーパーでございます。今、東京、神奈川で24店舗、それに加えてオンラインショップを運営しております。ビオセボンは2016年に立ち上がっておりますので、10年といったところでオーガニック、有機を長くされている諸先輩方がいらっしゃる中でなかなか僣越ではございますが、今回参加させていただいております。
    2016年からなんですけれども、そこから2025年にかけて創業当時と今と品ぞろえも異なるところはあるんですが、お店の商品の約60%が有機JAS認証あるいは海外認証の商品になっています。それ以外の40%は添加物を抑えた商品、ナチュラルといったところが商品構成になっております。農産物に関しては、99%有機JASです。もう本当にキノコの1品、2品がついていないとかいうことで、有機で農産物の品ぞろえを構成しております。
    そういった中で営業してきておりまして、なかなか先ほどの話の中でも実感として有機の広がりという話もありましたけれども、弊社につきましては、大体既存ベースで10%前後の伸びでここまで推移をしてきております。とりわけ2019年、コロナに入る前の2019年辺りから2桁の成長というのが出てきておりました。そこでコロナに入って、コロナ禍では外食ができないという環境の中での食卓の充実を求めるお客様の中でオーガニックに新しく取り入れる方が増えたといったところがあって、20、21、22と大きく伸びるといったところがございました。
    そういった流れの中で、そこからは一年一年コロナの状況も違いましたし、コロナが明けたといっても22も23も違う年で、毎年環境が違うという中で、オーガニックは本当に伸びるのかと思いながら毎年やっておりました。24年まで伸びています。24年まで2桁、約10%前後での伸びといったところできておりましたが、今足元は更に24年、25年と続くインフレの中では少し客足が止まっている状況というのも実際としてございます。
    そういった中で、ここでは2030年あるいはみどりの食料システム戦略の中にある2050年といった短期的な上がり下がりの話ではなくて、中長期でどうしていこうというお話だとは思っているんですけれども、やっぱり先ほどもありましたけれども、いろいろあってオーガニックの認知率は高まって、買いたい人は着実に増えていると思います。でも、買いたいけれども、今は買わないという方というのは足元でも若干出てきておりますし、この先そこがどうなっていくのかといったところを考えたときに、一つはお客様から見たときにやはり価格といったところがあると思っています。仮に生産ベースが、それもオーガニックの生産を増やしていくというのは本当に大きな苦労を重ねてのことだと思っておりますが、生産ベースが仮に順調に拡大していった場合、これは将来2030年、2050年、耕作地が25%有機といったときの世の中というのが一体どういう世の中なのかというのがあまり語られていないなと思っております。
    その2030年、50年のときにここまででも皆さんおっしゃっていますけれども、慣行品との価格差というのは果たして縮まるのか縮まらないのか、あるいはオーガニック食品が日常的に買える状況というのは、スーパーの品ぞろえで考えたときに、今一般的にスーパーというのは皆さん御存じだと思いますけれども、どちらかというと簡便あるいは時短消費といったことで農産物そのままを買われるというよりは加工度の高いもの、サラダになっているものというだけではなくて、場合によってはポトフになっていて、それが冷凍になっていて、そのポトフがオーガニックであるといったところまでの商品を求めているのが実際だと思っています。ですが、加工度が上がれば上がるほど価格差が開くのも農産物の段階での価格差以上に開いていってしまうというのが今の状況だと思っています。
    そういったことを考えていくと、私ども小売りベースのところでの努力というのもありますし、先ほどからありますように農業の現場での効率化というのもございますし、流通段階というのもございますけれども、どこの場面を見ても相当な今の現状とは違う技術革新というのが必要なんだろうなというふうに思っています。お客様が求めている価格とお客様が求めている商品といったところを、正に出口のところを考えると、生産ベースが回っても多分お客様の手元にお届けすることができない、そういったことを考えたときに2030年はまだもしかすると食品市場の中の1%を超えるかなといったところかもしれませんけれども、2050年、オーガニック先進国並みの10%、20%といったところを目指していくとするならば、そこでのそういったところがどういった状況なのか、そこから戻っていくと農業の生産ベース、現場ベースというのはどういう世の中なのかといったことのもう少し解像度を上げていくと取組が進めやすいのかなということを少し考えておりましたので、そういったところを少しお話しさせていただきました。
    ひとまず以上でございます。よろしくお願いいたします。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    続きまして、吉田委員、お願いいたします。
  • 吉田委員
    私は長野県佐久市から参りましたFarmめぐる株式会社の吉田と申します。
    私自身は愛知県の出身でして、2012年に新規就農をいたしまして、個人事業として6年やってから今のFarmめぐる株式会社という法人化をした組織であります。
    標高が割と高い準高冷地に位置する場所でして、そこで約10町歩の有機JAS認証を取得して、非結球レタスと大根の生産をしている農業法人であります。あわせて、地域の16軒の有機JAS農家で集まって佐久ゆうき合同会社という販売会社を組織していまして、その代表も私が務めております。そういった現場の意見という立場で発言できればなと思いますので、よろしくお願いします。
    一つはここまでの流れで結構有機の加工食品の話が出てきていますけれども、実際消費者として買われる方も加工のものが多いんだろうなというふうに思っていますが、実際に私の現場でもいわゆる加工需要というのはすごく伸びてきています。生産しているものがレタス、大根というものですので、カットサラダの原料として出荷する割合というのは年々増えてきているなという印象です。
    この資料の中でも気になったんですけれども、加工のウエートが高いと市場の動きはなっていると思うんですけれども、有機の加工認証と小分けの認証とかそういった動向というのはどうなっているのかなと。割と生産としての有機JASの取得数みたいなものは数値化されていると思うんですけれども、そういった流通過程での認証の動きというのはどうなっているのかなというのがちょっと気になったところであります。
    この意見交換の中の意見としても挙がっていたかと思うんですけれども、マーケットインの発想というか、そういった加工の認証が増えていくと、それを求める生産の方の有機JASも求められると思いますので、そういった裾野が広がっていくような展開というのも考えられるんじゃないかなと思いまして、流通の方でのそういった有機JASの動きというのもちょっと気になったところであります。
    それと、先ほど16軒の農家で集まってというお話もさせてもらいましたが、一つ産地化というのは大きなテーマというか課題ではないかなというふうに思っています。こういった共同輸送みたいな機能が働かないがゆえに宅配便を使って価格差に影響が出ているということは資料でも書かれていますけれども、正にそのとおりかなと。私の現場での感覚からすると、生産コストよりも物流コストがそこの価格差につながっているんじゃないかなというふうな認識です。集まることによって車を仕立てることができて、加工取引先さんに届けることができるというような環境にようやく足かけ、2009年設立ですので、もう20年弱ですか、ようやく何か形になってきたかなというふうに感じてもいます。
    その中で一番大きかったのは、地元の市場との連携です。実際に事務局として市場に機能していただいていますけれども、受注、発注の関係ですとか車の配送関係、代金回収、そういったところも含めて事務的なところを市場の既存の機能を生かせたというのはかなり大きいかなというふうに思っています。
    もう一つ、有機JAS制度のことに関してです。今現在、当社でも今年の実績をまとめて、来年の継続申請書を今作成している、正にそういったところです。これはちょっと実際に私の経験というわけではないんですけれども、客観的にちょっと感じていることがあって、認証機関によって大分料金体系も違うし、そもそもの基準、こちらの認証機関ではこの資材はオーケーなのに、こちらでは駄目だったみたいな話は結構聞くんですよね。その辺は何でそうなのかなというのがちょっとおかしな状況になっているなというのを感じたりします。
    料金体系とともにですけれども、いわゆる審査というか検査というか、その基準にも差が出ているような節があるなと思っていて、何かその辺はもうちょっと統一感がないと、逆にそこに申請を出す生産者であったり加工業者であったりというのは困ってしまうのではないかなと思っています。あくまで第三者としての位置づけであると思いますから、そこは一つ何か統一的な運用がなされるべきじゃないかなというふうに思います。
    もう一つ、JAS制度のことの運用改善のお話がたびたび出てきていますけれども、確かに改善は示されたかと思いますが、現場では全く変わらず、私のところの大体30枚ぐらいの圃場があるんですけれども、必ず全部の圃場を見て回るということが恒例行事になっています。運用改善の中で新規圃場だけで済ませるというのも一つの改善方法として示されたかと思いますが、なかなかその辺は変わらず、検査に半日かかっているというのが現状でありますので、その辺はもうちょっと簡素化というか、生産者のことをもうちょっと信じてもらってもいいかなというのが率直なところです。
    もう一つ、指導体制のところでこの辺は私が新規就農者であったというところもちょっと経験として加えられるかなと思う部分ではあるんですけれども、先ほど田中委員でしたか、指導員の育成というようなところがあったかと思いますが、なかなか指導員を育成していくというのは、人事異動があったりするような行政の仕組みの中で技術力を蓄積していくというのはかなりハードルが高いのではないかなというのを正直感じています。私自身も普及員から技術を教えてくれと言われるような立場になってきてしまっているのもあって、確かにいきなり来て有機の技術指導員ですと肩書をつけられても困るだろうなというのが率直なところで、現実的な運用としてそういった普及員の方に期待したいのは、例えば現場では新たに有機を始めて技術が不足しているときに必要なのはやっぱり先輩のアドバイスであったりとかいうものだと思うんですよね。マニュアル的なものは自分で調べれば手に入れることができて、現場での実際の先輩が経験してきたよかったこと、悪かったことというのを実際に現場で教えてもらえるということが多分一番必要なことではないかなと思うので、普及員の皆さんに期待したいのは、そういった新たに始める人と経験のある先輩とを結びつけるコーディネーターとしての役割ではないかなというふうに思っています。
    私自身も有機の夏場のレタスの栽培というのは参照事例がありませんでした。冬であったりとか時期を変えるとあったりするんですけれども、夏は全くなくて非常に困りました。結局、慣行基準を有機資材で置き換えるようなことを年々積み重ねて、失敗しながら、この時期にこれをやっちゃ駄目だなという大分遠回りをしながら技術習得をしてきたようなところもありますので、そういった経験を生かせる場としてもうまく使ってもらいたいなというのが正直なところです。
    以上です。ありがとうございます。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。
    お約束の時間は18時ということでございますが、まだ御回答もいただかなければいけませんので、すみません、大変恐縮ですけれども、5分ほど延長させていただきたいと思います。
    それでは、手短にということですけれども、事務局から御回答等をお願いしたいと思います。
  • 松本課長
    まず、鶴田委員の方から要望を幾つかいただきました。生産のところで有機は結構夏場の暑さにも強くて回復力があるような、そういった現場を見たというようなお話で、私もこういった話をよく聞いたりします。そういった部分の解明というのがまだまだされていなくて、なかなか実は簡単そうで非常に難しい基礎的な分野なのかもしれないんですが、先ほどもちょっと申し上げたようにやっぱりいろんな技術指導をしている方とか熟練の有機農業者さんとか、そういった方とか公的研究機関、行政を含めてまずはそういった技術について情報交換できるような場というのをつくっていく必要があるなというふうに考えて、改めて認識いたしました。
    あと、理解の醸成で消費者に環境とか生物多様性でなく、それ以外にも何か売りがあればいいという話で、正におっしゃるとおりで、非常になかなか難しいんですが、一部有機の指導団体の中でもしっかりと栄養成分を分析して有意に高いというようなことのしっかりデータを取って訴求されたりとかされる方もいますので、やっぱりこういったデータを積み重ねていって、農法によって違ったりするかもしれませんので、そういったところあるいは有機共通的に例えば土壌の状態がこういうふうに改善しているとか微生物が有意に増えて、それが食味にも影響しているとか、そういったデータが積み重なれば非常にいいなと思っておりますが、そういった研究も今後続けていけるようにいろいろなところと相談していきたいというふうに考えてございます。
    あと、本多委員から有機の給食の取組にいろいろと御尽力いただいているという話でございます。やっぱり現場に行くと、給食側と生産側あるいはそれを調達して間に入っている本多さんのような方々との間で、やっぱりいろんな調整を図っていかなきゃいけない、課題もたくさんあるということで、実は学校給食がこれだけ増えてきていますので、文科省とも連携してガイドブックのようなものをつくりました。どういったところに留意しなきゃいけないかとか、どういった課題があるかとか、そういったものを皆さん同じような壁にぶち当たっている方も多いので、同じ轍を踏まないようにこういたガイドブックで御参考にいただけるようなものをつくったりということをしております。
  • 谷基準認証室長
    有機JAS認証について幾つか御質問、御意見いただきました。
    まず、御質問の方の吉田委員からあった小分け、あと、加工の動向です。すみません、ちょっと正確な数字ではない大まかなところですけれども、小分けについてはここ数年大体800者ぐらいであまり増減なし、増えてはいないというような状況で、一方で加工の方は千数百から2,000ぐらいまでということで年々増加傾向にあるという状況でございます。
    それから、有機JASの認証取得の検査なりで事業者の負担が運用改善と言いつつまだまだ大きいというお話が鶴田委員と吉田委員からございました。それから、吉田委員からは認証機関によって資材とか料金にちょっとばらつきがあるのではないかというお話でございます。
    運用改善の方につきましては、有機JASはコーデックスガイドラインに準拠して、あと、有機同等性を承認している国々との国際整合性の観点もございますので、できること、できないことは当然ございますが、実際その枠の中でどういった更なる負担軽減ができるかというのはしっかり考えていきたいと思っております。なかなか難しいところもございますけれども、更なる改善というのはしっかり考えていきたいと思います。
    それから、認証機関のばらつきでございます。認証機関もそれぞれ民間でございますので、当然国が料金を一律でえいと決めてやるものではなく、それぞれ標準料金等を設定するところでございますけれども、農水省としては各認証機関の標準的な認証料を公開してもよいという認証機関のものはホームページ上に公表したりするなどして、事業者の方からどの認証機関がどういう状況かというのを見やすいようにしているというような取組をしているところでございます。
    あと、資材についてなんですけれども、そもそも有機JAS用資材の使用というのは、有機JASの付属書に載っていても例外的に認めているものでございます。同じ資材であったとしても、じゃあそれを使うといったときにそれが本当に絶対必要ですか、あるいはそれが絶対代替することがほかのものではできませんか、そういうシチュエーションによってそれを使えるかどうかというのは変わってくることがありますので、今おっしゃったばらつきの問題がそういうことなのか、あるいはそもそも同じ資材で同じシチュエーションなのに言っていることが違うということなのかはちょっと分かりませんけれども、そういったこともあるということを御理解いただきたいと思います。
    以上でございます。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。
    あと、途中退席となられました西村委員についてコメントがあると伺っておりますけれども、まずはこちらの御紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。
  • 葛原調整官
    西村委員から書面でコメントを頂いておりますので、読ませていただきます。
    1、有機農業指導員について。年間400人ほどを育成し、累計で33府県で約1,500人という話です。もし、その多くが自治体職員ということであれば、数年で異動するという職員のキャリアパスなども考慮して、今回の計画期間の間だけでもよいのでもう少しスピードアップして人員を増やすと、有機農業の普及には効果的な気がします。関連して、どのくらいの人員があれば、恒常的に人員の手当てができそうか、自治体から情報収集するのもよいかもしれません。
    2、有機肥料の原料資材について。短期的には、地域間で有機肥料用の資材入手が容易なところと難しいところがあるのを平滑化することが課題になるように思います。これは、肥料化した後の形状や性状で対応することも可能かもしれません。他方、もう少し長期的な視点では、目標とする有機農業面積を維持できるだけの資材をどうやって集めるかが課題になるように思います。畜産廃棄物だけではおそらく足りないので、プラスアルファを何に求めるか、どうやって集めるかという検討を早めに始めた方がよいように思います。
    以上でございます。
  • 南島部会長
    今のコメントについて西村委員からのコメントでございましたけれども、何か御回答あるいはコメント等ございますか、事務局の方から。
  • 葛原調整官
    有機指導員の方はほかの先生からもちょっと御指摘ございましたけれども、やはり自治体の方の職員さんだと異動というのはあるんですけれども、そういう方々も含めて研修の機会とか、あとは実際農業者の方を合わせた指導体制構築などの支援を頑張っておるところでございます。有機肥料の資材につきましては、正に地域でどうやって平準化していくかというところで例えばペレット堆肥、こういうものをどうやって普及させていくか、そういった取組を頑張っておるところで、長期的にもどうやって未利用資源を利用していくかというのは大きなテーマとして我々も取り組んでいきたいと思います。
    以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございました。
    もう時間いっぱいになっておりますが、今後また御発言を頂く機会は会議の中でございますけれども、今の時点でなお一言だけでも御発言になりたいという方がおられましたらここで御発言いただければと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
    ありがとうございます。
    それでは、以上をもちましてこの件については終わりにしたいと存じます。
    次回以降の進め方について事務局から御説明をお願いいたします。
  • 松本課長
    資料5について説明をさせていただきます。よろしいでしょうか。
    今後の進め方でございますが、本日が第1回目ということで基本方針の検討について諮問するとともに、有機農業の現状と課題について御議論を頂きました。
    次回、本日いただいた御意見を踏まえて第2回目の審議において論点の整理を行いたいというふうに考えてございます。第2回の審議については、事前の日程調整により令和8年2月3日に開催させていただきます。第3回以降には骨子案、基本方針案の審議に進んでまいりたいというふうに考えてございます。現在のところ、このように全4回の審議を予定しており、来年7月頃には答申を頂きたいというふうに考えております。
    説明は以上です。
  • 南島部会長
    ありがとうございます。以上のようなスケジュールで進んでまいります。
    今日はたくさんの論点を御提起いただきました。事務局において議事録を作成するとともに、一定論点の整理をしていただく必要があるものと考えております。それを踏まえまして第2回の議論というふうにつなげてまいりたいと思いますが、委員の皆様、以上のような進行でよろしゅうございますでしょうか。
    ありがとうございました。
    司会の不手際でタイムオーバーとなりましたことをおわび申し上げます。
    以上で議事を終了したいと存じます。委員の皆様、本当にありがとうございました。
    最後に、事務局より一言お願いを申し上げます。
  • 佐藤生産振興審議官
    本日は長時間にわたりまして御議論いただきまして、誠にありがとうございます。
    本日はキックオフということで委員の皆様それぞれのお立場から最新の動向や御意見を頂戴いたしましたけれども、次回は2月になります。更に議論を深めていきたいと思いますので、御審議のほど改めてお願いをいたしたいと思います。今日は本当にありがとうございました。
  • 葛原調整官
    本日は御多忙の中、長時間にわたり御議論いただきまして、ありがとうございました。
    今回の議事録については、後日、委員の皆様に御確認いただいた上で農林水産省のホームページに掲載したいと考えております。よろしくお願いいたします。
    事務局からは以上になりますけれども、何か御質問等ございますでしょうか。大丈夫でしょうか。
    それでは、皆様、本日大変お疲れさまでございました。ありがとうございました。

    午後6時09分 閉会

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